第76話 王都への逆襲(後編)
破竹の勢いで軍を進める4勇者が率いる反乱軍
4人の勇者の力は『勇者抹殺部隊』であったころの比では無かった
戦いの中
彼らはこう呼ばれるようになった
『百手の勇者ヘカトンケイル』は
敵の武具を紙のように斬り裂く百の剣を操る『百剣の勇者』と
『
その醜悪な姿の痕跡は微塵もなく
様々な能力を駆使して敵を翻弄する『万能の勇者』と
『
その胸に凝縮された力を爆発させ、数多の敵をなぎ倒す『当千の勇者』と
『
戦況を見渡し、まるで予知しれいるかのように戦局を支配する『千里眼の勇者』と
進軍の最中であっても、食料に困っている町や村があれば、兵糧を分け与え
強力な魔物が出現すれば、これを討伐する
彼らはワタルに誓った言葉通り
力なき者たちを守る存在となった
使い捨ての兵器などと思っていた
領民たちは自分の考えが謝っていたと悟る
感謝の言葉と共に、彼らへの今までの非礼を心から詫びた
勇猛果敢に戦う彼らの姿を間近に見て
なかば脅されるように戦っていた兵士たちの意識が変わっていく
自分たちは国の民の為
そして正義のために戦っているのだと
力なき農民でさえ、鍬を手に持ち参列に加わった
噂を聞きつけて良識ある領主たちが兵をあげて反乱軍に加わっていく
もはや、国王やその権威を笠に着ていた貴族たちが彼らに抵抗することは不可能だった
王族とそれに与する貴族は追放され
王国は4人の勇者の提案で共和国へと姿を変えた
身分の差を超えて能力のある者にも発言の場が与えられ、共和国はより良き国へと変わっていく事となる
国を支配する者が変わる
それは反乱による被害で国力の低下する事を表す
これを好機と見た、近隣の国が次々と攻め入ってきた
しかし、4勇者と使命に目覚めた兵士たちに敵う者はいなかった
やがて恒久的な和平が結ばれて、国同士の争いも姿を消していく
しかし、その平和を脅かす者は、未だに存在していた
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