僕が僕に言いたいこと




失敗しないように

後悔しないように

間違えないように

取り返しのつかない道へは行かないように

見えない未来に不安を植えて

見えない未来を思って途方に暮れて

怖くて怯えて

だから

現在いまや過去にしがみついて

一人きりの夜に逃げていただけなのかもしれない




未来に不安や恐怖の靄をかけるのは

紛れもなく泥のような過去たちで

その地続きである未来を思えば

そりゃあ途方にも暮れてしまうんだけど



そんな泥のような過去のひとつひとつが

海の底に埋もれるように息もできないでいた日々が

全て失くしてしまいたいと願った夜の数々が

気付けば

あんな夜もあったと

嵐が去った、雨の上がった空を見上げて

ひと息つくような

今日に辿り着いていたりもして



失くすことなど出来なかった過去たちの成れの果てのような自分が出会ったこの夜が

とても美しい月夜で

こんな夜に出会えるのなら

自分の人生も悪くなどないなぁなんて

穏やかに思えたりもするんだ



つまり

どんなに苦しくても

恐ろしくて不安で仕方がなくても

失くしてしまいたいくらいな現実でも

それでも、それでもと

ひとつひとつの夜を越えていくうちに

新しく、美しい夜に

過去を積み重ねた、新しい自分に

出会えたりするんだ




未来は決して汚れてなどいないから




どんな夜も

それでも、それでもって

生きていけばいい

ただ、それだけでいいんだ



どんな未来へも

好きに進んでいっていいんだ

進んで行けばいいんだ

ただ、それだけでいいんだよ










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