第14話 ひとりひとりの女の子

ひまわりとの勉強が終わり、ことみの昼食を取る。

そのあとは、ゆうことトレーニング。


ことみとゆうこには、訊きにくい。


まやに、訊いてみるか。


「えっ?まなみのこと?」

僕はうなずいた。


「わかったわ。もう教えてもいいわね。ついてきて」

「うん」

まやについていく。


「ここは?」

「そう。残る1体が置いてあるところ」

まやは、ノックする。


「はーい」

「まなみ、入るよ。やすひこくんもいるから」

静寂の後、いいよと声がした。


「やすひこくん、これみて」

まなみが、残る一体を指差す。


「まなみね、この子のそばにいたんだよ」

「この子の?」

「君のお父さんが、この子がいいと言ったよね」

「ああ」

「どうしてだかわかる?」

見当はついていた。

でも、それを口にするのは、恐ろしかった。


「いいよ。言って」

まなみは言う。


僕は覚悟をして、その言葉を口にした。

「君たち9人全員のデーターを、この子に集める」

「正解。さすがだね」

できれば、外れてほしかった。


「やすひこくんは、優しいね」

「えっ?」

「否定してるでしょ?」

「うん」

まなみは、残る一体をさする。


「でも、気にしないで。まなみたちはサンプル。

やすひこくんが、幸せになるのなら、それでいいから」

まなみは悲しそうだ・・・


「私たちもだよ」

振り返ると、全員が揃っていた。


「やすひこくんが、幸せになるのなら、私たちはどうなってもいいわ」

「だから、気にしないで下さいませ」

「やっくん、ガンバ」


いよいよ。明日だ。

親父に結果報告をする。


僕の、心は決まっていた。

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