第30話 鬼熊
吊された和風蛍光灯が激しく揺れ動き
熊の冷酷な目が万頭へと向けられた。
それから枯木死灰な能動的一爪が振り下ろされ
図体からは想像出来ない素早き、ひっぱたき
ガードなど無意味な肉食獣の重過ぎる一撃が振り下ろされた。
ブン ズボッ
万頭はこれもかわし、畳に直撃
畳は簡単にぶち抜かれ、抜けなくなった畳を外そうと熊手を振り回す
万頭は避けた拍子に勢いよく襖をぶち抜き、押し入れに倒れ込んでいた。
また振り解こうと暴れる大熊が畳にかじりつくや、まるで薄っぺらい紙でも千切るかの様に強靭な顎でその畳を噛みちぎった。
何もかもが違い過ぎる…
エレナがトンプソンの照準を定め、狙うのだが…
標的をエレナに向けた熊と目を合わせた…
いや駄目 やっぱ無理… こいつは無理…
フー フー フー
荒げた鼻息が顔に吹きかけられ、戦意が一気に吹き飛んだエレナ
食われる前にこの場から逃げなきゃ…
エレナはチラリと扉を目にし、ゆっくりと熊の目を見つめながら動き、ドアノブに手をかけた。
「グゥウウウ」
威嚇の唸り声をあげる熊がエレナを目で追いかけ
エレナがノブをゆっくり捻ると
その動きに反応、張り手の1打を見舞ってきた。
エレナは咄嗟に身を伏せた。
バコォ
張り手がドア本体を直撃、1発でドアが破壊
ドアが廊下に倒れた
な…なんちゅー 破壊力なの…
こんな獣相手に張り合う自信なんか無いわよ…
逃げなきゃ…
命の危険を感じたエレナは、この場からの逃亡のみを考えた。
そして腰が抜けそうな恐怖を勇気を出して逃走をこころみるエレナが這いつくばりながら廊下へ飛び出した。
エレナ「あわわ あわわ」
すると 突進した巨体がドア枠につっかえる。
「ゴォォオオオオ ガォオオオオ」
顔だけが飛び出し、唾を撒き散らしながら荒々しく吠えたてる熊の姿
座り込み、尻を引きずり、それを目にしながら離れるエレナは乱れた呼吸を整えた。
熊は必死にもがき廊下に出ようとするのだが、身体がデカ過ぎて通れそうにない
エレナはそれを眺め、一瞬ホッとした表情を浮かべた。
それからゆっくりと熊との距離を離すのだが…
まだ安心するのは早い…
ここは敵地であり…ここにいる者全てが敵なのだから…
それに熊は1頭だけでは無いのだ…
そんな荒ぶる熊の顔を見ながら後退するエレナの背後から…
「ぐぎやぁぁぁ」
男の悲鳴が聞こえ、エレナが振り返った。
すると廊下の先には人の頭部をくわえ、仁王立ちする別の熊とその周りを取り囲む数名の黒フード達の姿が見えた。
「あああ… 誰か早く た…た…ぎゃ…ぎぃぃやややぁぁ」
頭部をアマ噛みでくわえる熊が顎に力を加えた。
「いだだだだ だゃー ぐゅぎややややや」
たちまち強力な顎が万力のように男の頭蓋骨をベキバキと粉砕
黒フード男の頭部が一噛みで噛み砕かれ、絶命された。
割れたスイカのように人の頭が噛み砕かれ、おぞまし過ぎるデスシーンにエレナは一瞬目を背ける。
ボタボタと割れた頭部から大量の血が脳味噌の欠片と一緒に床に落ち、その場で人間が噛み殺され
食事を始めた熊
その周りを囲む数人の黒フード達が騒然とする中を
エレナは悠然と死体をムシャムシャ捕食する熊の姿をガン見した。
「おい こいつを何とかしろ」
「エンプティーが食われてやがる… なんだよこのバカデカい奴は… おぃ バスタードの移送はどうなってる?」
「あれからプッツリと魁木達との連絡が途絶えてんだよ」
「エンプティーが食われてんだぞ… おい…なら早く… 誰か早く猟銃持ってこい」
「その前に代表と冴子様の安全の方が先だろ、退路は確保したか? お前等2人… お前たちは死んでもいいがそこの扉だけは死守しとけ」
「猟銃早くしろ モタモタしないで取ってこい」
「なぁ…おい…この熊って…ミナグロじゃねえのか…?」
さっきの2頭も信じられないデカさだったが…
2足で立ち上がるこの熊は
更にデカかった…
直立した身長はおそらく3メートルを越えている…
比較的体格のデカいあのグリズリーや北極熊でさえ直立で3メートルを越えるクラスは…
そうそういないだろう…
だが…目の前にいる奴は、究極にデカい…
武器を持たぬ人間など、いくら人数を集めようと、こいつの前では群れで泳ぐ小魚か、たかるコバエのような存在でしかないない
素手の人間など、奴等からすれば空腹を満たす食肉にしか映っていないだろう
度胆を抜くビッグな殺人熊の襲来に混乱する屋敷内
黒フードの連中誰しもが雑然と混迷に陥り、エレナの存在に全く気づいていなかった…
そんな修羅場に居合わせるエレナは殺戮現場を目撃しながら
奴等のアジトは見つけた…
この悪の組織の教祖も…
収穫はあった…
とりあえず今日はここまで…
今が逃げるチャンスね…
エスケープしなくきゃ…
混乱のどさくさに紛れ、脱出をはかろうとするエレナ
気づかれぬようそっと立ち上がり、後ろを振り返った。
廊下の反対側には外へと繋がるテラスらしきものが見える
あそこからなら逃げられる…
そして今がチャンスとばかりにエレナは摺り足で退却行動をとった
その時
エレナはふとある事に気づいた。
え? いない…
そう…さっきまでそこにいた筈の2頭の大熊が和室から忽然と姿を消していたのだ
どこへ消えたの…
乞如として消えた鬼熊達の不安と恐怖を抱えつつ、そろりそろりとフェイドアウトを図るエレナ
頭は完全に食べられ消失、胸部へとかじりつく鋭い歯
前方では周りなど全く気にせず、本能剥き出しに豪快な食べっぷりを披露するキチガイデカ熊が今尚人肉を貪り食す。
そんな熊を遠目にしながら後退するエレナにふとある考えがよぎった…
いきなり現れたクマさんには正直ビビったけど…
でもこれって よーく考えたら好都合よね…
虫唾が走る怪しげなクソ虫野郎共を一蹴してくれるって思えば
これはこれで私が成敗する手間が省けて…ありがたいかも…
って事はこのままトコトン暴れて貰って…
恐怖と相対して脳天気な考えがエレナの頭をよぎっていた。
なんならこの勢いで黒づくめ達全員食い殺して貰えると助かるわね…
ついでに大将の首なんかもペロリと…
ある意味敵同士蝸角の争いで勝手に潰し合ってくれれば好都合と願うエレナ
って事は これって頑張れ熊ちゃん達…だね…
今や隔岸観火な思いで壊滅を望んでいた。
そして摺り足でテラスへ近づき、窓ガラスの戸へ手を掛けた
よし… 逃げられる…
そしてこのまま脱出しようとした時
エレナは更なる度胆を抜く光景を目にする事となった。
1室の扉が開かれ、ある男が廊下へと現れたのだ
「代表 危険です 中へお戻り下さい…」
そいつは真紅の赤装束を纏った男
「構わん のけ」
フードを剥ぎ取り、手には書物を握り締める男
そう… この怪しげな集団のボス
あの山吹の姿だ
次いで白衣に身を包む女、あの冴子と黒フードに不気味なガスマスク姿の男が共に廊下に出て来た。
冴子「ヒュー なになに あのおっきなテディーちゃんは…」
ガスマスク野郎「シュコー シューシュコー ツキノワ熊か?シュコー」
「は… はい…」
ガスマスク野郎「シュコー シュコー 閣下 あの恐ろしくデカい熊ごろう… 三日月の白毛がありやせん… あいつミナグロですぞ…シュー シュー」
冴子「ミナグロ…?何それ…?」
山吹「フッ… ミナグロか…アイヌに伝わりし山神の化身よ…単なるマタギ間での空想の産物と思っていたが…あの桁違いなデカさから…あながち伝奇は嘘でもないようだ」
ガラス戸に手を掛けたまま身を固めたエレナの前に現れた山吹達が大熊と対峙した。
山吹「お前ら皆 そいつから下がれ」
山吹が一声を発し、グリモアの魔導書を開いて、右手を前にかざし始めた。
山吹の指示で黒フード達が一斉に熊から離れた。
「シュー シュコー シュコー」
冴子「フフフ」
ガスマスクから吐き出される呼吸音が静まる廊下に不気味に響き渡り、また冴子はニタニタと笑顔で化け物熊を目にしている。
山吹「人食い熊よ おまえが本物のミナグロであるのなら、それは山神の具現体…こんな所でこんな神獣に遭えるなど慊焉(けんえん)たる幸運 1人2人のお粗末な人身御供など喜んで捧げてくれよう…だがな…」
我関せず、食事に没頭する熊は既に腰まで食い尽くしていた。
そんな熊へ山吹は右の掌を広げながら口にした。
山吹「超凡で崇高なる猛獣よ おまえが普通の熊でなければ…私もまた凡人とは異なった身、おまえが神格化の身なら私もまた選ばれし魔の加護を受けし身よ 赫灼するまばゆき光など覆い尽くす闇の流動、邪の理(ことわり)こそが強大な力だと、今ここで論より証拠を示そうぞ…」
そして手をかざし、目を閉ざした山吹がスペルを唱え始めた。
山吹「黒魔の術式 生の身死の身を操るネクロの悪魔の囁きを聞くがいい… ウータム・クータソ・ロ・ベリエル・オーフェン・ホーウェン・ロネロ・バ・ヴェルシェウェン・スピーリトゥス・インパタティメーネ・ウェニータ・ベル・モイ・ディアマネート…ドリミンドリミン・バイファス・エル・ア・プリシュモンネクロディアマネート…」
山吹が書物のページをめくり、怪しげなソーサリー(魔術)の呪文を詠唱するや空中に指でペンタグラム(五芒星)の魔法陣をなぞり始めた。
すると廊下の電灯がいきなりチカチカと消えたり点いたりを繰り返しはじめる
山吹「…我は闇に呑まれ、重き枷となりて蕗を絶つ、熾烈と腐敗と業を蝕す、我が身を死霊の触媒とし、死を司るネクロの王よ 奈落の王よ 文呪せずとも…言の葉にのせずとも 虚無の中で生きる深淵なる闇の力を授け、我に耳を傾けたもう…終を知る者よ…我に闇を備えたもう」
さすがはイカレた集団のボス…
完璧に頭がイカレてるわね…
山吹「さぁ 降臨せし、死霊の吐息たる禁呪をたしなめ…」
意味不明な呪文を唱え、何かの儀式を執り行う山吹の後ろ姿を目にするエレナ… だったが…
そのエレナの目の前で、ある不可解な現象が起こりはじめた。
廊下の電灯が突如消え、それが順々に消えて行ったのだ
スポットライトの様に熊の頭上のライトのみを残し、全ての明かりが消された。
え?何これ…
いきなり電気が消えた超常現象
エレナが天井を見上げるや廊下の気温が急激に変化し、寒気を覚えた。
そして今度は…
科学では解明しがたいある怪奇現象がエレナの身に降りかかってきた。
何これ…動かない…
身体が……全然動かない…
そう…急にエレナの身体が自分の意志では動かせなくなってしまったのだ…
何よこれ…
金縛りの様に指一本動かせなくなり、エレナは焦りの表情を浮かべる。
まさか…本当に妖術…? そんなのありえない…
山吹「フフフ 黒魔導死霊術の儀 終了 悪霊によりこの場のエンバイロメント(環境)は完全に掌握された 悪霊の息吹は感じられたか?熊の子よ 山神の化身ならばこの程度の低級な呪詛の縛り…解いてみせよ」
ただ 金縛り現象はエレナだけではなかった…
この屋敷内にいる者全てが捕縛されたかのように身動きがとれないでいたのだ。
それは目の前にいる大熊の巨体もまたしかりだ…
肉へかぶりつく寸前、身体の自由を奪われた熊が口のみをパクパクとさせていた。
冴子「あはは 可愛い~ おっきな熊ちゃんがお口をパクパクさせてるわね」
どうやら身体は動けずとも口はきけるようだ
冴子「ハァァン ギュッとされてる~」
冴子は我が身の自由が奪われつつも笑顔を浮かべ、快感を得ている
術者である山吹以外、時が停止したかのように身体が硬直化した全ての者達
エレナもこの術中に巻き込まれ、影響を受ける1人だ
馬鹿な…妖術なんてファンタジーの世界の作りものよ…そんなのこの世に存在する訳がない…
あいつ一体どんな手品を使ったというの…?
いまだ信じられないが…現に山吹がスペルを唱えた途端にこの現象は起こり、現にエレナ自身、呪縛に襲われ、今身体が動かせないでいる…
ならばこれはどう説明がつくのか…
大規模で巧妙なトリックか…
これが早織ちゃんのおじいちゃんや…マツさんが言ってた魔術ってやつか…
今はまだ知る由もない…
ガラス戸に指を当てたまま、いくら指令を送ってもピクリとも言う事をきかぬ身体
エレナは金縛り状態で山吹の後ろ姿を凝視した。
もし…もしも仮にこれが本物の魔法使い…いやいや ないない…
でも…もしもあったとしたら…いや…
もしくわ もしも超能力者だとしたら…
こんな危険な奴はいない…
いや…魔術でも超能力者でもそんなのある訳ない…認めないわ…
そんなのありえないし…信じないし…私は騙されない…
必ず何かトリックがあるに違いない…
それより…マジ身体が動かないんだけど…
これどう解除すればいいのよ…
説明のつかない状況に戸惑うエレナ
山吹「さぁ どうした?山神の子よ…ミナグロとは私の思い過ごしか?化身などと買い被り過ぎなのか?この程度の秘術が破れぬなら興醒めもいいとこ…ただちに呪い殺して、私の死のペットか置物にしてくれるぞ」
冴子「わぁ~いいわね 欲しいわ 大きな熊の人形が」
するとギロリと向けられた熊の目
山吹がミナグロと眼を合わせた。
山吹「どうした?その程度か?」
口角を緩める山吹に対し牙を剥いた大熊が吠えた。
グオオオオォオオ
そして力づくで緊縛を解きにかかった。
ゴォォオオオオオ
冴子「フフ 可愛いおちゃめな熊ちゃん ほれ頑張れ~」
山吹「フッ どうしたどうした?ほれ 剥製にされたくなければもっと力を振り絞れ」
グオオオオォオオ グオオオオォオオ
歯にこびりつく、肉片や血液が唾と共に吐き出され、暴れもがくのだが一向に金縛りが解けぬ熊が咆哮をピタリと止めた。
諦めたのか?
もがきもピタリと止め
「シュコー シュー シュー」
冴子「あれ?諦めちゃったの?」
山吹は笑い声をあげながら熊へ口にする
山吹「ミナグロとは勘違いだったようだな…単なる身体がデカいだけのツキノワだったか…つまらん熊だ」
大人しくなった大熊…
だが山吹が再び眼を合わせた時
大熊の眼は以前と何も変わっていなかった…
山吹の顔から一瞬にして笑いが消える
こいつ…
その矢先…
2つの大きな影が横から飛び出して来た
「ぎゃゃゃゃゃ」 「うわああああ」
身動きとれぬ黒フードの喉笛に食らいつき、4本足を地に着け、ミナグロの前に現れた2頭の大熊の姿
首の骨がへし折られ、既に死亡する黒フードを吐き捨てるや、ミナグロの加勢に現れた二頭が同時に威嚇の咆哮をあげた。
グワォオオオオオオ
ゴオオォォオオオオオ
山吹、冴子の前髪がなびく程の大声量で大迫力なる猛獣の咆哮だ
冴子「嘘?幻史 これはちょっと流石にマズい状況なんじゃないかしら 縛身術の限定解除して頂戴」
山吹「うろたえるな… 奴に死霊の包容は絶てぬ…解くのは無理だ」
その時だ
ミナグロが再びもがきはじめた。
首を徐々に横へと動かしはじめたのだ
山吹「馬鹿な」
また 駆けつけた二頭は金縛り状態の黒フードへとゆっくり近づき
「だ…代表…早く これ…と…解いて下さい」
「わ…わぁ~ 来るなぁ~」
大口が開かれ
「ぎゃゃゃゃゃ」 「がはぁあぁ」
無抵抗な黒フードの顔面と首にかぶりついた。
ミナグロは山吹の目の前で自力で金縛りを打ち破っていった。
目にみえぬ死霊のまとわりつきを吹き飛ばすかのように
冴子「嘘だ?解かれちゃうよ」
ガァァァアアアアアアアアアアア
また目に見えぬ鎖を断ち切ったかのように捕縛の呪詛を力づくで解き放つミナグロ
両腕、両足を動かし
とうとう完全に呪詛を打ち破った
グフー フー フー
そして解放され自由を取り戻したミナグロが山吹をギロリと見下ろした。
その瞬間
エレナの金縛りが解かれ、この場にいる者全ての捕縛が解除される
山吹「な…」
いつの間にか1メートル手前まで接近したミナグロが山吹を見下ろし、いままで食していた下半身のみの死体を山吹の足元へと吐き捨てた。
脆弱な人間如き このままこの場で食い殺すのはたやすい…
だが…もう食は満たされている…
命拾いしたな…哀れな人間共…
ミナグロの目はそう物語っていた。
そして いきなりミナグロが山吹等に背を向け、そのまま何もせずに退却して行く
他の二頭も食事を止め、ミナグロの後へと続いて行った。
振り返る事無く去ろうとするミナグロの背に向け、山吹が口を開いた。
山吹「面白い…それは猛獣の分際で我々人間に対して宣戦布告したととっていいんだな?今この場で食い殺さなかった事を後悔する事になるだろう…ゾンビ…邪魔なレジスタンスに加え、おまえ等の熊狩りを始めてやる…」
3頭はそのまま振り返る事無く姿を消した。
3つの無惨死体を残し
山吹に圧倒的な力を見せつけ…去って行った。
争いの渦中に乱入してきた3頭の獰猛な熊達
こうして四つ巴の構図が出来上がり
これより激闘が加速されて行く…
まさに驚きの連続
様々な出来事を一部始終目の当たりにし、立ち尽くすエレナが手にするガラス戸を静かに開こうとした
その時だ
山吹「フフ 今後退屈しないなぁ これこそまさに乱世に相応しい…なぁ そう思わないか?そこにいる女よ…?」
え?
山吹「おまえレジスタンスの者だな?」
冴子「え?レジスタンス?」
「シュー シュコー シュー シュー」
マジか?気づかれてる…?
でも…あいつは一度たりともこっちを振り返った覚えがないのに…なぜ
どうして私の存在を…?
冴子「あれ~ あなた見た事ある~知ってる顔よ」
冴子とガスマスク野郎がこちらに振り返り、完全に存在がバレてしまった
そして山吹がゆっくりこちらへと振り返るや
山吹「なぁ~そこの女よ… ここから逃げ切れるなんて思ってないよなぁ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます