まじょって、すてき?
あたし、まじょって素敵だと思うんだ。
まほうが使えるし、動物とお話もできるし。
ホウキで空を飛ぶことだって、できちゃう。
空を飛べたら、きっと色んなところに行くことができるよね。いいなぁ。
あたし、おまじないの本とか、まじょが出てくる本って、だーいすき。
いつかまほうが使えたらいいのになって、ずーっと思ってた。
ずーっとって言っても、まだ十年しか生きてないけどね。
女の人は、おどろいた顔をする。あたし、そんなに変なこと言ったかなぁ。
女の人は、あたしの顔をじーっとながめた。それから、言った。
「アンタ、ほんっとうに、まじょになりたいのかい?」
「はいっ! あたし、まじょになって、まほうを使ってみたいんですっ」
あたしの言葉を聞いて、女の人は、ニヤァと笑った。
「それじゃあ、アンタには試験を受けてもらうとしよう」
「試験?」
あたしは、真っ青になる。試験!? そんなの、聞いてないよ!
あたしのいやそうな気持ちが伝わったのか、女の人は言った。
「なあに、まじょになれるかどうかを試す試験さ。そんなに難しいことじゃない」
あたしの頭の中では、学校のテストの様子がぐーるぐる。
そして先生のおこった顔と共に返される、ひどい点数のテスト。
そんなぁ。まじょになろうと思っても、テストが相手じゃ、勝ち目がないよー。
「ついておいで。試験の会場に、案内するよ」
そう言って、女の人はお店の奥に入っていく。
あたしは慌てて、女の人を追いかけることにした。
とりあえず、試験、受けるだけ受けてみないとね。
もしかしたら、受かっちゃうかもしれないし。
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