第61話 中層の覇者(後編)
中層での彼らの活躍はワタルの予想を超えた 超えまくった
人命救助的な意味でも
魔道具の売り上げ向上の意味でも
その甲斐あって、経済難であった孤児院は明日の食べ物の心配をすることが無くなった
学校建設の計画も実行段階に踏み出そうとしている
ひとえに汎用型組のおかげである
本音を言えば、団長たちに同行しダンジョン攻略の喜びを分かち合いたかった
だが、冒険者を手助けするたびに、感謝された
魔導兵になって人を殺す事が生業だった彼らが、今人の命を救い感謝される
ギルドに顔を出す度に恐れられ避けられていた彼らに、手を振り挨拶を交わす者が増えていく
それがこんなにも嬉しいことだとは思わなかった
冒険者と疎遠だったのは、彼ら『魔導兵団』を冒険者たちが恐れて近づかなかっただけではない
今までは、彼らも他の冒険者を避けていたのだ
彼らは恐れていた
発狂して自我を失ってしまうのではないか
自分たちが誤作動を起こして、彼らを気づ付けてしまうのではないかと
だから会話も最小限にし、接触を避けた
だが、今の彼らにその心配はない
『再生』スキルによる自動メンテナンスのお陰で、本体の性能を発揮し続ける事ができる
彼らは思った、自分たちはようやく本当の冒険者になれたんじゃないかと
今日も彼らは、ダンジョンに赴く
いつしか彼らは『中層の覇者』と呼ばれるようになっていた
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