協力者あらわる?編

第16話 結婚の意思

 倫典の車の中。未だに舌はヒリヒリする。ごめんな、三葉。そしてお前はコーヒー飲まないのに……飲んでしまった。


 倫典はなんとかいつもの調子で取り繕ってくれてはいたものの、なんだかぎこちないデートだった。


 李仁の件はともかくとして、倫典の真意を知りたい。三葉と真剣に付き合っているのか。結婚したいのか。結婚するのなら貯金や健康や仕事の事とか。気になることが多すぎる。


「無理しちゃダメだよ、三葉。」

 たく、こいつはいつまでいい人ぶるのか。俺だったら嫌気がさしていくら好きな三葉であっても機嫌悪くして声なんてかけない。まぁ、その性格の良さは認めよう。昔からそういうやつだ。


「ねぇ、倫典……」

「なぁに?三葉。」

「……わたしのこと、どう思ってるの?」

 一瞬ビクッとした倫典だが、また猫のような顔で笑って話し始めた。


「どうって、好きに決まってんじゃん。大切な人だよ。」

 ……当たり障りのないような言葉だな。でも速攻で返ってきたから本当か。


「じゃあ、結婚とか……考えてる?」




 間がある。考えてるぞ、答えが返ってこない。変な空気になってしまった。


「あ、聞かなかったことにして。」

 てなことにはできないよな。


「……結婚……ね。考えてはいるよ?」

 曖昧な答えっ!!!このやろう……。拳に力が入る……。ダメだ、殴ってはいけない……!


 と、その時……倫典が三葉の左胸を触った。とっさにビンタが出てしまった。

「イッテェ、2回目……」

「結婚考えてないやつにやらせてたまるかっ!」

 グーで殴らんかっただけましだと思え!……しかし倫典は力強く三葉の腕を握り、椅子ごと倒された。力が強い……あくまでも三葉の肉体だ。筋肉量が違うのだろう。

 そして、服の上から彼は左胸をまさぐる。側面から、そして鷲掴みにしてぐるっと。

 そして右の胸も同じように……そして両方同時に触る。真剣な表情で……。

 不覚にも感じてしまう……こんな、こんな気分なのか……久しぶりの刺激にドキドキしている……。


 そして拘束してた腕を元に戻してくれた。

「三葉、病院は行ったか?」

「病院……?」

 倫典の表情が変わった。

「何度も言ったろ!なんで行かないんだ!忙しい、そのうち行く、気のせいって!!!絶対気のせいじゃない!」

 今度は三葉の手で左胸を触れさせる。なにを……するんだ??


 こんな真面目で怖い顔した倫典はなかなか見れないぞ。

「ほら、ここ!なにかしこりあるだろ!」

 ん?ん?よくわからないが……すると反対の胸も触らされた。



 ……!!!



「……病院、行こう。兄貴の病院を紹介したろ?平日の休みを取るんだ。なぁ。三葉……。聞いてるの?!」

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