第34話 カロヤカさんと残り33作

「映画もドラマも類似品ばかりだし、新しいことを作成するのがバカバカしくなってきた。」

 天は、コンテスト結果が発表されてから、未だに腐っている。人間とは、そういう生き物である。

「定番の起承転結でいいんじゃない? 旅に出る。事件に巻き込まれる。事件を解決して印籠を見せる。去って行くとか。学校でいじめられる。未来型猫ロボットがアイテムを出す。復讐する。アイテムが壊れて復讐されるとか。病院に来る。患者がいる。患者を手術する。定時で帰って行く。本当ね。どれも同じだわ。」

 麗は、テレビ局のディレクターは、自分の身の安全を第一に編成していると感じる。

「ヒット作を置き換えだけで、パクればいいんですよ。ニコッ。」

 笑は、外科医を歯科医にすれば良いと言っている。

「キャラクター設定がドジっ子でも、8話にもなれば、ほぼドジなんてしてない真実。まさにミラクル!」

 大蛇は、ドジっ子を開き直った。

「編成会議から、作品選別まで、カロヤカにお任せあれ。」

 カロヤカさんは、まさに勘定奉行だった。

「私も混ぜて。だって、この一言大喜利に参加しないと出番がないんだもの。」

 苺は、笑点の座布団運びの地位を手に入れた。

 ドリームコンテストは、魔法を使うと却下、魔法の代わりに化学兵器。すると、テレビ向け、大衆向けの派手な演出ができると。外科手術、未来のアイテム、印籠。派手なアイテムでなく、キーになるアイテムか?

「みんなで一緒に、ライト文芸コンテストで優勝しよう!」

「おお!」

 一致団結。こういう連帯感が求められている。ドリームコンテストの過去の受賞作の論評に書いてあった。

 現実ドラマに、魔法を使ってしまうと、現代ファンタジーになってしまい、現代ドラマにならない。CG加工は、かなり時間とお金がかかるみたいだ。チコちゃんを見ていたら、CGチームは休みなしなんだな。大変だ。

 つづく。

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