幼馴染
「……………………しにたい」
「おぉう、今日はまたどうしてこの落ち込み様で?」
お茶にもお菓子にも手を付けずテーブルに突っ伏した私の口から魂的な何かが抜け出ていくのを見て、部屋に入ってきた人物は私のすぐ後ろに控えるアニーにそう声をかけた。
「なんでも、先日の交流会でエルトファンベリア家のご令嬢にキツい言葉をかけたことをひどく後悔してらっしゃるとか」
「エルトファンベリアって、クレアラート・エルトファンベリアにか? え、今さらじゃないかそれ。軽い口論くらいなら一度や二度じゃないだろ。それとも、いつもよりヒドい騒ぎになったとか?」
「いえ、私が見聞きした限りではクレアラート様もいつもより冷静でしたし、お嬢様の対応も素早く適切だったかと。特に問題視されるようなものではありませんでした」
「じゃあ何でこんなに落ち込んでんだ」
「さぁ?」
最後にぞんざいな返事で「自分で聞けば?」とばかりに会話を打ち切ったアニーに苦笑して、本日のお客人は私の対面に腰を下ろした。アニーが手早くお茶をセットするカチャカチャという音が途切れるのを待って、私はのろのろと顔を上げた。
「……………………しんでしまいたい」
「とりあえず訳を話せ訳を」
「うう、ドールスぅ」
「おうおう泣くな泣くな、いまお前に泣かれると」
「――お嬢様を泣かせましたね?」
「泣かれると俺がアニーに理不尽な折檻を受けることになるから」
ちゃき、とケーキ用のフォークを構えたアニーが背後でビュッ、ビュッと食器とは思えない風切り音を出しながら素振りする音を聞きながら、私はようやくドールス、幼馴染のドーラセント・ナエラディオと視線を合わせた。
ナエラディオ子爵令息、ドーラセント。
王都に屋敷を持つ貴族としては新顔だが、その仕事ぶりが先代国王の目に止まって以来、王家から直接の指名で王宮に出仕している注目株、ナエラディオ家の嫡男だ。
所領は辺境とまでは言わないが王都からはかなり遠く気候や植生も異なる地域ゆえに、やや褐色味のある肌とアメジストのような瞳の色は王都では珍しいこの一族の特徴だ。こざっぱりと短く切りそろえられた髪の色は銀だが、アニーのそれと比べるといくらかくすんだ色で、肌色と相まってどことなく野性味を感じる。王都の令嬢方に言わせれば粗野な外見と紳士的な振る舞いのギャップがたまらないのだとかで、密かに人気があるようだ。
私はといえば、父であるフォルクハイル侯爵がナエラディオ子爵に目をかけていることもあって、互いに幼い頃から顔を合わせている昔なじみの間柄である。
とはいえドールスは男で私は女、しかも客観的に見て社交界注目のイケメンと美少女。互いに引く手あまたの令息と令嬢が頻繁にこの家で顔を合わせるのは幼い頃ならともかく学院への入学を控え社交界デビューも済ませた十五歳の今では不自然だ。
貴族であっても同性の友人ならばそれなりの頻度で互いの家を訪ねることもあるが、私達はもちろん異性でしかもドールスの訪問頻度ときたら「それなり」の範疇をとっくに超えている。
しかもゲームの記憶を取り戻した私は、ゲームではこの幼馴染が私の婚約者であり、ゲームの攻略対象の一人であり、彼のルートに登場する悪役令嬢こそが私であったことも知っている。
ここまで条件が揃っていれば、私とドールスは婚約者かそれに準ずる関係であると考えるのがごくごく自然、なのだろうけど。
「それはそうと、今日もアニーは最高に美しいね」
「ドーラセント様、気持ち悪いです」
「ははは、照れなくてもいいじゃないか」
「ドーラセント様、気色悪いです」
「まったくつれないなぁ。そうそう、今度王立劇場で公演する新しい舞台のチケットが手に入ったんだ。良かったら二人で」
「全く良くありません、刺します」
……実態はコレである。
昔から頻繁にフォルクハイル邸を訪れているドールスだが、その目的は今も昔も変わらずアニー、私付きの侍女であるアニエス・シルバを口説くことだけだった。
確かにアニーは私から見ても美人である。三十路手前だというのに十代後半を名乗っても十分通用する玉のお肌に珍しいキレイな銀髪が目を引く。美人で長身、スタイル抜群というだけでなく、落ち着いた物腰と知性的な雰囲気はまるで上流貴族の婦人のようですらあり、ドレスで着飾れば誰も彼女が平民出の侍女とは信じないだろうと思う。
前世で言えば結婚適齢期だがこちらではやや婚期を逃している節がある、のだけど、彼女に結婚する気はないのかと尋ねるといつも決まって「お嬢様のお世話をするのが私の幸せです、お嬢様が私を不要とおっしゃらない限りどこまでもお供いたします」と無表情で言い切られてしまうのだった。
下級貴族とはいえ、伸びしろが期待できるナエラディオ子爵家のドールスから長年熱烈なアプローチをかけられて一切なびかない辺り、その言葉はどうにも本気のようで、ありがたい反面いつかの将来に後悔しやしないかと心配になる。将来有望なイケメン貴族からの求婚なんて、前世の私ならわーい玉の輿だーとあっさり乗っかっていたんじゃないかしら。
まぁ、そこまでハッキリ言われてしまうと私からも強く結婚を勧められず、何より私自身も日常の世話係としてだけでなく気持ちの面でもアニーを頼っている部分は多いのでついつい甘えてしまうのだけど……うーん、いいのかしらね、これで。
「ちょ、アニー、降参! 降参だから!」
「いえ、今日という今日は諦めていただきます。具体的にはえぐります」
「どこを! そのフォークでどこをえぐるつもりかなぁ! ねぇ!」
おっとまた思い出に浸っていたわと意識を引き戻すと、銀髪美人メイドに眼球をえぐり出されそうになっている子爵令息がフォークを握りしめたメイドの手を全力で押さえながら必死に視線でこちらに助けを求めていた。
「はぁ……アニー、ストップ」
「は、失礼いたしましたお嬢様」
さすがによその令息にメイドが大怪我させたとあっては我が家の沽券に関わる。私が制止するとアニーはスッとフォークを引っ込め、息一つ乱さずに私の後ろの定位置に戻った。
アニーとは違いぜぇはぁと息をつくドールスの苦笑いに「自業自得よ」と視線に込めて送ると「まぁ慣れてるけどさ」と目線で返ってきた。これくらいのアイコンタクトができる程度には、私達の腐れ縁も深いというわけだ。……遺憾なことだけど。
「ふぅ……それで? 何がそんなに気になってるわけ?」
ようやく息を整えたドールスはアニーが用意したお茶を幸せそうに口に含んでから、さっきまでの恥ずかしい騒ぎなどまるで無かったかのように最初の話題の続きを促してきた。
「クレア……ラート様のこと、なのだけど」
クレアたんとはさすがに呼べない。
前世なんて話はもちろん、ゲームのことも当然言えないが、それ以外のことは、今さら私とドールスの仲で隠しても仕方ない。それに、私やアニーとは違う目線での相談役が絶賛混乱中の私には絶対に必要だった。
「彼女がどうかした?」
「……私、あの子のことは今までだって別に嫌っていた訳ではなかったのよ。令嬢としての振る舞いはほとんど完璧だし、マナーも作法も適切以上のものを持っているもの、そこについては尊敬してもいたわ」
「ああ、知ってるとも。むしろエルザはいつも『素材は良いのにもったいない』って嘆いてたじゃないか」
それと愚痴はたくさん聞いたな、と続いたのは無視した。
「でもそれ以上ではなかったの。彼女はあんな性格だし、いつも貴族だ家柄だって身分の話をして、下級貴族や庶民を下に見てばかりいたでしょう?」
私がはっきり言うものだから、当の下級貴族の一人であるドールスは苦笑いだ。ドールス自身も、社交の場でクレアに罵倒を浴びせられたり陰口を叩かれたことは一度や二度ではない。
とはいえ、今さらこんなことで遠慮したって仕方ない。物心付く前からの仲なのだから互いの身分や過去の出来事なんかいちいち気にしてられないわ。
「だから私、あの子は令嬢としては立派だけれど、将来貴族として人の上に立てる器ではないと思っていたのよ。才能と器量には恵まれていたけれど、自分の生まれを笠に着たわがまま令嬢なんだって」
「うんうん、その通りだと思うけど?」
「それが勘違いだったと知ってしまって、私はどうすればいいのかしら」
国内最有力貴族、エルトファンベリア。その家に生まれた女として誰よりも相応しくあろうとしたクレアたんの努力は、余人に図り知れるものではない。
そんな彼女に対し、悪意こそなかったとはいえ、幾度となく公の場で対立してきた私がいったいなんと声をかければ良いというのか。
「勘違い、か。それは困った話だ」
言葉では私に同意しながらも気のない反応に私は頬を膨らませてジト目で抗議する。
「そうよ、私は今とても、とてもとても困っているの。なのにその笑みは何かしら?」
「珍しいものを見たなと思って。あの完璧令嬢がこんな風に突っ伏して悩む姿なんて、なかなか見られないだろ」
完璧令嬢。ドールスが口にしたその言葉に、今度は私が顔をしかめる番だった。これが社交の場で、他の誰かの言葉なら「ありがとうございます。でも、私もただの人間ですのよ。できないことだってございますわ」としっとり微笑むところだけど……実際の私がそんなしおらしい人間じゃないことを、ドールスはよく知っているはずだ。
うーん前言撤回。親しき仲にもなんとやらね、ドールスにはデリカシーというものをよくよく学んでもらわなくっちゃ。
「完璧なんかじゃないわよ」
「完璧なら毎朝アニーにベッドから引きずり出されてたりしないもんな」
歯を見せて笑うドールスにムッとした私は、わざとらしく声を荒げて応じた。挑発されたらやり返すくらいいいじゃない?
「ええ、ええそうですとも! 私が本当に完璧ならクレアラート様にかける言葉だってもっと選べたはずですとも! どうせ私はダメ令嬢よ! うわあああん!」
「お嬢様、この男、刺しましょうか?」
「ちょっ、何でこの流れでまた俺が刺されるんだ!」
「うう、ぐすっ、刺していいよぉ……」
「おいエルザ? ちょっと?」
「かしこまりました」
「はい待って、ストップ、落ち着いて、冷静に。話は聞く、相談にも乗る、できることがあるなら協力もするから、アニーのフォークを降ろさせてくれエルザ!」
「お嬢様の受けた屈辱、私が晴らします!」
「待て待て待て待て!」
アニーの気迫に思わず立ち上がり逃げ出そうとするドールスに、涙目のまま「んべ」と舌を出す。ドールスの口もとがわずかに引き攣ったのを見て、私はさっきと同じようにフォークを収めるようアニーに言った。
「今日はいつもよりタチが悪いぞ……」
「あらごめんなさい、悩める乙女は複雑なの」
「悩める乙女ね、そりゃ悪かったよ」
「含みがあるわね」
「無いよ。ほれ、聞いてやるから話してみ」
ようやく、私もドールスも揃って話し込む体勢に入る。私達の空気が引き締まったのを察したアニーが一歩後ろに下がった。
「……夢を、見たのよ」
「夢?」
「笑わないで欲しいのだけど……」
私は前世やゲームのことを伏せて、あの夢についてドールスに説明した。
断罪と、孤独の夢だった。自らの罪を突きつけられても、何がいけなかったのかと疑問を抱いてしまうほど、彼女は愚直に、一生懸命だった。
「気持ちはわからなくもないけど、ただの夢だろ?」
「そうよ、ただの夢。でも起こりうる未来だわ。彼女はあの性格だもの、何かの拍子に殿下が彼女を切り捨てることがありえないと言える?」
「うーん、ユベルがそんなことをするとは思えないけどな。仮に婚約が解消されたって、その後の処遇には最大限便宜を図ると思うが」
ドールスと第一王子ユベルクル・ヴァンクリード殿下は昔馴染みだ。殿下の学友として幼い頃から何度も顔を合わせているドールスは、下級貴族と王族という関係ながら非公式の場ではけっこう殿下に遠慮がない。
そういえばドールスとユベルが親しいのはゲームと同じだけど、入学前からこんな風に気安い関係じゃなかったような気がする。私とドールスが婚約者ではないように、この世界は必ずしもゲームと同じように出来ているわけではないみたいね。
だからやっぱり、マリーが殿下と恋に落ちなければ、クレアたんがそのまま王妃になる未来が訪れるのかもしれない。
でもあの断罪イベントが無いからそれでいい、なんてそんな単純な話じゃない。
「たとえ殿下との関係が壊れなくても、彼女には理解者が必要だわ。……私にとってのアニーや、ドールスのように」
こんな荒唐無稽な話を笑わずに聞いてくれる二人のような存在。クレアたんにとってのそんな存在に、私がなりたいのだ。
前世のことを説明できない以上、クレアたんの内面については私の考察としてしか話せないのが少し歯がゆかったけれど、それでもドールスは「エルザがそこまで言うなら信じるよ」と頷いて、それ以上深く突っ込まないでくれた。
私が言いたくないことはドールスも深くは聞いてこない。普段の言動は割合大雑把だけれど、そういう気遣いはできるから私はこの幼馴染が好きなのだ。
あ、もちろん私のベストワンはクレアたんで決まってるけどね!
「とりあえずクレアラート嬢のことはわかった。それで? エルザはどうしたいのさ?」
「……彼女と仲良くなりたいのよ」
言いながらじわりと顔が熱くなるのを感じる。本人を前にするのとはまた違った緊張感と照れくささは面映いけれど不快ではない。むしろ、それを声に出して人に伝えられることが嬉しいくらいだ。
けれどやはりというべきか、ドールスの表情は険しい。
「無理とは言わないが、難しいんじゃないか。そもそもエルザとクレアラート嬢はこれまで何度もぶつかってきたし、加えてあちらはあの性格だ」
頷く。クレアたんが単なる甘やかされて育ったワガママ娘じゃないのは確かだけど、権威を笠に着て他人を貶めるような性格であるのは否定の仕様がない。
これまで完璧令嬢の私は幾度となくそんな彼女と衝突して来たし、これからもそうだろう。私は彼女の令嬢たらんとする努力を好意的に受け止めているけれど、だからといってその言動全てをポジティブに受け止められるほどお花畑な頭にはなれない。
彼女には努力が報われるだけの権利があると思う。けれど、今の彼女にその資格があるとは、思わない。
うーん、やっぱり難問だわ。
心情としては彼女に寄り添ってあげたいけれど、理性がそれではいけないと言う。私の中でさえ意見が割れているのに、現状では思いっきり私を鬱陶しがっているクレアたんに仲良くしてもらおうなんて何をすればいいのかさっぱりよ。
この件はアニーにも相談してはみたのだけれど、これといっていい解決策は浮かばなかった。アニーも私に仕えて十年以上経つし、良くも悪くも私達は考えが似通ってしまう。結局自分が二人いたって自分以上のアイデアなんてそうそう出ないのよ。
その点ドールスなら同じ貴族子息子女という立場だし、ある程度腹を割って話せる仲だし、こういう相談には最適よね。うん、持つべきものは気がねしない幼馴染ってわけね。他人の侍女に毎度毎度言い寄るのはどうかと思うけど。
「でも、何もしないなんてわけにいかないわ。私が夢で見たような出来事が無かったとしたって、クレアラート様と殿下のご結婚は学院を卒業すればすぐでしょう? 猶予は三年しかないのに、お近づきになるだけでいつまでも立ち止まってはいられないじゃない」
しかも断罪イベントが起こるような展開になれば猶予は一年にも満たない。マリーが何を選択するかわからない以上、猶予は最短の見積もりで動かなければ危険だわ。
だから本当なら今こうしている時間だって惜しいくらいなのよ。今すぐアポ無しでエルトファンベリア邸に突撃して思いの丈をぶちまけたいくらいだけど……それじゃダメよね。そもそも会ってもらえない、なんて現実的な部分を抜きにしたって、相手にされないわ。
それに私の「知っている」ことには根拠がない。前世の記憶を証明できない以上そこはどうしようもないわけで、アニーやドールスが私を信じてくれるような、そんな関係をクレアたんとの間に積み上げなきゃいけないのよ。
……今更だけど私とアニーやドールスって十年以上の付き合いになるのよね。それだけの信頼関係を半年足らずで築かないとゲームオーバー、しかも初期友好度がマイナスに振り切ってるとかどんな縛りプレイよって話じゃない。うう、胃が痛くなってきた。
「変わらないな、エルザは」
「え?」
「いや、何でもない。いいよ、応援するし、協力する」
呟くように漏れた言葉をごまかすように手を振って、ドールスは気安く請け合う。
「それじゃ、具体的にどうしたいのか聞かせてくれよ」
改めてそう尋ねられて、私は思考を整理する。
「私は、クレアラート様を破滅の未来から、そして孤独な境遇からお救いしたい、のよ。彼女の隣で、彼女を肯定してあげたい。そしてクレアラート様ご自身にも、ご自分の価値を認めていただきたいわ」
「クレアラート嬢に? 周囲はともかく、本人はいつも自信満々に思えるけどな」
「それが虚勢だとしたら、彼女がどれほどのプレッシャーに抗って立っているか、少しは想像できるでしょう?」
「……まぁ、そうだな」
「努力した人間が報われて欲しいと思うのは、そんなにおかしなことじゃないでしょ」
「相変わらずサラッと難しいことを言うな、エルザは」
ドールスの苦笑いに噛みつきはしない。無茶なことを言っているのは百も承知だ。
努力が報われるべき、ということと、努力が報われるかどうか、というのは別問題だ。理想と現実は違う、そのことは前世の私にも、今の私にも共通する価値観で、どちらの私の気持ちなのかわからないくらいに私の内側にこびりついている。
でも、だからこそ諦められないのだ。現実がそうではないことを知っているから、せめて私の手が届く場所にあるものくらい、理想に近づけたいと願ってしまうのだ。
「そうだな、エルザのその目的達成のために何をどうすればいいか、最終的なところは俺にもわからないな。エルザのことはともかく、クレアラート嬢について俺は知らないことばかりなわけだし」
「そう、よね」
ドールスの言葉に思ったよりも落胆している自分自身に驚く。どうやら私は自分で思っている以上にドールスに期待していたらしい。
「ま、けど今のエルザが何をするべきかは決まってるんじゃないか?」
「……へ?」
ドールスの言葉に、いつの間にか俯いていた顔がパッと上向く。
「どんな方法を取るにせよ、エルザの目的を達成するにはクレアラート嬢と接近する必要がある。難儀な性格の彼女に、少なくとも切って捨てられない程度に話を聞いてもらえる関係にならなきゃ始まらない。だろう?」
「え、ええ」
「だからエルザ、今君がするべきはクレアラート嬢と親しくなることだ」
「…………」
「あれ、納得してない?」
「そもそも仲良くなるためにどうすればいいのか、それを相談していたはずなのだけど……」
「それだよ、それ」
「どれよ?」
「そもそもエルザ、クレアラート嬢と仲良くなる努力をしたのか?」
……あら?
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