男女の友情⑱

 宙を舞いながら思わずにはいられなかった。

 なにがどうしてこうなった?

 因果応報が世の理であるというのであれば、問題はどこにあったのか。

 疑問である。

 思えば私は何も成していない。

 ようやく運命の人と出会えて、さあこれからという時であったのだ。

 だというのに私がしたことと言えば、旧友と馬鹿をやって、飲んで騒いで、最後には落っこちただけである。

 いったい、彼女にとってそれが何になろうというものだ。

 私は千鳥さんの笑顔が欲しい。

 幸せであると、微笑んでいて欲しい。

 彼女がそれを向けてくれたのなら、何という喜びであろうか。

 そんな思いが止められない。

 私の視界には美しい冬の空が瞬いている。

 それを眺めながら思った。

 ああ天よ。

 流石にこれはあんまりではないのか。

 これが私の運命だというのか。

 そういえば、ふと思い出す。

 誰かが「運命なんて簡単に変えられる」と言っていなかっただろうか。

 もしそうならば、私は全力でそれにすがりたい。

 こんなことは断じて認められるものではない。

 私は願った。


 ――やり直しを要求する。

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