手首蒐集家

作者 坂井令和(れいな)

278

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★★★ Excellent!!!

手に関する執拗なボキャブラリー、思想、ルビ表現、様々な手法を用いて『手』に対するフェティシズムがとことん追求されています。
とにかく、この描写がゾクゾク来ます。
思わず主人公の異常性に、次第に感情移入してしまうほど、描写が猟奇的でありながらも美しい。ボクは手フェチじゃないはずなのに……(笑)
作者様の手腕の成せる技でしょう。

物語の根幹であるミステリーも凄く良く練られていて、すべての謎が『手』に始まり、そして『手』により解決していく構成には舌を巻きました。

そして、犯人よりサイコパスな主人公が本当に魅力的。

★★★ Excellent!!!

一年ぶりに再読しましたが、やはり、面白い。

一度ならず、二度、三度と読めば読むほど面白いのが、本当に面白い小説だと思いますが、ミステリーという最後の謎解きでカタルシスを感じるジャンルで、読み返しに耐える作品を作るのは、とても難しいと思います。

本作は、2万字という短編でありながら、『手首』に執着する主人公が、『手首』を失った死体を発見して事件を解決するという独特なアイデアを、ホラータッチの文章で、その世界観を余すところなく描いています。

表現手法も秀逸で、一文字一文字を徹底的に吟味しており、これだけの完成度をほこる短編は、無数の作品が投稿されているカクヨムの中でも、ずば抜けています。

著者の魅力的な個性をいかんなく発揮したオリジナリティと、ストーリーそのものの面白さが両立している稀有な作品です。

★★★ Excellent!!!

思考の狂気とコミカル要素が相まったミステリー作品。

だれがクレイジーなのかというと、犯人ではなく、なんと事件を解決しようと試みる主人公が、なのです。

主人公の手塚鉈(名前が既にすごい)の一人称視点で進みますが、この人は正気なのか、はたまた狂気の沙汰なのか。物語を読みながら読者は、手塚と一緒に思考の迷路に迷い込んでいきます。

そして、なぜ彼がそのようになったのかはラストの方で判明します。その理由に、思わず手塚の背中を抱きしめてあげたくなりました。

私は、この手塚鉈という人物が大好きです。ぜひ皆さまも、この不思議な人物の思想世界と、本格的なミステリーを味わって下さい。

★★★ Excellent!!!

冒頭で手首に異様な愛着を見せる主人公が出て来た時には、まさかこの人が犯人を捜し始めるとは思いませんでした。
まさかの展開です。

ミステリーなのであんまり詳しい事は話せませんが、不気味さとブラックなユーモアが上手い具合に混ざり合ったミステリーで、すごく楽しく読めました!

グロイ描写も思ったよりは少なくて、このくらいならミステリファンなら良く目にしているレベルのグロ描写だと思います。

★★★ Excellent!!!

久しぶりに本作を再読しました。何度読んでも素晴らしいですね。

全編を通してそこはかとなく漂う不気味さ、作者様が自家薬籠中としておられる独特なルビ表現、さらには本格ミステリィとしての意外性も兼ね備えた名作だと思います。

何といってもすごいのが手首愛好家という特異な探偵像でしょう。『狂人とは理性以外のあらゆる物を失った人である』というチェスタトンの言葉を地で行くような、論理と狂気が併存する異常な語りは圧倒的。相性が悪いとされるサイコホラーと本格ミステリを、違和感なく融合させた作者様の手腕には脱帽です。

文体も細部にわたって注意深く練られており、リーダビリティも抜群。ぜひとも読んでみてください。

★★★ Excellent!!!

読み始めてすぐ、主人公・手塚氏の異常性に驚かされます。
なんなんだ、この男。「手フェチ」なんて生易しいもんじゃない!
彼の心理、彼の行動から目が離せなくなり、気がつくと彼とともにどっぷりと未知の迷宮にはまり込んでしまっている。
手首!手首!手首はどこだ…!

手塚氏は探偵を気取ってはいますが、事件の真犯人の心理に近づこうとするあまり、何度も回り道をします。
その捜査(?)過程は綿密に組み上げられた、まさに本格ミステリー。
ただただ、手塚氏の心理が普通のミステリーとは一線を画しています。
異常としか思えない、強すぎる手への執着。
その裏に隠された、彼自身の壮絶な過去。
ルビの使い方まで斬新で、読みながら何度唸らされたかわかりません。

書き手にとって、勉強になる点が、数えきれないほど詰まっています。
読み手としても、すぐに読めて、こんなにも不思議な満足感を残してくれる凄い作品に出会えて、本当によかったです!

★★★ Excellent!!!

探偵役があまりに狂気的すぎて、ここまで「犯人の動機がどうのとかより真相よりあなたの思考回路の方が怖いんですけど⁈」となるお話はそうそうお目にかかれません…。
レビュータイトル通りですがこの探偵、本当に心の底から周りの人間の手しか見ていません。
それには彼なりの心に刻まれてしまった傷による理由があるのですが、それにしたって突き抜けすぎていて震えがくるほど。顔のつくりについてはほぼ出てこず、あくまで「手」を中心とした人物描写はお見事の一言です。

タイトルにまず心惹かれて拝読したのですが、冒頭だけでもう面白い!と確信に至りました。
是非に読んでこのゾクッと感を味わって欲しい欲しい作品です。

★★★ Excellent!!!

面白い!手首から先にしか興味を持てない異常な男が旅先で事件に遭遇する。この主人公は正真正銘の変態だ。この狂った感性が最初は気持ち悪かったはずなのに、手に示す執着から一般人には気がつかないような事象をも発見し、解決の糸口にしていく様は本当にキモかっこいい!

また自分の異常さは客観的には見えてないらしく、他人のナルシストぶりを見るや精神病呼ばわりと、他人に厳しい毒舌っぷりがまた笑いのツボを突いてくる。【ホラー】と【ミステリー】と【コメディ】の要素が変態的な圧力で押し寄せてくる。
これは凄いヒーローを発見してしまったかも知れない。

★★★ Excellent!!!

強烈すぎる手首と主人公に圧倒されます。
濃厚なミステリーでありながらも巧みにルビを駆使し、言葉遊びを踏まえ、ホラー仕立てにすることによって手首の強調を深める素晴らしい作品です。
登場人物や内容の個性は勿論、文章そのものを見せるのが本当にお上手で、芸術性の高い作品だとも思います。しかしそれは内容にしっかりと深みがあるからこそ成り立つもので、手首にこだわる主人公の思想、行動理由、過去……きちんとそれらが整っているからでしょう。人間の奥底を描くのが最高にお上手だと惚れ惚れします。
文章力、発想力、構成力、表現力となにからなにまでレベルの高いミステリーでタダで読むのを申し訳なく感じ、手首に札を巻きたくなりました。
とても楽しく読ませて頂きました。ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

 突然、個人的な話で申し訳ないのですが。
 彼女がいた頃、手を繋いだ温もりさえあれば、それだけで良いのではないか、と僕は思っていました。
 そう思っていたのは僕だけで、数週間後に別れました。

 手を繋ぐ、という行為は必ず、手を離す結果に繋がっています。
 人は誰と手を繋いでいられるのは、限られた時間だけです。

 それ故に、手首蒐集家の主人公、手塚は短い時間、繋がることはできるけれど、必ず一人になることが宿命づけられた人間に思えます。

 しかし、誰かと繋がり続けたい。
 その欲望が最後、死体の手を切断する、という狂気的な行為に走らせます。

 常に自分を裏切らない手を手にした時、彼は自分が探しているものが、
「その手」ではないと気付きます。

 自分が求めているもが必ずしも手である必要はない、
 と考えない辺りが、手塚の心の底に絡まり沈んでいるトラウマの重さと大きさを物語っているように感じました。

 本当に面白い作品でした。
 ミステリーとして見事に「なるほど」と思わされました。

 手塚は多分、川端康成の「片腕」とか超好きなんだろうなぁ、と言うか、理想そのものなのか? とぼやいて終わります。笑

★★★ Excellent!!!

主人公『手塚鉈』は、過去のトラウマにより異常に〝手〟を愛するようになってしまった。そんな彼が泊まっている雪に閉ざされたホテルで、手を切りとられた死体が見つかる。手塚は犯人が手を独り占めする気だと思い、犯人捜しをはじめる。

あの手は俺のものだ――と。

雪に閉ざされたホテルで殺人犯を捜すという、定番なミステリーテイストでストーリーは進みますが、この作品は間違いなくホラーです。異常な手への執着による、主人公の言動も心の声も捜査理由も狂気に満ちていて、読んでいて怖くなりました。こんな狂人に主人公も探偵も任せちゃいけません!

また、とても文章にこだわりがあり、手のつく熟語の多用、ルビの振りかた、カッコ記号のつかいかたなど、さまざまな手法をもちいることで、主人公の狂気、不気味な雰囲気、話の緊迫感などを見事に演出していて、視覚的にも楽しめる小説になっています。

読み手としてはこんな小説があるんだなと感動し、書き手としてはこんな文章の書きかたがあるんだなと勉強になりました。

★★★ Excellent!!!

主人公が何しろ怖い。この作者、主人公に感情移入させる木があるんだろうかと思っちゃいました
ライトノベルではルビやら記号やらの使い方も色々研究されていますが、『手首蒐集家』ではルビの使い方がかなり研究されています。ルビで一章丸ごと書かれているのを見たときはぶっ飛びました。
でも、ルビを心象風景にすると、不思議な雰囲気が生まれてさらに恐怖だということがよくわかりました。うまく使うと二重人格が表現できるかも。
次はなんかとんでもない物を蒐集するみたいですが、楽しみにしています。

★★★ Excellent!!!

 左手首から先を持ち去った猟奇殺人犯と、同じく異様なまでに『手首』に執着を持つ主人公……。猟奇殺人犯の、戦利品を持って帰り蒐集するという習性と、同じく『手首愛好家』が対峙した時、何が起こるのか!? 久々に、イイ鳥肌を立たせてくれた、コッチ系好きにはタマラナイ作品です♪ 括目せよ!

★★★ Excellent!!!

皆さんは普段、どれだけ「手」を見ていますか?
自分の手。家族の手。友人、知人。果てには他人の手。
人の手には、その人の人生と性格が表れるといいますが、――これほど「手」に執着した主人公はいないでしょう。
しかし人は興味があるものに関心を持つ生き物。
さあさ、貴方は「手」に興味はありませんか?
あるならこの小説、読まないと損ですよ~!笑

★★★ Excellent!!!

明日も朝から早いというのに、続きが気になって読んでしまうほどの力を持った作品。
こだわった文章の仕掛けが面白いのは当然ながら、登場人物のキャラクターがたまらなく面白い。こんな思考回路で強引に進められる物語なのに、ミステリとしての基本がおさえられて、動機も、それを暴く手際もまた、作中のリアリティを損なっていない。
ユーモアなのか悲しみなのか、不器用なだけなのか。色んな感情を刺激する構成にもなっている。
思い切って書いてしまうというのは、大事なのでしょうね。
連作になったりしたら、また読んでしまうと思う。すげえな。

★★★ Excellent!!!

ミステリーなのですが、どこかホラーチック。ぞくっとする怖さがあります。

作中でのルビの使い方、主人公の手しか見ない視点。発想。どれもが斬新です!

被害者の消えた手首はどこに行ったのか。
手を巡る話では、ほかにはみないタイプだと思います。

ネタバレにならないようあまり書けないのが残念ですが、ぜひ皆さんも、このぞくりとする世界を味わってみてください。

★★★ Excellent!!!

幼い頃のトラウマにより「手」に狂信的なまでに執着する主人公・手塚鉈。
滞在中のホテルで殺人事件が起きるが、その被害者の手首が切断されていて……。

読み進めていく度に増殖する主人公の異常さに恐怖を感じつつも、結末が気になって一気に読んでしまいました。

文体も、本来の常識をかなぐり捨てる勢いの個性的なルビの使い方で、読者の心をも病的な何かで侵食していきます。

手塚の「手」に対する思い入れや行動には度肝を抜かれてしまいますが、どこか憎めない、いえ、同情してしまうものすらありました。

他では見られない種類の完成度がここにはあります。
ぜひ読んでみてください!

★★★ Excellent!!!

ホテルで殺人事件が起こる。その死体は手首が切断され左手だけがなぜか持ち去られていた。偶然そこに居合わせた手塚鉈は狂気の男。人の顔を判別することができず人間の『手』にしか興味がない。彼は死体の『手』が失われていることに狂的なまでの興味をいだき『手』を捜索しはじめる。「手だ」「手はどこにあるのだ?」「手」「手」「手」主人公である手塚鉈の狂気がすさまじいく失われた死体の手を探すため何故手が持ち去られたのかその理由を知るため彼は犯人を追い求める。彼は何故そこまで『手』に執着するのか?そう。狂人には狂人の論理があるのだ。本作はミステリーという形態をとってはいるが手塚の異形の論理を描いた怪作である。ホラージャンルであるが過度に怖くはないので安心していただきたい。主人公は狂人だが読めばあなたも狂人になれるので安心だ。

★★★ Excellent!!!

読書好きな方はふら~っと本屋に行って、立ち読みして、これ面白いやん!買おう!って言う体験あると思います。あれです。
自分はあまりミステリー系(ホラーは読む)は読まないのですが、それでも無料で読めるのがおかしいくらいのクオリティに感じます。一話から最後までぶっ通しで読んでしまいました。

まず主人公が魅力的。非日常的な性格なので、最初はよくある作者の「作った」キャラに見えがちですが、読み進める上でしっかりとした人間性と深みが現れます。ぶっとんでいる行動も理解が得られて、最初はただの「狂人」だったのが共感できる親しみのあるキャラクターになります。(友人にはなりたくないけど)

作者様のあとがきや読者のコメント等を見ているとトリックが少し甘いらしいのですが、ミステリー初心者の自分にとっては十分ストーリーを楽しめました。整合性もそこまで気になりませんでした。

とある企画からたまたまこの作品にたどりついたのですが、こんな面白い作品が埋まっているなんて思いませんでした。

比較的短いので時間のある方、いや、ない方も是非一読する事をお薦めします!

★★★ Excellent!!!

おそらくカクヨムというWeb媒体がなかったら、読むことができなかっただろう奇才!

ルビを使った表現が斬新で、初見のかたは驚くでしょう。
偏狂的でサイコな探偵が、その変態性を活かして事件を解決していく……。
と、簡単に書けないところが、この作品の奥の深さです。

独特の雰囲気から、サイコホラー的な感想を抱くかもしれません。
……が、言葉の端々から、多くの『遊び』や『ユーモア』が溢れています。

『怖さ』+『気持ち悪さ』+『ユーモア』が、うまく一体となっている素晴らしい作品です。

★★★ Excellent!!!

探偵役は手に執着し、
手を愛し、手を見つめ、
手で考える。
推理は手のひらを返すように
あっちこっち飛び、
軽快に場面が展開します。
サイコな探偵に
ひっぱりまわされているうちに
事件の真相に
近づいたものかどうなのか。
それでも、最後はビシッと事件解決。
ルビの魔術師として
小説を読むという行為も楽しませてくれます。

★★★ Excellent!!!

簡単にいえば手塚鉈というかなり狂気を孕んだ主人公が警察も来られなくなった状況下で手首のない死体の犯人を探し当てる。そんな話なのですが、ありとあらゆる意味で常識を破っています。

今回はこうくるのか!という感じ。
もはや坂井令和というジャンル。コロッケがモノマネではなくてコロッケというジャンルであるように、坂井令和は坂井令和。誰にも真似出来ない(しようとも思わない)

いつも斬新な切り口でくる坂井さんですが、扱うテーマや根幹に流れるものは実は非常に普遍的なのですよね。

それをどう料理するか。それこそが書き手の力量の見えるところだと思うのですが、そこを物凄く多面的に見られて、まさかな方法で切り取ります。
正直めちゃくちゃ豪快!
でもそれが浮かないの。描き方がうまいんですよね。

この作者の頭の中どうなってんのか、あらためて思う作品です。

蛇足ですが、わたしはこれをレタリング小説と呼んでいまして、その理由は読めば即納得なので、未読の方はぜひに!

★★★ Excellent!!!

手首に異常な執着を見せる手塚。
人が顔で認識するように、彼は手首でそれを認識する。
雪で閉ざされた一夜の事件を解決する中で、彼の中のトラウマが溢れ出ていく。

斬新なルビ使いは彼の内面を描きながら、物語を彩る。
そんな手法も作者の力量があってこそ。

Webならではのミステリーをぜひ。

★★★ Excellent!!!

狂気って誰もが持ってますよね。
トラウマしかり、欲望しかり……。

本作品の主人公は、他人の手首にこだわる癖を持っていました。顔や体は二の次――いや、手の次の次。

読み始めは、川端の『片腕』という短編を想起していましたが、実は同じではない。手首が好きになってしまったことに、彼なりの理由もちゃんとあるのです。

心の狂いを演出する巧みな描写に驚かされつつ、狂人が登場する推理小説ならではのミスリードも面白くて、すっかり騙されてしまいました。

素敵な物語をありがとうございます。


にぎた

★★★ Excellent!!!

こんな狂気に溢れた作品は見たことがない。
斬新かつ凄絶なインパクトのある、サイコミステリです。

兎にも角にも、主人公・手塚の一人称で紡がれる手首への異常な執着心が凄まじい。
手首の切り取られた他殺死体を見て、犯人ではなく「手首」を探そうと容疑者へ聞き込みする様子など、狂っているとしか言いようがありません。

ルビ機能を駆使した狂気の表現方法が、また見事です。
視覚的にも、背筋がゾッとするような恐ろしさがありました。
こうした表現はWeb小説ならではだと思いますが、作品全体から漂う倒錯感やテーマ性は純文学的な匂いを感じました。

こんな作品、他に見たことない。(2回目)
衝撃的です。面白かった。

★★★ Excellent!!!

手、手、手、手、手、手、手、手。
まずこの小説の『手』という文字だけでホラーを感じられます。
これは読んだ人にしかわかりません。
そして、こんな小説は他にはありません。

本編での見所は、主人公がなぜそこまで手首を探し求めるのかを知ったとき、一気に違った見方でこの狂った物語に魅入られることでしょう。

ただのサイコパスではなく、そうなった意味がある、しっかりしたミステリーです。

★★★ Excellent!!!

雪に閉ざされたホテルで手首のない死体が発見された。

顔ではなく『手』で他者を認識する主人公は、手首を持ち去った犯人に親近感を抱き、犯人捜し――という名の手首捜索をはじめるのだが――。

淫靡なほどにこまやかな『手』の表現、ルビで『描く』狂気。

新しい表現の可能性とミステリー的なおもしろさと、ホラー的な恐怖。わずか八話で、とても贅沢な気分をあじわえました。

手首への執着から主人公がたどり着いた犯人とは――。
ぜひ、その目で確かめてください。

★★★ Excellent!!!

とあるホテルで起きた殺人事件。死体には何故か、手首が切断されていた。
犯人は誰なのか。どうして手首を持ち去ったのか。現場に居合わせた主人公は、その謎に挑みます。

しかしこれは、犯人を捕まえたいから、真相を解き明かそうとしているわけではないのです。実は主人公は、異常とも言える手首愛好家。犯人が持ち去った手首は自分のものだ! そんな狂ったような思考の元、犯人を探していくのです。

前代未聞の、手首愛好家による謎解きミステリー。
人殺した犯人よりも、探偵役の主人公の方がよほど狂っていて、手首への執着心は、恐怖すら感じました。

★★★ Excellent!!!

主人公の泊まったホテルで起きた殺人事件。遺体の左手からは、手首から先が切り取られていた。

この猟奇的な事件の真相を主人公が紐解いていくのですが、彼は刑事でも探偵でもなく、手首愛好家です。おそらくこの設定が、本作最大の特徴でしょう。
世の中には手首フェチな人だっています。ですが彼の手首に対する執着は、とてもそんなものではありません。もはや狂気と言っていいでしょう。
ですがそれがどれ程凄いかは、残念ながらここでお伝えする事はできません。ですが誰もが驚くような、恐ろしいまでの表現でそれを伝えていると言うのは、自信を持って断言できます。

こんな表現があったのか。彼の手首に対する執着に、読む人は必ず引きずり込まれることでしょう。

★★★ Excellent!!!

まだ完結されていないのですが、感想を書きたい気持ちを抑えられなかった……!

楽しい作品を書かれる方のようで、他の作品も読んでみたいと思えるような一冊になりました。

まず文体に小説という感じがしない、これが好感でどんどん読み進めました。ラノベとか携帯小説とかそういうわけでもなく、主人公の頭の中を切り取って貼り付けている感じ。

それがまた狂気的で物語の雰囲気をしっかり作っていますね。だからこそ織り混ぜられたほんわかなシーンが、より一層引き立ってます。

6話まで読みましたが、これからどう帰結するのかさっぱり読めません笑
楽しみです。

★★★ Excellent!!!

あなたはどんな手をしていますか?

ー血管の浮いた男らしい手。

ー指が細くしなやかな、女性らしい手。

ー少し短い子供っぽい手。


「彼」は見ていますよ。そして、こういうでしょう。

「俺の手首、返してもらおうか。」



文章力はさることながら、言葉に対する行間や間の使い方が秀逸です。臨場感、そして男の狂気が病みつきになります。


ただ、こうしてレビューを書いている私の手は、「彼」に見られていないといいのですが…もちろん、この小説を見ながら、画面をスクロールさせているあなたの手もですよ。