第93話
異世界27日目。
今朝から、朝から忙しい。
荷物は常にアイテムボックスの中なので、特に荷造りはないけれど、朝食後は、領主様の館のスタッフさんに、今までのお礼を、言いながら出てきました。
「さて、教会へ行こう!」
とフェリンシアに伝え、屋台で買いだめしながら教会へ。
教会の礼拝堂に入り、まずは女神様へのご挨拶。
いつもの如く光に包まれ、女神様の源へ到着w
「お久しぶりです。女神様。」
「お久しぶりですね、元気そうでなによりです。」
と女神様。
「お陰様で、商会を立ち上げ、もう少しでオープン出来そうです。 先日は森で派手に採取させて貰いましたが、生態系とかは大丈夫だったでしょうか?」
と不安な事を聞くと、
「ええ、あの森は大丈夫ですよ。あなたがあの森の王みたいなものですしww 採掘した岩塩や鉱物ですが、あれも100年ぐらいで同じ様な場所に溜まるんですよ。」と笑いながら言われた。
「えー! そうなんですか! そりゃまた、なんとも都合の良いww」
「ふふふ、あの場所には、ああいう物が溜まりやすい設定になってますかねw」
との事。
「本当は、もっとちょくちょく採取とかに行きたいんですが、なかなか時間がなくて・・・」
と言うと、
「あら、時空間魔法が使えるんだから、一度行った場所ならすぐに行けるでしょ?」と。
「え? ああなるほど、空間と空間を繋ぐゲートみたいなのを作れば良いのか!!!」
と今気づきました。
「じゃあ、もしかして空を飛んだりとかも出来たりしますか?」
と聞くと、
「ええ、時空間魔法で時空と言うか、重力制御で飛べますよ?」
と耳よりな情報。
「なんと! また色々夢が膨らみますなwwww」
と海渡がはしゃぐ。
「ところで、海渡さんのご両親ですが、夢で現在の様子も映像付きでお見せして、何となくご理解いただけたようです。」
と、嬉しいニュース。
「そうですか、ありがとうございました。向うの世界は、その事が一番気掛かりだったので。」
と頭を下げた。
「最後に、先日の水の汚染事件の件ですが、ドラーツ公爵家とアレスター商会が関わっているみたいです。
捕まえた2名はアレスター商会のデニッチが直接雇った、闇ギルドのメンバーです。」と。
「なるほど、元凶はあいつらだったんですか。 上手く自白させられるかが不明なんですがね・・・。」
「あら、そんなのは、海渡さんの闇魔法で精神干渉して、嘘をつけなくして、自白させればイチコロですよ?」
と物騒なw
「判りました。アルマーさんに進言してみます。」
「では、そろそろ時間ですね。 また近々に合いに来てくださいね!」
と光につつまれ、祭壇の前に戻った。
フェリンシアと、孤児院の方へ廻り、園長のナスターシャさんに合いに行く。
「おはようございます。カイトです。」
と、入り口で声を掛けると、セーラさんが出て来た。
「あら、お久リぶりです。カイトさん。いつも色々ありがとうございます。」と。
「もっと早くにご挨拶に来るつもりだったのですが、なかなか時間が取れず、遅くなってしまいました。」
と頭を下げる。
「いえいえ、エンジ達から経過を聞いてましたので、大丈夫ですよ。この度はエンジ達を雇って頂き、本当にありがとうございます。これで少しは安心できます。
あ、園長を御呼びしますね。」
と応接室に通された。
すぐにナスターシャさんが現れ、同じく感謝されて、照れる海渡。
昨日の水汚染問題も既に知っていていたので、ついでに成り行きで、子供連れの母親を雇った事も伝えた。更に託児所を作って、子を持つ母親が働きやすくする事も伝えたのだった。
聞くと、孤児院でも、ドンドン子供が増え、エンジ君達16名が去っても、既に定員をオーバーした状態なのには変わらないそうだ。
「食料は足りてますか? 森の偵察でかなり魔物を倒したので、今日も置いて行く予定です。」
と海渡が言うと、凄く喜ばれたが、あまり日持ちしない物だと、保存が出来ないからとのこと。
「ああ、なるほど。じゃあ、時間経過しないマジックバックを1つお渡ししますね。」
とフェリンシアのバックパック型と同じ物を差し出して、
「これに入れておけば、幾らでも入りますし、腐らないですよ。」と。
「まあこんな希少な物を頂いて良いでしょうか?」
と言われ、
「ああ、それ私が作った試作品なんですよ。だからお気兼ねなく」
と言った。
マジックバックの、所有者初期登録を済ませ、ドンドン魔物や小麦粉や塩やなんかを移し替えた。
「また近い内に、寄らせて頂きます。聞く所によると、1日2食に抑え、やりくりされていたとか。
もし困った事があれば、すぐにご連絡下さい。孤児院の建て増しとかも、1日あれば、外側は出来ますので。」
と、孤児院を後にしたのだった。
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