第54話ガガの高層マンション



 下水道一掃大作戦を終えて、筋肉印の胸甲鎧が完成。腹部も覆っているので動きにくくはなるでしょうけれど、腹部特注だからなんとかして欲しい。

 通常は柔らかいのに衝撃か来た瞬間硬化するという特殊魔導金属を採用してあるので。This is サガット!

 これで駄目ならラメラーアーマーだねー。完全に音消しとか考えられなくなる。Lv9忍び足とかでも無理じゃないかな。



 ではレイ様、装備もなんとかなったし参りましょうk「いきません」」へ?」


「ここにハマったので行きません」


 アメジットの拾い上げを高速回避!


「だってここ料理美味しいじゃんよー!まだ遺跡の一つも行ってないじゃんよー!」


「ふう、じゃあ遺跡行って、それから何日かバザール見て、そして出立しましょうか。」


 わーい。ということで遺跡は『バウアモの上層遺跡』という所に。

 なんでも高層ビルデングになってるんだけど、ガードロボットが強くて中々上層に上がれないとのこと。しかもガードロボット君は時間で再出現。


「これどうみても高層マンションだから、高層階のお金持ちなら武具はなくともいい物を保存しているはず」


「怖いのは弾丸や光線を発射してくるタイプと、両手が剣になっていて、蟹挟みのようにして処刑してくるやつの2種類だってさ。」


 最初の階は余裕ですね!敵を生み出す機構が壊れていて何もない!アメジットはずいぶん長く見学していたけれど。


 5階から敵が出現しました!丸っこい銃撃タイプですね。以前一度だけお見せしましたが、インスタントバリアの発展版『バリア』を展開し銃撃をシャットアウト!魔導経路から出しているんで効率が良いんです。


 そして後ろからアメジットが「ライトニング!」感電させてとりあえずお終い。全部拾うのは異次元収納が増えたと行っても難儀。コアと銃撃システムらしきものを剥ぎ取って収納。次行きましょう。


 隠し扉も見つからず、サクサクと10層目へ。10層は今まであった周回通路+お部屋という感じではなくて、真ん中の柱と階段と中ボスが鎮座しているという感じでした。いやいやいやいや!?!?


「ガイドブックも吟味しないといけないなあ……」


「そんなこと言っている場合ですか!来ますよ!」でかい物体が背中の筒から発射されたので即座に榴弾と2人は判断。横に飛んだ後防護魔法とバリアで凌ぎました。


「こんな場所でミサイル撃つの、この機体!」


「4本足で足にローリング機構が付いてるから旋回性も良さそうだねえ。おわ、またなにか撃ってきた!」


 今度撃ってきたのはセントリーガンが撃ってきたあの連続発射砲弾ですねフレキシブルな腕の、両腕から発射されました。でも威力と連射速度が違いすぎる。アメジットたすけてー


「私に何を期待してるんですか……」


「防御。わたし念力でアイツ縛ってみる。フレキシブルな腕ごと。無理に動いて故障してくれないかな?」


「エクストラシールド! どうでしょうね、でも攻撃を無効化出来るならやって見る勝ちはあるかもしれませんね」


「それじゃ行きます、範囲拡大で発射地点を変更、よってシールドを無視、サイーコーー、キネシス!」


 うっすら見えるくらいまで強力なサイコキネシスの念動の紐が足から高速に絡まっていく!

 もがこうとしている間に既に紐は腕をがんじがらめに!ぐるんぐるーん。


 あっという間に動けない中ボスの出来上がり。蜘蛛みたいこの紐。


「まだ動こうとしていますね。自爆とか怖いしコアを破壊しちゃいたいところですが、コアはー……って背中にオンオフスイッチとコア排出ボタンあるやんスイッチオフ」


 ドューンという音とともに4本足のロボットは起動を停止しました。


「ふーなんとかなった、いやあMP削られたわーポーショングビ。雁字搦めは長時間できないね」


「これ完璧な状態で確保できたので、相当な値段で売れると思いませんか?」


「あ、そうかも!でもこれ1トンくらいあるし持ち運べないよ。」


「コントロールルームにいけばなんとかなるはずです。」


 そういうわけでこれはこのままに、どんどん上に登ることに。

 15階くらいから魔法の品や魔道具が出てまいりました。

 魔導の力を使って外でもハイカロリーな火力で炒めものが出来る魔道具は売らないで、野営セットの中に入れることに。

 木がいらないってだけでも便利なのにしかもハイカロリーとか素敵やん。

 切れ味の落ちない包丁も追加ー研ぐ必要がないって素敵やん。

「電源のいらないヘアーブロー」はアメジットが大喜びしていました。

 火起こしするときに風を送り続けられるなんて素敵やん(生活魔法ブローあるけど

 あとは櫛数本とかですかね。これは2人で喜んだよ☆

 上流階級の人が住んでたっていうだけあってそういう人が使うお道具は風化しないんですなあ。


 ウッハウッハしながら進むと、処刑人タイプのガードマンが出現。腕がブレード上になっているブレード腕からのいきなりの処刑!いわゆる首チョンパを両腕でやってきます!

 真っ先に防御しちゃったけど、これ攻撃のスピードがめっちゃ早い。処刑処刑処刑!!

 バリアの外からアメジットが飛び出して強烈なコールドスロワー。動きが鈍ったところをライトニングで止め。

 危なかったー今度から開幕ディメ略ショットで一気に胸部潰すことにする。


 それで、このブレード2本がとても鋭かったので持ち帰ることにしました。金属殴れる剣に出来るかもしれん。


 はいきました20階。BOSSはーー……いませんね大きそうな部屋とバルコニーですか。


「ここがコントロールルームかな」


 アメジットがズケズケと大きな部屋に入っていきました。ついていこう。


「レイ様はさわらないでくださいよ、読めないんだし。」


 はーい。自分の尻尾で遊ぶこと10分。グイーンと音がして今まで真っ暗だった場所に明かりが!


「これで中央エレベーターは動きましたね。20階より上は住宅施設じゃないようです、一気に30階まで行ってしまいましょう。セキュリティは一時停止してあります。」


 神の子アメジットが言うならそうしましょう。高層にある魔法の品を惜しみつつ30階へ。

 えれーべたーってすごいんだよ、地面がぐわーって上がるって思ったら上の階につくの。


 30階は……なんですかこれアメジットさん。次元がホワンホワンしてますよ


「さあ。違うダンジョンへの入り口ではないかと。それでセキュリティを入れてダンジョンの敵がこちらへ来ないようにやっていたのかもしれません」


「大変だけどセキュリティ入れて戻ろうか」


「そうですね。あの中ボスはどうします?」


「分解してないしまだ使えるのではないかと。整備してから野に放とう。」


 ということでぱぱっと帰りました。戦利品は野営セットと冒険者装備、櫛数本となんか凄いブレードだけでした。まあでも無いよりマシだね。

 無いのはお金だけど。売るものがあんまりなかったから赤字。そんなにガードロボット出てこなかった。

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