第12話 不細工な人間は、恋をしてはいけないのか?

 すべての恋愛、ラブコメ作品を読んだわけではありませんが、それらの作品には大抵、魅力的な異性キャラが登場します。男性向けのラブコメなら美少女または美人、女性向けの恋愛作品なら美少年またはイケメンなど、主人公の容姿レベルを遙かに超えたヒロインまたはヒーローが、主人公に好意を抱き(物語の過程で別れてしまったり、話の都合でBad Endになったりする事もありますが)、その主人公と幸せな関係を築いていく。読み手の側からすれば、魅力的な異性との疑似恋愛を味わえるわけですから、これ以上に楽しい世界はありません。


 僕自身も……僕はそう言う事に興味を抱くのが少し遅かったので、周りが「恋」やら「愛」やらの話をしはじめた時、ちょっとした淋しさを感じていました。自分だけがこう、置いて行かれるような気がして。孤独とまでは行きませんが、言い様のない苛立ち、モヤモヤみたいなモノを抱いていました。表の自分は「そのままでいたい」のに、裏の自分が「変われ」と囁いている。何とも嫌な感じです。学校の友達から「お前、好きな人いないの?」と訊かれた時も(その人自体は何の悪気もないし、実際何も悪くないのですが)、凄く嫌な気持ちになりました。


 何だよ? 好きな人がいなきゃダメなのか?

 僕は恋愛を考えるよりも、「遊び」を考えた方が好きなのに。

 遊びには、男とか女とか、そう言うモノは関係ないですからね。

 男女混合でやった野球やサッカーは、かなり楽しかったです。近所に住んでいた女の子の家でやったテレビゲームも楽しかった。


 僕は、それらの思い出が大事だった。大事だったから、そこに「恋愛」が加わった時、激しい戸惑いを覚えました。恋愛は友情と違って、様々な計算や偏見、本能などが絡んでくる。しかも、かなり残忍な方向で。「異性の残忍さ」と言うか、厳しい指摘を受けた時は、同性に笑われた時よりもショックでした。「ああ、これが『拒絶』と言うモノか」と。異性からの拒絶は、同性の嘲笑よりもきついです。アレは、本気で凹む。「自分には、価値が無いのでは?」と、本気で悩むレベルです。


 現在連載中の作品、「僕のハーレムは、二軍らしい」は、そんな僕のコンプレックスを基にした作品です。


 不細工な人間は、恋をしてはいけないのか? 


 物語に登場するヒロイン達が美少女でないのは、主人公が女性の容姿ではなく、その内面に恋をする、本質を愛する人間になって欲しいと思ったからです(僕が書いた他の作品は美少女ヒロインが多いので、その差別化をはかる意味もあります)。外見の美しさには華があるが、内面の美しさには奥行きがある。


 主人公の幼馴染である美少年は、その反対に(できるだけ)現実的リアルなハーレムを描こうと思います。イケメン君の周りには、可愛い女の子達が集まってくる。彼らは表面上、とても華やかな世界を作っていますが、その内面にはドロドロした感情が渦巻いています。外見の美しさからは、とても想像できないような。「僕のハーレムは、二軍らしい」は、その美醜と清濁を対比しつつ、より面白いラブコメを書いてきたいと思います。


 つまらない内容だったと思いますが、このエッセイを読んで頂いた方には、感謝の言葉も御座いません。本当に有り難う御座います。今後も当エッセイを続けて行きたいと思いますので、その折にまた、読んで頂けたら幸いで御座います。


 


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