第82話
食後の休憩中、オスカーさんに塩や砂糖購入時の容器についてを、尋ねてみた。
一般客の場合は、壺で買ったり、自分で容器を持って来て、量り売りしたり、大手相手への納品は麻袋になるらしい。
なので、そこら辺の準備も、お願いしておいた。
休憩を終えて、作業に戻る。
屋根の裏側や、壁の内側に、断熱材の発砲ウレタンをイメージした土魔法で、窓以外の部分を埋めて行く。これで断熱効果が出る筈。
屋根の出っ張り部分と壁の隙間も埋める。表面の色は滑らかな白にしておいた。
さらに1階と2回の壁や天井も同様に。
あとは、間仕切りと、階段かな。
トレントの柱と梁が間仕切り部分に既にあるので、それを利用して1階と2階の壁を作って完了。ドアは職人さんに任せる。
3階への直通階段のフレームは、トレントの角材を利用それに溝を掘り、ステップ用のトレント板を差し込んで行く。
最後は土魔法で、壁と融合させて、階段が完成。裏のスタッフ用の階段も完成。
細部を見て廻り、不具合個所等の微修正を行う。
一応、これで、ガラスとエスカレーター以外は出来上がった。
店舗1階部分の床に胡坐をかいて、2階への開口部分を見上げ、構想を練る。
階段式のエスカレーターにしようとすると、仕組みを考えるのが大変なので、ベルトコンベアーみたいな動く歩道にすれば、仕組みが簡単なんじゃないかと。
早速、屋敷の地下工房(←既に工作機械が結構揃って来てるので)に行き、圧力を掛けて鍛造した合金のブロックから、金属性シャフトのローラーを大量に作る。
耐荷重は中央部分で1個300kgを想定した。
≪ピロリン♪ スキル:鍛冶Lv2を取得しました。≫
≪ピロリン♪ スキル:造形Lv2を取得しました。≫
これをトレント角材に穴を開け、金属カラーでシャフトの軸受けを作り、圧入していく。ローラー部分は完成。
ベルト部分だが、これは耐摩耗性や引張強度が必要。この世界の素材で何かを作る必要がある・・・。
そこで、トレントの端材を錬金で分離させて、トレントの繊維を取り出してみた。
≪ピロリン♪ スキル:錬金Lv3を取得しました。≫
≪ピロリン♪ スキル:魔法付与Lv3を取得しました。≫
≪ピロリン♪ スキル:魔力吸引Lv2を取得しました。≫
これを更に錬金で、大量の糸にしていく。糸が出来たら、織加工機の魔道具を作り、トレント素材の布地を作っていく。
1時間動かすと、十分なトレント素材の布が出来た。
試しに少しの生地を切り取り・・・と言っても普通には裁断出来ないので、高速回転アイスカッターで切断し、その布地をコーティングを考える。
これに、柔軟性を損なわない、耐摩耗性と引張強度のあとトレント素材なので、耐火性もアップする何か・・・光魔法か?で表面処理をイメージして発動してみる。
コーティングした布地の耐摩耗性と引張強度と耐水耐火の評価が出るイメージで鑑定してみた。
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トレント繊維の布地
説明:耐摩耗性と引張強度がアップされ、耐火性能を持つ伝説級の布地。
柔軟だが、擦れや破れに強く、通常の刃物では切断も傷もつかない。
この素材は燃えない。
引張強度が高く、1m×1mの生地で300トンまで耐える事が可能で、
伸び率は1m当たり100トンの引張負荷で0.01mmとなる。
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おおお!!!!伝説級キターー!
ちょっとした思いつきで、何か凄い素材を作っちまいました。
「Yes!」とガッツポーズ。
調子に乗り、更に別の切れ端に 柔軟性、耐摩耗、高引張強度、耐火、耐水まで追加してコーティングを発動してみた。
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トレント繊維の布地
説明:耐摩耗性と引張強度がアップされ、耐火性能と耐水性能を持つ伝説級の
布地。
柔軟だが、擦れや破れに強く、通常の刃物では切断も傷もつかない。
この素材は燃えず、水を漏らさない。
引張強度が高く、1m×1mの生地で300トンまで耐える事が可能で、
伸び率は1m当たり100トンの引張負荷で0.01mmとなる。
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おおお!!!!最高のテント素材キターー!
よし、これを最高級テント用の素材にしよう。
って事で、ベルトコンベアー用の最高の布地出来たので、加工してからコーティングするとしよう。
よし、駆動用のローラと駆動ユニット(魔道具)を作成しよう。
駆動ローラーは、先ほどのローラーのシャフトの先端に、大き目の円盤を嵌めこみ、この円盤を駆動する事でユックリと高負荷に耐えられる駆動系の魔法陣を組込む。
ローラーの表面は滑らない様にコーティングした。
これに裁断して両端の切り口を魔法で融合し、継ぎ目無しの筒状の布地にした。
上り用、下り用、2個の歩く歩道が完成し、アイテムバッグに入れて、店舗へと移動。
1階から2階へ向けて、下り用を右側、上り用を右側にそっと設置する。
ベルトコンベアーの裏に回り、そこの駆動ユニットの位置を調整し、ベルトのタルミを調節。
カッチリと固定して、駆動ユニットの魔道具を発動。ベルトが計算通り時速5kmぐらいで移動している。
試しに乗る。うん、問題ないね。
呼んで、20名全員乗ってみる。速度に変化も無く、正常に動く事を確認した。
みんなの反応だが、最初に聞いて計画を知っていた、オスカーさんもヨーコさんも、実際に目にして驚いていた。
エンジ君達は、完全に固まってました。
「これで、あとは内装の方だけど、打ち合わせ通りにお願いします。森から帰ったら、すぐにガラスを入れますから。」
と指示をすると。
「「任せて下さい!」」
とオスカーさん、ヨーコさん2人が声を揃えていた。
「残りのカフェ側は、帰って来てからだね・・・。」
気付くと既に午後3時を過ぎていた。
庭の雑草は完全に姿を消し、地面が見えて居る。
「みなさん、ご苦労様です。お約束の賃金と、ボーナス分で1人銀貨5枚をヨーコさんから受け取ってください。お疲れ様でした。」
と、労をねぎらう。
風呂から上がって来た、エンジ君達16名を前にして、
「明日から、何日か俺とフェリンシアは留守にするけど、こっちにヨーコさんのお陰で、ベッドは人数分明日入るらしいので、明日からこっちに来ても大丈夫です。」
と伝えると喜んでいた。
そして午後4時に解散し、フェリンシアとギルドに寄って、明日の朝から向かう事を伝え、領主様の館へと帰ったのだった。
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