第12話  眠りの前の一仕事

しかし、眠る前にやることがあった。

彼女たちの食事、つまり、エネルギーの充電だ。


彼女たちには、個々に部屋を与えた。

アンドロイドとはいえ、プライベート空間は欲しいだろう。


なので、その部屋には立ち入らない。


そのために、とった選択は・・・

エネルギーの充電部屋を、用意した。

(親父がだが・・・)


このまま、エネルギーを切らしておきたい気もあるが、

そうはいかない・・・


よって・・・


≪全員集合!!≫


女の子たちが、集まってくる。

よかった・・・

まだ残ってた。


「どうしたの?やすひろくん」

「やっくん、夜中だよ」

「眠れないの?子守唄歌ってあげようか?」

「お夜食、お作りいたしましょうか?」


女の子たちが、逆に心配そうに声をかけてくる。


「みんな、今日はありがとうう。これから、君たちの食事をします」


女の子たちは、顔を見合わせる。


「忘れてた」

忘れて立って・・・


女の子たちを、充電室に通した。


「ここで、君たちの充電をします。よって、お腹をだしてください。

へそから、エネルギーを注入します」


女の子たちは、顔を見合わせる。

そして、笑う。


「な・・・なんだ?」

「いいんだよ。やすひろくん。充電はいらないんだよ」

女の子たちは、口ぐちに言う。


「私たちの充電はね。これよ・・・」

ひまわりが、唇を重ねてきた。


「な・・・」


「私たちは、君自身から、エネルギーを充電しているの?」

まやが言う。


「1日共に過ごすのが、私たちのエネルギー源なんだよ」

「でも、親父は・・・」

「あれは、ウソ。」

「えっ?」


「今日1日で、やすひこさまの、人となりはわかりました」

はるか?


「これなら、残りも楽しくすごせそうだよ」

のぞみ?


「明日も、トレーニングだからな」

ゆうこ?


なんだか、くすぐったい。


で、その後も、ひとりひとり、唇を重ねてきた。


その時は、意識しなかったが、このキスは、深い意味があった・・・


あっ、命を吸われているわけではないので、念のため・・・

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