第12話 『御鎮法』の訓練その②

 翌朝、昨日のように朝食を終えた後、今日はラマニアも俺の部屋に来て一緒に『御鎮法おちんぽう』訓練をする事になった。


 ラマニアも一緒という事は、昨日のような想像訓練イメージトレーニングでは無いのか。



「よし。では二人とも、それぞれ『聖門ミリオルド』と『聖塔ミティック』を出すのだ」



 ヴィアンテ様からの指示を受け、俺達は並んで両手を前に出して唱える。



でよ!『聖塔ミティック』!!」


「開け!『聖門ミリオルド』!!」



 俺の手の前からは光の塔が、ラマニアの手の前からは光の縦筋たてスジが現れる。


 そしてラマニアはその縦筋たてスジを左右に「くぱぁっ」と開こうとするが……



「待った。ラマニアよ、『聖門ミリオルド』はそのままだ。まだ穴を開いてはならん」


「えっ?」



 いつもならこの光の縦筋たてスジを左右に拡げるのだが、ヴィアンテ様はそのまま待てと言う。



「リンよ、お主の『聖塔ミティック』でラマニアの縦筋たてスジを上下になぞるのだ」



 え?門内なかに入れるんじゃないのか?


 今までは『聖門ミリオルド』を見れば挿入する事しか考えてなかったから、これは意外だった。


 でもとりあえず言われた通り、『聖塔ミティック』の先っちょをラマニアの縦筋たてスジに「ぴとっ」とくっつけた。



「んっ……」



 その瞬間、ラマニアの口から甘い吐息が漏れる。


 そして縦筋たてスジをなぞるように『聖塔ミティック』の先端をこすりつけた。



「うぁっ!?こ、これは……?」


「ふふ……」



 なんだこれは!?


 ラマニアの縦筋たてスジに軽くこすりつけただけで射聖感しゃせいかんがこみ上げてくる。


 その光景を眺めながらヴィアンテ様は薄く笑みを浮かべていた。



「そのまま続けよ。リン、慣れてきたら少しずつ激しくするのだ」


「は、はい」



 しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ。


 ラマニアの縦筋たてスジこする音だけが室内に響きわたる。


 しゅっ、しゅっ、しゅっ、しゅっ。


 そんな同じ動きを何往復か繰り返した頃、変化を感じはじめた。


 くちゅっ、ぬちゅっ、ぐちゅっ、ぬるっ。



「あ、あれ?」


「はっ、あっ!んっ!ふっ!んぅっ!」



 音に変化を感じはじめた頃、気づくとラマニアの様子にも変化を感じた。


 吐息に熱がこもりはじめたのだ。



「ど、どうしたラマニア?大丈夫か?」



 ラマニアの変化に戸惑い、思わず動きをゆるめた俺に、ヴィアンテ様が叱責を飛ばす。



「リン!動きを止めるな!!もっと激しく縦筋たてスジを責め続けるのだ!!」


「はっ、はいっ!!」



 にゅぶっ!ぶちゅっ!じゅぶぶっ!


 『聖塔ミティック』との接地部から聞こえる音が、ますます水気みずけびてくる。



「あっ!あっ!もっ、もうっ!こんなっ!私っ!もうっ!!」


「よしっ!今だ、リン!!挿入しろ!!」


「はいっ!!」


「ダメっ!まっ、待ってください!!」



 じゅぷぷぷぷぷぅっ!!!!!!


 『聖塔ミティック』がまるで抵抗なく一気に根元まで突き刺さった。



「んはぁああああんっ!?」



 その瞬間、今までで一番の水音みずおとを立てて、『聖塔ミティック』が『聖門ミリオルド』の奥へとくわえこまれてしまった。


 そしてラマニアは床に尻餅をついて倒れこんだ。



「ラマニア!?大丈夫か!!」


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」



 ラマニアは肩で息をして失神している。


 床は『聖門ミリオルド』から溢れ出た何かの液体でびちょびちょだ。



「どうだ?今までの挿入と違い、無理なくすんなり入っただろう?」


「そ、そう言えば……」



 今までは光の縦筋たてスジの状態から左右に拡げていたのにキツかったが、今日は縦筋たてスジの状態のまま奥までずっぽりと入った。



「これはどういう事なんですか?」



 失神してしまったラマニアをベッドに寝かせ、俺はヴィアンテ様にたずねた。



「これが『聖門ミリオルド』と『聖塔ミティック』にそなわった、本来の特性だ。『聖塔ミティック』は『聖門ミリオルド』に挿入するために、『聖門ミリオルド』は『聖塔ミティック』を受け入れるために存在している。強引に挿入するのではなく、こうして入口いりぐちで刺激してやる事により、互いに挿入しやすい状態になろうという性質を発揮するのだ」



 そ、そうだったのか。


 焦って無理に突っ込もうとするより、時間をかけて準備をすればこんなにもスムーズに挿入できるのか。



「で、でも、これじゃあ……ラマニアの状態を見てくださいよ!挿入の負担は無くなったかもしれないけど、ラマニアは失神してるんですよ!?」


「何を言っておる?何のための『御鎮法おちんぽう』訓練だと思っておるのだ。今後はこれしきで失神せぬよう、二人の相性を高めてゆくのだ!!」

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