第95話 用兵

作戦割り振り表



下水処理場チーム A班



ZACT野々宮分隊長



松尾(マツ) 



エレナ



大堀  小泉



根城  百村



ポン吉 ZACT月島(情報部)



他 ZACT隊員24名 内2名パイロット、運転手



廃病院チーム B班



ZACT赤塚分隊長



青木(メサイア) 



美菜萌



谷口  川畑



斉藤  阿部



他 ZACT隊員24名 内2名パイロット、運転手



指揮 ZACT麻島隊長



御見内 



三ツ葉(情報部)



ーーーーーーーーーーーーーーーー



レジスタンスのアジト 食堂



作戦前夜  21時14分



割り振られた用紙がテーブルに置かれ、一同目を通した。



小泉「下水処理って… ヤバい方じゃねえ?」



根城「えぇ 気合い入れてかからないと…」



最後列のテーブルに座り、用紙に目を通すメサイアこと青木



青木「…」



マツ「各自目を通したか?これで行くが皆いいな?」



すると



御見内「マツさん ちょっと待って下さい…これは何ですか? 昨日の打ち合わせと違います 俺が指揮ってのはどうゆう事ですか?」



マツ「やはりおまえは麻島隊長と共に総合で指揮を執れ」



御見内「御冗談を すいませんが 俺は現場に行かせて貰いますよ」



マツ「いや おまえは隊長と一緒に2班の指揮を執れ」



御見内「何故です? その役はマツさんにお願いします」



マツ「この作戦の言いだしっぺはおまえだ 2箇所を知ってるのもおまえだ それならおまえが2つの部隊を把握、指揮するのが筋だろ」



御見内「言いだしっぺだからこそ、ここは俺に決めさせて下さい マツさんとここはトレードです 俺が下水処理場へ行きますので やるならその現場で分隊長と一緒に指揮を執りますから」



青木「フッ 食ってかかるねぇ~ 相変わらずワガママな奴め」



マツ「御見内…」



御見内「麻島隊長 それでよろしいですね?」



麻島「…っだそうです そう言うならここは彼に行って頂いた方がよいかと」



御見内「マツさん 俺が行かなきゃ意味がありません お願いします」



マツ「ふぅ~~ あぁ 分かったよ ならおまえが行け」



御見内「ありがとうございます」



マツ「っと言うわけだ 一部訂正するぞ Aチームに御見内 指揮に私が入る これで行くが 皆いいな?」



「ほ~い」 「はい」 「うす」



マツ「それでは お願いします」



麻島「はい 明昼 12時に作戦を決行します 赤塚頼む」



赤塚「はい」



そしてホワイトボード前に立った赤塚



赤塚「チヌークによる移動を考えましたがやはりヘリ音による騒音のインパクトを考え、移動はバスで行いたいと思います そこで観光バス2台で現地に向かいます 一台はまずここ…」



ホワイトボードに貼られた地図を指し説明する赤塚



赤塚「廃病院の施設からおよそ3~4キロ程離れたここに止め、その後森の中を徒歩で向かいます またもう一台はここに ここも下水処理施設からおよそ3~4キロ程離れた距離を同様に徒歩で移動します そしてこの2つの線を結ぶ丁度中間になるこの辺りのポイントに指揮車を止め、合図によって同時に突入を開始したいと思います」



赤塚がホワイトボードに今度は建物の見取り図を貼り付けた



赤塚「突撃の際 それぞれ建物周辺には多くの敵がいると予想されます 殺める事なく無力化するを重視した制圧はかなり困難を極めるかと思います… ここをすんなり室内に進入出来るか…? いわばここが最大のキーポイントになるかと考えてます 激戦はまず避けられない状況になります。そして館内突入後はそれぞれ各ポイントへと向かい、捕まった人達の救助 同時にここで待機させたバスとチヌークに合図を送り、一斉に建物に接近 速やかに回収後、速やかに脱出 これが当作戦プランの内容になります また当日は各自にこちらのインカムを装備してもらいます 数名にはこちらの小型カメラ付きのインカムを装備してもらいます。これで内部の状況を指揮車のモニターで観察、逐一指示を送るかたちがとれます ここまでで何か質問はありますか?」



斉藤「開始から終わりまで何分を想定してるんですか?」



赤塚「正直 現場の状況は分かりません 敵の数も人質の状況も… 正確な返答は出来ませんが 長引けば長引く程 こちらが不利な状態になる事は間違いありません 早期決戦、早期解決にあたる事が不可欠 30分が勝負かと…」



斉藤「30分? 突入から人質の移送…撤収までを30分で行えなんて無理に決まってる」



赤塚「先程も申しましたが 長引けば長引くだけ奴等の数が増え、危険は増してきます…火急的電撃作戦で任務を遂行するしかありません あくまでこれは目安です それくらいでやり遂げる気持ちでお願いします」



斉藤「あ…あぁ…はい」



赤塚「他には?」



そして赤塚は床に置かれたガンケースから何やら取り出した。



赤塚「それでは次に、今作戦で使用する数種の銃器をご説明します まずはこちらの小銃…」



皆にアサルトライフルが示され、テーブルへと置かれた。



赤塚「これは国産の89式自動小銃  長物のアサルトライフルです そしてこちらがサブマシンガン MP5SDとMP5という代物です」



そして次々とテーブルに置かれていった。



赤塚「現在こちらに銃器はありますか?」



マツ「確かS3散弾銃が1つと…あとは…」



御見内「マカロフが2丁です」



赤塚「今般の作戦に銃器は欠かせません こちらから選んで各自所持していただきます」



斉藤「すいませーん 銃なんて扱った事無いんすけど」



赤塚「ダットサイトを取り付け、調整を施しておきますので大丈夫です このあと扱った事の無い人は集まって下さい 操作性の簡単なレクチャーを受けて貰います 私から以上です」



麻島がマツと目を合わせ頷く



マツ「よし これで以上だが 他に何かあるか?」



すると



御見内「すいません 一言だけいいですか」



御見内が手を挙げ前へと出た。



御見内「非常に危険な任に皆を巻き込んでしまって…死なないで下さい…頑張りましょう…なんて無責任な言葉になってしまうかもしれません… 俺はある拷問室で女の人に会いました その女性は耐え難い拷問と解体の苦しみの末 髪はお婆ちゃんの様に白く抜け落ち、ベロは引き抜かれていました。その女の人と約束したんです 必ず助けに来ると… あそこには救いの手を待ってる人がいます 俺達が行かずに誰が行く 俺達がやらずに誰がやる 明日がその時なんです」



そして御見内が拳を握り締め



ホワイトボードを一打した。



御見内「ここを制圧する…」



「みんなを救い出そう」

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