第36話 溜まり場

 再び李仁のバーに集まる。

「ここのバーも溜まり場になっちゃうのかしらー。でもお金落としてくれるし、イケメンと美人がそこに座ってくれると目の保養になるわぁ❤️」

 今日李仁は書店営業マンでバーテンは休みだったのに俺らがくるからって来たらしい。カウンターにはもう1人バーテンがいるが、店長だとか。


 今日も三葉の体を借りた、すまんな。……湊音のやつ遅い。先に倫典から胸のしこりのことからだ。

 それよりも三葉の格好……谷間が見えて胸のラインからくびれ、尻のラインがわかるワンピ。他の客がジロジロみてるが……


「大島さん、今は三葉なんだから足を閉じてっ!気づいたら開いてる!!!」

 あああ、しまった。ついつい。だから見られてたのか?


 もう三葉の下着を盗み見ることは慣れてしまった。スケキヨに乗り移って下のアングルから見る彼女の下着を見るのが楽しみだったが、生きてる時はそんなことできなかったわけで……かといって毎日のように見てると飽きるな……


「まず、兄貴の見解からすると……良性の可能性が高いと。」

「じゃあ、だいしようぶなのか?」

「1週間以内に検査結果出るから……って。」

 すぐにわかんないのかよ……と胸を触ってみるが……気になる。


「にしてもトモ君が、シコリを見つけたなんてすごぉい!!!その手つきで……私のも❤️」

「ちょっとそっち方面は……」

 李仁はふくれっ面。倫典は苦笑いしている。


「兄貴には、よくわかったなって言われてさ。しかも三葉の前で『さすがいろんな女の子の胸を揉んできたからなぁ。結構お前巨乳好きだからな』って言ってさ!!!三葉、その時はウフフって笑ってたけど診察室でてから一言も口聞いてくれないんだよ?!」

「あああーそれはお前がいけない。学生時代遊びすぎたからだな。」

 まぁーその経験なかったら、三葉のしこりがわからなかっただろうけども。

 俺の目の前にサンドイッチが出てきた。ハムチーズ、卵、カツ……すげぇ。


 店長からの差し入れだそうだ。無口だが仕事は丁寧で切り口も綺麗。いろんな角度からつい見てしまう。

 卵サンドを頬張ると……あああああ、死後にこんな味に出会ってしまったのか!!!!他のサンドイッチは食べられない!!!!


「店長、もともと高級クルーズ船のコック長で全世界回ってた人なの。私も一度若い時に連れてってもらったけどぉ、その時にバーテンとして働く?て口説かれたの❤️」

 ん?連れてってもらった?で、そのときはどんな立場で……


「わたしぃ、昔ゲイダンサーで。それを見にきた店長に誘われて❤️ふふ❤️あー、これっ、ミナ君に内緒だからね!」

 ……どうでもいい情報を知ってしまった。奥で他のお客さんにお酒を出している店長は少し顔を赤くしている。……今も関係は……無いよな?

 にしても肝心の湊音が来ない。連絡もないぞ。


「そいや数日でやりたいことかなり消化できてない?

 桐生と会いたい、剣道したいとかさ。」

 確かに。まだまだ解決してないことあるけどな。ゆっくりでいいのか、それとも早くしたほうがいいのか??


 終活ノートに叶ったことは横線が引かれた。よしよし。


 あ、そいや三葉のフレンチトーストを食べたい、も付け足した。


 すると店のドアが開いた。……そこには湊音が立っていた。李仁はすごく嬉しそうにニコニコしてる。さっきまで他の男の話をしてたくせに。


 が、湊音は反対にめーっちゃ暗い顔……何があった?


「湊音遅いぞ、連絡ぐらいよこせ!」

 すると湊音は……


「それよりもやばいヨォーー!!」

 は?なにがやばい??三葉の腕を掴み……馴れ馴れしく妻の体を触るな!……


「美帆子がっ、うちに来た……子供連れて!!!」

 え?美帆子が……??


「あー、たしか室田さんと離婚したんだっけ?」

 ……そ、そうなのか???じゃあ美帆子は……バツ3?!


 美帆子とは、俺と湊音の元妻である……何か一波乱起きそうな予感だ……

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