真っ白な世界





僕は僕のままで良いのだと

何度言い聞かせれば

僕は僕のまま生きていこうと

安心できるのだろう


君は君ままで良いのだと

何度歌い続ければ

君は君のまま生きていこうと

安心できるのだろう



目にも見えず触れることもできない世界の影が

真っ当であることが正しいのだと

あまりにも真っ当な顔をして歌うから

轍を踏み出す勇気すらない僕は

どうしたら良いのか分からなくなるんだ




それでも、雪は今日も街を染めていく




今ここに立つ自分の後ろに横たわる

その足跡こそが君や僕だけのもので

それこそがなによりも真っ当なのだと

不安の影を覆い隠すように降り続ける雪が

静かに歌い続けている



この真っ白な世界も今は僕らだけの世界

影すらも染めて

今はただ

ただ、このまま

この真っ白な世界に僕らだけの歌を

この真っ白な世界に僕らだけの足跡を






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