第4話

ポルターガイストが起こるこの部屋での生活も少し慣れてきた矢先、人化。これからどうなるんだろうと不安で仕方がない、私はとり憑かれたのでしょうか?


「名前、思い出せないの?」

「うん!名前付けてよ。」

「…太郎は?」

「いい名前だね!じゃぁ僕は太郎だね!」


適当に付けた名前でそんなニコニコされると、こっちが悪い奴に思えてくる。私は少しイラッとしました。


私は1カ月前に仕事を辞めて、現在は無職です。30歳を迎え無職、早く仕事を見つけようとしても行動に移せないまま1カ月が過ぎました。彼氏もいない、このままじゃダメだと思っていても思うだけ。本格的に…。


「まくらちゃん」

「大丈夫?」

心配そうに見つめる太郎の姿がありました。

「早く、成仏できるようになんかないの!」

荒々しく声を上げてしまった。完璧八つ当たり。ますます自分が嫌いになる。

「ごめんね。」

太郎の声がさみしく聞こえました。


耐えきれず私は黙って部屋を出ました。母は私を見て少しびっくりした様子でした。

「太郎ちゃんは?」

聞いてたんかーい!

「太郎君は?」

父もかーい!

「ちょっと、外出てくるから。」


6月の梅雨前は結構暑い、閑散とした商店街に入った時、本屋さんがありました。小さなカフェのような佇まいに少し気になり扉を開けると涼しい空気が私を包みました。

外観からは分からなかったのですが、中は広めで天井も高く沢山の本が置いてありました。

不思議な空間に圧倒されていると

「いらっしゃいませ。」

!!

声の方を見ると女の人が立っていました。本を何冊か持っていて優しく微笑んでいます。

「はじめまして、プリモシーンへようこそ。私は店主の楓と申します。あなたの探してる本はこれかしら?よければ紅茶をごちそうしますから、少し読んで行ってみてください。こちらへどうぞ。」



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