冬の雨





何もかも嫌になって歩く道

横たわる傘に積もる雪

肩を落として歩く僕の

その肩にすら積もる雪


もうどれくらい歩いたのだろう

当てもなく

果てもなく

意味もなく

立ち向かう気力もなく

逃げる気力すらもない

気づけば雪は雨に変わって

自分に降り積もった雪も

雨となって服に染み込んで



それでも

歩くことをやめられないのは

何かきっと諦められないものがあるから

そう、思うようにして




相変わらず降り止まない雨

傘は疾うの昔に折れて捨ててしまった

濡れながら見上げた冬の夜空に



「冬の雨は冷たいんだよな」



と、ひとり呟いて少し笑った








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