第49話 サルトーロ王子、失踪イベント。


 弟の類が誘拐されたのは、三歳のときだった。

 実際は、誘拐とまではいかなくて、買い物に連れ回されただけなんだけど。

 犯人のおばさんは、子供ができなくて心を病んでいた人だったのよね。

 天使スマイルの類にのぼせて、ついつい車に乗せちゃったんだって。

 類も、ほんと罪作りなやつだよ。人の人生を破滅に導きかねないんだから。


 でも、そのときは、とにかく、怖くて怖くて堪らなかった。

 どでかい駐車場ではぐれちゃって、気がついたときには、姿が見えなくて。 

 一緒にいたママと青くなって走り回っても、どこにもいなくてさ。

 警察の人たちもやってきて、「誘拐」って言葉が囁かれる中にいたとき。

 二度と、類に会えないかもしれないって思ったら、涙が止まらなくなったよ。



「ショコラ様。サルトーロ様が、失踪しっそういたしました」

 資料を返しに行ったマルガネッタが、ソフィーヌ寮長の伝言を携えて戻ってきたのは、ちょうど、わたしとロムナンが夕食を終えたときだった。


 食堂に入って来たマルガネッタの息は乱れ、竜気も乱れて、動揺してた。そりゃもう、明々白々。何かあったとピンときたわたしは、先にロムナンを自室に行かせてから、話を聞くことにした。いきなり『失踪』とか言われても、訳がわからなくてさ。わたしの頭の中も大混乱だって。


「失踪? それは、姿が見えないって意味よね? サルトーロも、ロムナンみたいに、家出しちゃったってことなの?」


 テリーの竜舎にも、一人で出没していたくらいだから、サルトーロは、日頃から自由に動き回っているのだろうと思う。単に、護衛を雇う費用を惜しんでいるから、野放し状態なのかもしれないけど。それならそれで、宿舎周辺の地理には明るいだろうし、迷子になる可能性は低いよね。


 だから、てっきり家出だと思ったのよ。姉弟喧嘩すれば、家を飛び出すくらい珍しくもないし、幼児の足だと歩ける距離だってたかが知れてるもの。どうせ、すぐ見つかるか、自分から帰ってくるかするでしょ、普通は。テリー以外に仲良くなった竜でもいて、そっちの群れと暮らしたがってるとすれば、厄介な話になるけど。


「いえ、それが、ユーレカ様の前で、消えたそうなのでございます。ソフィーヌ寮長様は、恐らく初瞬動はつしゅんどうによる失踪であろうと、いたく心配されておられました」


 初瞬動っていうのは、たぶん、初めて瞬動したってことだろうな。【瞬動】は、アレよ、あれ。わたしが一推いちおしの瞬間移動。自分で好きな場所へ跳べるやつ。

 そうか。サルトーロは、【念動】だけじゃなくて、【瞬動】も使えたのか。いいなぁと、わたしは羨ましくなった。その呑気な感想は、すぐに、『失踪』という不吉な言葉で打ち消されて、『心配』に置き換わったけど。


「初瞬動って、今までは、【瞬動】を使ったことがなかったってこと?」

 マルガネッタは、左目一回ウインクで、『肯定』した。両手で、水の入ったコップを握りしめ、身体も竜気も強張こわばらせている。サルトーロには直接会ったこともないはずのマルガネッタが、ここまで、緊張しているっておかしくない? これ、もう、『心配』を通り越して、何だろう……、そう、『憐憫れんびん』になってるよ。


「姉君のユーレカ様もご存知なかったようでございますし、消える直前に、サルトーロ様は、「助けて」と叫んでいたというお話を伺いました。ソフィーヌ寮長さまは、ご自分の意志で跳んだのではなく、増幅した竜気が、[坤門こんもん]を突き破ってしまい、跳ばされてしまったのではないかと仰っておられました」


 わたしは、神通力の訓練は、竜気の制御が初歩で、最も重要と教えられたけど、それは、[艮門系ごんもんけい]の基本で、門系によって、それぞれ独自の訓練方法があるみたいなのね。マルガネッタもパメリーナも、わたしと同じ[艮門系]だから、詳しいことはわからないらしい。それでも、[七門系しちもんけい]の中で、【瞬動】の訓練が一番危険だと言うことだけは、常識として知っていた。


 訓練中もそうだけど、きちんと訓練を受けていない瞬動力者は、怪我する確率が高いんだって。骨折や打撲くらいなら、まだ良い方で、下手をすると、手足がちぎれたり、首の骨がゆがんだり、重度の障害を負うことになるっていうの。そして、最悪の場合は、即死か失踪。この場合の失踪は、どこへ跳んだかわからないまま、遺体すら見つからず、亡くなったと推定されるって意味なんだってさ。


 ぞっとする話だけど、どこかで聞いた気がする。ひょいと、「首も手足も、もげたりしていない」という台詞がよみがえって、あ、わたしが、【転送】された後だ、と思い出した。心配し過ぎてお怒り最大値のソラに、外帝陛下が言ったんだっけ。そう言えば、その前に、「遺体捜索の陣頭指揮」という言葉も出てきてたぞ。

 

 うわっ、こわっ! あれって、単に無事なことを示す慣用句じゃなくて、言葉そのまんまの意味だったわけ? やだやだ。わたしも、手足がもげていたかもしれないの?。そりゃ、崖から落ちた時点で、死亡確率は、99パーセントを越えていたようなものだよ。でも、【転送】してもらって生き延びても、重度障害の後遺症が残るなら、全然有難くないよ。長く苦しむ方が、即死より、ずっと怖いって。 


 ソラが、「無事に、【転送】してもらえたなんて、奇跡よ!」とわめき散らしていたけど、あのときは、あまりにも気分が悪くて、危機感はゼロどころかマイナスだった。もう終わったことなんて、どうでもいいじゃん的な感覚で。それより、眩暈めまいの方をどうにかして欲しかったんだよね。「ただの転送酔てんそうよいだ」と軽くあしらわれて、「なにが、『ただ』だ。もっと深刻なんだぞ」と、訴えたいくらいでさ。


 でも、そうか、あれが、転送酔いだったとすると、【瞬動】でも似たような症状が出るんじゃないの? 【転送】は、他人や物を移動させることで、自分自身が移動する【瞬動】より、難易度がはるかに高いとは聞いたけど、空間を瞬間移動する点は同じ。たとえ【防御波】を張っていたとしても、身体には、ものすごく負担がかかるわけよ。


 ん? ちょっと待って。サルトーロは、教官がついていないんだよ。竜気の制御方法も学んでいない初歩段階だっていうんだよ。それじゃ、きっと、【防御波】の張り方も知らないよね? それで、増幅した竜気が暴発して、勝手に【瞬動】が発動したのだとしたら、知識も経験もないサルトーロは、どうなっちゃうの? 


 【転送】されたわたしは、安全な転送台の上に、五体満足でいたけど、視界は白い霧の中で、何も見えないし、どこにいるのかもわからなくて、具合が悪かった。もし、危険なエリアに跳ばされて、傷を負い動けない状態でいたら、無防備もいいところで、とてつもなく危険。竜育園ここは、人の数より竜の方が、八倍も多いんだもん。肉食竜に見つかった時点で、一貫の終わりだ。早く探し出さなければ、サルトーロは死んだのも同然。【瞬動】で無事だったとしても、朝まで持たないかも。



「ど、どこに、跳ばされたか、わからないの……?」

 ほんとは、「無事だと思う?」と聞きたかったけど、答えが怖くて、聞けなかった。マルガネッタが、「わかりません」の二回瞬きをしてから、目を閉じた。


 竜眼族が、人前で完全に竜眼を閉じるのは、たいてい、そうしないと、望ましくない感情波を抑えきれないときだ。今回、マルガネッタがシャットダウンしたかった、望ましくない竜気は、『絶望的』。これは、わたしから漏れ出た、『安全?』と問う竜気に対する反応で、わたしには、知らせたくなかったのだと思う。


「ソフィーヌ寮長様が、帝竜軍に、捜索を要請されたそうでございます。初瞬動の場合、飛距離はさほど長くないものなので、竜育園の外には、出ていないだろうという前提で、サルトーロ様の宿舎周辺を起点に、捜索範囲を広げていくことになるようです。ただ、何分なにぶん、陽が既に落ちた時刻で、闇夜が次第に濃くなっておりますので、施設全体に、可能な限り、光竜こうりゅう供出きょうしゅつするよう通達が出されました。ショコラ様にも、できるだけ、ご協力いただきたいとのご伝言でございます」


 この世界では、照明器具が発達してないんだよね。神通力には、『ライト』のような便利魔法もないし、一般的には、蝋燭ろうそく松明たいまつを使っているの。その点、光竜の灯りは、それなりに明るいし、持続時間が長くて超便利。ただ、生き物だから、餌代や世話する手間がかかって、まだ、それほど普及はしていないんだって。


 でも、わたしの宿舎は別。先月、ロムナンと番竜組引き離し作戦の一環いっかんとして、竜育園で売りに出してた光竜を買い占めちゃったから。それで、今や、一部屋に一頭。廊下に二頭って感じで、配置されているわけ。これだけの光竜密度を誇っている宿舎は、そうそうないはず。『ご協力』を要請されるのも、当然だわね。


 そもそもは、ロムナンが、やけにソラを気に入ったようなので、光竜のペットを飼わせてみることにしたのがきっかけ。ペットなんだから、自分で選ばせようと思ったんだけど、光竜のエリアに連れて行ったら、種類がやたらと多くてさ。ロムナンも迷ったのか、一頭一頭でるばかりで、三時間以上かけても決まらなかったのよ。だったら、全部買って、宿舎に置いておけばいいじゃない、と思いついたんだな。そうすれば、光竜可愛いさから、テリーの竜舎に入り浸ってないで、自発的に、帰ってくるようになるんじゃないかなって。


 この作戦は、大成功だった。今でも、時々は、スケバァのところへお泊りに行くけど、頻度はめっきり減ったわ。やったわね。めでたくも輝かしい、番竜組に対抗できる光竜組の誕生よ。十六頭で、竜貨7枚払ったけど、番竜組よりは、安くついたしさ。世話はロムナンに任せるかわりに、日替わりで、一頭選んで、寝室に連れて行っていいことになってるの。抱きぬいぐるみ、ならぬ、抱き竜としてね。


「パメリーナ、今日、ロムナンが選んだ一頭とソラを除いた十五頭を貸し出しても大丈夫? それとも、何頭かは残しておいた方がいい?」

 わたしが、パメリーナの方を向いて確認を取ると、『否定』の左目二回ウインクが返ってきた。パメリーナも、目を伏せがちで、鎮痛な竜気がよどんでいる。きっと、サルトーロが無事に発見されるわけがないと予想しているんだね。


「蝋燭も在庫がございますし、特に残していただく必要はないかと存じます」

「そう。それじゃ、ソフィーヌ寮長にご返事を……、それとも、こういう場合は、帝竜軍に、直接連絡を取るものなのかしら?」

「そちらの手配につきましては、わたくしどもにお任せくださいませ。ショコラ様は、今のうちにお風呂にお入りになって、お休みいただければと……」

「今日は、お風呂に入るのをやめるわ。その分の人手は、手配の方に使ってちょうだい。わたしは、寝室に行くから……。その、何か知らせが届いたら、わたしにも、教えて。良い知らせでも、そうでなくても。いいわね?」


 わたしは、言うべきことだけ言うと、食堂を飛び出して、階段を駆け下りた。

 お風呂なんかに入ってる場合じゃないよ。とにかく、ソラに会いたい。ソラに相談しないと、どうすればいいかもわからないし、何ひとつ決められないもの。


<ソラ! 寝室そこにいるんでしょ?>

 延々と長い廊下を小走りになりながら、ソラに呼びかける。いつもは、寝室に入るまでは、話しかけないように気をつけてるけど、今は非常事態だ。

<うん。戻ってるよ>

<サルトーロのこと、聞いた? 初瞬動で、失踪したって!>

<えぇっ! いつ?!>

<あ、いつだろ……? で、でも、時間はそんなにたってないと思う>

<ちょっと、待って、マリカ。情報を集めてくる。話はそれからね>


 ソラとの【交感】が、いきなりブチンと切れた。こういう一方的な切られ方をすることは、滅多にない。気絶ぶりっ子したときくらいかな。それほど、ソラは切羽せっぱつまっているんだ。一分一秒でも惜しいくらいに。それほど急がないといけないってことなんだ。サルトーロを助けるためには。これ、生存確率が、どんどん減っていっちゃうってことなんじゃない? もし、助けられなかったら……。


 あぁ、どうしよう。今、わたしに、何か、できることがある? 

 捜索に加わるのは、駄目。この幼女体型じゃ、足手まといになるだけだわ。

 ユーレカのところへ慰めに行く? いや、これも、やめておいた方がいいな。

 わたしに、この不安と焦りに満ち満ちた感情波を抑えきれるとは思えない。

 慰めるどころか、余計、絶望的な気分にさせちゃいそうで、逆効果だよ。


 他には……、情報を集める。サルトーロがどこへ行ったかを調べることね。

 そっちは、ソラの得意分野。わたしが聞き込みに回るわけにはいかないや。

 ソフィーヌ寮長に、詳しい話を聞きたいけど、今は、超絶忙しいだろうし。

 パメリーナを筆頭に、使用人たちも、光竜貸し出しのためにバタバタしてる。

 暇なのは、わたしだけ。いや、あと一人。ロムナンがいたわ。


 ロムナンに、何て言えばいいんだろう。失踪したって話しておく?

 無理だ。説明できる自信がないよ。わたしだって、よくわかっていないのに。

 初瞬動だの、捜索だの、竜語症のあの子に、理解できるとも思えないし。

 でも、光竜たちを貸し出すことだけは、納得させておかないとまずいよね。

 竜気が離れて行ったら、絶対気づくから。そしたら、動揺するだろうから。


 わたしは、向かう場所を、自分の寝室から、ロムナンの寝室に変更した。ソラが出て行ったのなら、急いで帰っても仕方がないし。【遠話】で相談できないこともないけど、情報収集してる邪魔をすることになっちゃうもんね。ここは、ぐっと堪えて、ソラの方から、話しかけてくるのを待とう。


 わたしが借りてる宿舎は、共用施設の本館と、地下通路で繋がった別棟が、四つある。今のところ、使っているのは、ロムナンとわたしの二棟だけど、本来は、王族の幼児を四人も収容できるスペースがあって、かなり広いの。本館には、食堂や共用の居間の他に、実習室に遊戯室、訓練場まであって、至れり尽くせりよ。


 帝竜国の家屋は、地上二階地下二階の四階建てが基本。コンクリートっぽい頑丈でシンプルな外壁だから、寂れた市営団地が立ち並んでいるように見える。実際は、コンクリートじゃなくて、魔物対策用の特殊高級素材らしいけど。最高水準の安全設計で建てられた、核シェルター付高級別荘とでも言えばいいのかな。


 それはともかく、この宿舎には、まだ二人分の空きがあるわけ。ユーレカとサルトーロが今いる宿舎が、どんなところか知らないけど、経済状況からして、使用人も最低限しか雇っていないだろうし、丸ごと、こっちに引き取ることも考えてたの。わたしの授業を一緒に受けさせるとすれば、毎日、ユーレカを通わせるのは、時間の無駄でしょ。かと言って、幼いサルトーロを一人で放置できないものね。移動させるとしたら、姉弟セットでなきゃまずいなって……。


「ショコラ様!」

 叫ぶように呼びかけられて、わたしは、はっと我に返った。声の主は、カズウェルだった。いつの間にか、ロムナンの寝室近くまで、来ていたみたい。幼女の身体で、この距離を走るのはきつかった。胸が苦しくて、息が切れてるよ。


「な、なに……? どう、か、した……?」

 立ち止まって、何とか声を絞り出す。カズウェルの声にも竜気にも、切迫感が満ち溢れてる。何かあったんだ、ロムナンに。サルトーロだけじゃなくて、ロムナンにまで、何かあったってことだよ。なんで? もう、どうなってるのよっ?


「ロムナン様が、お腹のあたりを押さえて、うめいておられます。感情波からお察しするところ、激しい痛みを感じておられるご様子なのです。夕食で、何か、お身体に合わないものでも、召し上がったのではないでしょうか」


 夕食のメニューは、わたしと同じだった。でも、わたしは、何ともない。アレルギーだろうか。いやいや、そんなはずないぞ。どれもこれも、今まで、食べたことのある物ばかりだったよ。ここの食事は、バラエティに富んでいるとは言い難くてさ。質や種類ではなく、量と甘さで勝負してるような感じなんだから。


「あなたは、急いで、医官を呼んできて。あと、パメリーナも」

「かしこまりました」

 カズウェルが走り出すのと逆に、わたしは、ロムナンの居間に飛び込んだ。


<ロムナン! どうしたの? どこか痛いの?>

 椅子から転げ落ちたのか、絨毯の上にうずくまってるロムナンに、駆け寄り、背中を撫ぜてあげながら聞くと、怒涛どとうの勢いで、感情波が流れ込んできた。

<いたい、いたい! さむい、いたい、たすけて。ぐるぐる。ちかちか。むかむか。いたい、こわい、たすけて!>

<どこ? 痛いのは、どこ?>

 ロムナンは、両腕でお腹を押さえながら、うめき声をあげる。

<ここ。あかげのこ。いたい、いたい>

<赤毛の子?!>


 サルトーロのことだ。痛いのは、ロムナンじゃない。ロムナンは、サルトーロの痛みを感じとってるだけなんだ。なぜかはわからないけど、きっと、【交感】で繋がっているんだよ。でも、さっきまで、なんともなかったのに。どうして、急に……。いやいや、そんなことはどうでもいい。


 今、重要なのは、サルトーロは、まだ生きてるってこと。怪我をしていて、今この瞬間も痛がっているってことだよね? 早く、助けてあげないと。みんなにも、知らせないと。そうだ。医官にも、そっちへ行ってもらわないと……。


 でも、どこにいるの? 痛い、怖いじゃ、状態だけしかわからない。

 ぐるぐる、ちかちか、むかむか――は、たぶん、眩暈とか、吐き気、だな。

 あとは、寒い? 駄目だ。居場所がわかるような情報が、何ひとつない。

 ロムナンがこんな興奮してるときに、じっくり話が聞けるわけもないし……。

 

 あぁ、ヤバい。このままじゃ、ほんとヤバいって。

 ロムナンとの気綱を通して、竜気が流れ込んでくるのがわかる。

 わたしの体内でも、竜気が高速で循環し始めて、どんどん増幅していく。

 強烈な感情波に引きずられてわたしまで、パニックを起こしそうだよ。


 なんだか、眩暈がしてきた。

 目の前がチカチカして、吐き気までするじゃないの。

 このまま制御できずに暴走したら、どうなっちゃうんだろう。

 ロムナンも、わたしも。それに、サルトーロも……。



 このとき、わたくしは、交感力者の増幅機能が、驚異と破滅の紙一重の上に、成り立つのだということを否応なく知ったのでした。


 こうして、サルトーロの失踪事件イベントは、ここから大きな山場を迎えることになるのでございます。


 

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