第36話 魔導兵ダンジョンに立つ

「見せてもらおうか、古代の超兵器:魔導兵の性能とやらを」


ニヤリと笑うワタル


(このセリフ一度言ってみたかったんだよなぁ)


「ワタル キモイ ハゲ」


それをシノブがバッサリと斬って捨てた




地下5階層から3階層までの多層構造となった迷宮内の掃討戦を新しく加わったアトラスの力を測る為、戦ってもらうことになった


古代の超兵器:魔導兵の性能


アトラスは只者ではなかった!




「グラビティー・ジェットパンチ!」


撃ち出され右拳がメタルミノタウロスにぶち当たるや否や、その内に秘めた斥力の力を開放する


金属製のボディーを激しくへこませたメタルミノタウロスは、吹き飛ばされ壁にめり込んだまま動かなくなった


鎖により巻き戻され元の状態に戻る拳


ワタルのたっての希望でメタルミノタウロスからギミックを採用した


ちなみにこのジェットパンチには、火・水・風・重力の魔法が発動可能だ


魔法には指向性が持たせてあり拳には魔法の被害が及ばない仕組みになっている




『雷撃疾風手裏剣連続射出』


構えた右腕の手甲はWAW(ワタル・アルケミスト・ワークショップ)謹製


手甲に空いた射出口から撃ち出された手裏剣が疾風の如くメタルオーガに突き刺さる


その度に轟く雷鳴


メタルオーガは煙を上げながら、成すすべもなく崩れ落ちた


「私の手裏剣 ワタルのアホ」


ポカポカとシノブに叩かれるワタル


自業自得である


シノブ専用武器の開発が急務となった!




「シールドキャノン」


左腕に装着された盾の隙間から除く砲口から魔力の粒子が辺りへと広がっていく


のろのろと近づいてくるメタルトロールは格好の標的だった


魔力のチャージと圧縮を完了した小型魔導砲が火を噴く


魔力圧縮弾が光の線を描き、メタルトロールの頭を貫いた


『賢者の石』を受け継いだワタルによって耐久性が強化された魔導砲


更に、『超再生』の術式を付与したことにより発射後に万一破損しても即座に修復される


ダブルな安全設計


一発で崩壊してしまうような事は無くなり、魔力チャージと圧縮の溜めは必要なものの、連続して発射が可能となった


「俺の大楯よりカッコいいじゃないか!」


後で自分の楯にも魔導砲をつけろと催促される予知が頭をよぎるワタル




「なんだその腕に取り付けられた刃は!?」


アオイの問いに


「折り畳み式にすれば瞬時に使用可能になるのではないかとワタル様と検討しまして」


シャキーンと効果音が聞こえてきそうな勢いで、右腕に折りたたまれて取り付けられた刃が展開される


そしてその刃から響く、甲高い振動音


「高周波ブレード!」


自身へと振り下ろされた金棒を華麗に躱し


メタルサイクロプスの頭上へと跳躍


『超振動烈風斬!』


峰の部分から『推進』が火を噴き、巨大な刃が巨人を一刀両断する


「わたしもワタルに頼んで折り畳み式にしてもらおうか・・・」


本気でそう呟きだすアオイ


(いや、生身の方には取付不可です)




ちなみに、ユウジの『ギガントジェットハンマー』は再現不可能だった


あれだけの魔力をどうやって物質化させているのか


『賢者の石』検索にもその答えは見いだせなかった




「「「「「アトラス強い!」」」」」


「いえいえ 先ほど放った技の数々は、皆さまの技をコピーさせて頂いもの」


「故に、強いのは皆さまという事です」


(うわぁ アトラス 発言が超大人~ 滅茶苦茶かっこえ~!)




古代の超兵器:魔導兵 いろんな意味で超強力だった!



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