第317話 特別編 外対騎士団登場人物名簿

 この人物紹介は、当小説に登場した人物をだいたい登場順に紹介したものです。

 一部存在が仄めかされつつ名簿に載っていない人もいます。

 人数が多いので一人に対する文章量はかなり詰めています。

 一部、説明量に偏りがありますがご了承ください。

 本編で登場していない小話も少しだけ記載しています。

 この人物紹介はあくまで表面的なものであり、キャラの根本に関わる部分や解釈の多くは本編で語られるものとして省略、簡略化しています。



・ヴァルナ


外対騎士団二年目の平民出身若手男騎士。所属は遊撃班→のちに特務執行官。

ローテンション気味で存在感の薄さと反比例する実力の持ち主。

皆からは頼られたりネタにされたり、何だかんだ愛されている。

基本自己流の騎士道を貫くことしか考えておらず、仕事中も人助けを諦めない。

手癖も足癖も悪い上に剣も拳も強く、人の技もパクったりと強さには貪欲。



・ロック


外対騎士団所属のおっさん男騎士。所属は遊撃班。

どんな時も酒瓶を手放さない酔っ払い騎士。

昔は真面目な騎士だったらしいが、どうしてか今は駄目人間。

無駄に年長なので実は意外と博識だが、それ以上にろくでなし。



・ヤガラ (ヤガラ・セシタス)


王国議会の命令で外対騎士団を監視する記録官という役職を務める男。

貴族出身の子爵。平民蔑視で嫌味の塊。左遷執行官の異名を持つ。

しかも外対騎士団と仲の悪い聖靴派閥とズブズブの関係。

しかしワイン以外の酒を呑むと悪酔いして即座に酔い潰れ、記憶も飛んでしまう。

酔い潰された際にいつも世話になっている治癒師のフィーレスに密かに想いを寄せている。



・タマエ


外対騎士団の外部協力者、通称料理班の長を務める女性料理人。

ザ・オカンな性格で、騎士団の胃袋を握っているため発言力が強い。

元宮廷料理人の腕前で安い食材を絶品料理に変える。

タマエの弟子は全員料理と一緒に王国護身蹴拳術を習得させられるため、彼女の弟子はサバイバビリティに溢れている。

なお、王国護身蹴拳術九段を誇る剛腕はヴァルナさえ戦慄させる。



・ノノカ (ノノカ・ノイシュタッテ)


王立魔法研究院所属、魔物学教授の女性。外対騎士団の同行者。

オーク研究一筋、天真爛漫で優しいちびっこ大人。

成人しても外見が幼いルヴォクル族なのだが、胸は全く幼くない。

子供っぽい言動に反して根の部分は大人らしい感性を持っており、時には演技で男心を弄ぶ小悪魔気質も持ち合わせる。



・ローニー (ローニー・ショルドア)


外対騎士団副団長→のちに第一部隊長を兼任する男性騎士。

元は聖靴派閥だったが、理不尽な理由で左遷されて今に至る。

とにかく苦労人で、団長ルガーの無茶ぶりに応えつつ神経をすり減らす。

ストレスで胃薬が欠かせず、団員たちも心なしかローニーには優しい。

妻マチ、息子リベリーがいるが単身赴任故になかなか会えない哀しみを背負う。



・ガーモン (ガーモン・フレミング)


外対騎士団遊撃班の班長を務める男性騎士。

真面目で実力もあり周囲に気配りも出来る立派な騎士。

得意の槍捌きは御前試合に選出される程だが、実は弟のナギが大好きなブラコン。

実は両親をかなり嫌っており、フレミングの姓を自ら名乗ることはない。



・ライ


王立魔法研究院所属、魔法工学専攻の男性研究院。大陸の帝国出身。

基本的には後輩の面倒見がよく気のいい青年だが、元暴走族。

騎道車操縦から整備まで任されており、ヴァルナのことを尊敬している。

忙しい時や設備を壊されたときに元ヤンキーの片鱗が見える。

ハチマキを装備すると暴走族時代に戻り超ハイテンション化する。



・オルクス (オルクス・プールード・オーガスタ)


聖靴騎士団所属、ヴァルナと同期のヒラ男騎士。

典型的な特権階級出身騎士で、ヴァルナを見るたび嫌味を浴びせてくる。

しかしそれは彼が惚れている女性セドナがヴァルナのことを好きだから。

対抗心を燃やしてはいるが実力では敵わず、セドナには好意に気付いて貰えない。



・セドナ (セドナ・スクーディア)


聖盾騎士団所属の女騎士。ヴァルナとは親友。

王国一の商家を親に持つ筋金入りの清純愛され箱入り娘。

ヴァルナともう一人の親友アストラエが大好きで、まるで妹のように甘える。

多才な人物なのだが、周囲が気を遣い過ぎて出番がもらえないのが悩み。

最近は他の友人たちと比べて心が子供な自分を変えたいと思っている。



・ヴァン (ヴァン・ド・ランツェー)


聖天騎士団所属、筆頭騎士の男竜騎士。

聖天騎士団随一の腕利きであり、団内での発言力も高い。

飄々としていて、それでいて何事もおおらかに受け入れる豪快な人物。

ヴァルナを自分の勢力に取り入れられないかと悪だくみをしたりする。



・クシュー (クシュー・ド・ヴェンデル)


聖靴騎士団所属、騎士団長の中年男性騎士。侯爵でもある。

王国最強である王国筆頭騎士として名を馳せ、富、名声、力を勝ち取って来た傑物。

公的な戦いは国内外で負け知らずで、海外でも一部の通の間では名が通っている。

……が、御前試合でヴァルナに二度も敗北して筆頭騎士の座は陥落。

一度目の敗北時はリベンジを誓っていたが、二度目が堪えたのか老け込んだ。



・ヴェンデル侯爵夫人&息子


クシューの奥方……なのだが、政略結婚だったらしく当人はクシューが嫌い。

特に威張った態度が気に入らず、最近は特に夫への当たりがキツイらしい。

御前試合ではとうとう息子共々ライバルである筈のヴァルナを応援しだした。

なお、息子は父を特別嫌ってはいないが、基本は母親の味方でヴァルナファン。



・瞬殺された騎士 (ログレス・ド・マーイーナ)


聖靴騎士団所属のベテラン騎士。御前試合に選抜されていた。

が、特になんの出番もなくヴァルナに瞬殺された可哀そうな人。



・ワルスキー (ワルスキー・セコダイスキー)


聖靴騎士団所属のベテラン騎士にして副団長。御前試合に選抜されていた。

セコダイスキー家は王家でも名の知れた軍門の家で、彼は当主。

ただ、この家は実力はあるのに剣の腕は毎度三、四位ぐらいをフラフラして決して一位になれないことで有名であり、凋落もしないが出世もしない。

現役最後の御前試合に挑んだものの、ヴァルナに瞬殺された。



・アストラエ (フルネームはとっても長い)


王国第二王子にして聖艇騎士団所属の騎士。

自他ともに認める才色兼備で茶目っ気たっぷりの天才王子。

ヴァルナ、セドナとは士官学校時代からの大親友。

特にヴァルナは終生のライバルとして切磋琢磨に励んでいる。

幼い頃は王家に生まれたことを疎む反抗的な子供だった。



・イクシオン (上に同じ)


王国第一王子にして次期国王を約束された男。

才能ではアストラエに一歩劣るものの、器量の大きさは誰もが認めている。

兄弟家族仲は良好で温厚なのだが、たまにアストラエ並のお茶目を披露する。

実はアイドルグループのプロデュースをしており、メンバーを探している。



・イヴァールト六世


現在の王国を統治する賢王。

王国の成長戦略、内政、外交、どれをとっても優秀で国民の支持も厚い。

アストラエ経由でヴァルナとは騎士になる前から面識がある。

実は恐妻家であり、妻のメヴィナ王妃には頭が上がらない。



・メヴィナ王妃


国王イヴァールト六世の妻にしてアストラエの母。

時に厳しく、時に優しくイヴァールト王と息子たちを支えてきた。

一時期反抗期のアストラエに手を焼かされ、関係が悪かった時期もある。

そのぎくしゃくした関係を解消するきっかけになったヴァルナには感謝している。



・ロッソ (ロッソ・プラット)


王国士官学校で教官を務める男。

数年前までヴァルナたちに散々手を焼かされた少々苦労人気質の人物。

貴族から賄賂を受け取るタイプではないが、長いものには巻かれたい。

なんだかんだ生徒の進路を真面目に考えてくれるので悪い人ではない。



・キャリバン


外対騎士団、偵察班所属の平民男騎士。

ヴァルナの後輩にあたる男で、ファミリヤ使い。さりげない優しさを持つ。

特別動物が好きでも嫌いでもなく、ファミリヤには友人のように自然体で接する。

その気質こそファミリヤ使いとしての適性だと彼のファミリヤ技術の師は言う。



・ベビオン


外対騎士団、工作班所属の平民男騎士。

ガタイがよくて明るく、正義心が強い。キャリバン、カルメとは同級生。

子供に弱く、何でも言う事を聞いてしまうし過剰に守ろうとする。

その様は友人にさえ引かれるが、これは過去に経験した悲しい出来事に起因する。



・カルメ


外対騎士団、遊撃班所属の平民男騎士。

薄眼で見れば女の子に見えるほど中性的で細身な、気の弱い少年。

剣の腕は大したことないが、弓の腕前は天才的。プレッシャーに弱いのが難点。

父親に育てられた父親っ子であり、ヴァルナの背中に父と同じものを見ている。



・スージー


料理班所属のタマエ料理長の弟子の一人。副料理長を務める女性。

どんな時でも快活に笑うポジティブ思考の持ち主。

王国護身蹴拳術の修業も料理の修業も潜り抜け、胆力も持ち合わせる。

そろそろ弟子として独立してもいい頃なので、将来の事を考え中。



・アキナ


外対騎士団、道具作成班の班長を務める女傑。大陸『ゴミの町』出身。

欲望に忠実で暴力的だが技術力と発想力は高い怪力の持ち主。

懐を温める金策のことばかりを考えているが、なんだかんだ班を纏めている。

後に出会ったブッセ少年の事が放っておけなくなり、面倒を見ることになる。



・ザトー


外対騎士団、道具作成班の副長を務める男騎士。

体格がよく顎が角ばった厳つい顔をしているが、デスクワーク派で実戦に弱い。

アキナ班長に振り回される常識人で、道具作成班のストッパー。

なお、度を超えた物理的石頭でオークの棍棒でも彼の頭は砕けない。



・トマ (トマス・アキマス)


外対騎士団、道具作成班所属の若い男騎士。実は名誉貴族(特権階級とは違う)。

いつも眠そうにしており、勤務時間の半分以上を寝て過ごす。

ただし寝ながら筆記、計算、図の作成が出来るある意味驚異の才能の持ち主。

実は画家の祖父からトマス・アキマスの名を襲名した画家でもある。



・トロイヤ、リベリヤ、オスマン


外対騎士団、道具作成班所属の赤毛三つ子騎士。

王国南方に住まうキジームという種族で、三頭身で顔と口調が緩い。

三人の切れ目なく延々と続く地獄の会話は、聞いている人の頭をおかしくする。

士官学校の入学試験で試験官が三人の顔の見分けをつけられず、本来落ちていた筈の二人諸共三人合格させたという伝説があるほど見分けがつかない。

なお、キジームは他種族に比べてかなり遊泳能力が高い。



・アル (アルマシー)


外対騎士団、遊撃班所属の男騎士。騎士団三馬鹿の一人。

騎士になったらモテると一念発起して騎士になったがモテない

苦戦するふりをしつつ相手を罠に誘導するのが抜群に上手い。

親友のベン、カツェルフランヌと一緒にふざけてばかりいる。



・ベン


外対騎士団、遊撃班所属の男騎士。騎士団三馬鹿の一人。

アルマシーとは昔からの友達で、やはりモテるために騎士になったがモテない。

目潰しや相手の気を逸らすのが芸術的なことに定評がある。

仕事の際には割と真面目に要点を押さえた指摘でアルをフォローする。



・カツェ (カツェルフランヌ・テュ・ポーン)


外対騎士団、遊撃班所属の男騎士。騎士団三馬鹿の一人。別名霊感先輩。

特権階級の生まれだが、強い霊感を家族に気味悪がられて家出する。

幽霊も呆れる馬鹿コンビのアルとベンに偶然絡まれ、流れで騎士になった。

二人の隣に自分の居場所を見出しており、馬鹿を演じている節がある。



・ンジャ (真名という別の名前も持つ)


外対騎士団、遊撃班所属に所属する壮齢の男騎士。大陸のディジャーヤという部族。

騎士団の教官的役割を担う、古強者然とした男。独特の難解な言い回しをする。

騎士団内でも指折りの実力者だが、古傷の影響でかなり体力が落ちている。

大陸に居た頃は『蛇咬』の二つ名を持つディジャーヤ最強の傭兵だった。



・セネガ (真名という別の名前も持つ)


外対騎士団所属で、班に所属しない副長の秘書的立場の女性騎士。

知的なメガネと美貌、そして口を開けば煽らずにはいられない難儀な性格の持ち主。

元特権階級だが性格が災いして外対騎士団に左遷され、家とも絶縁している。

仕事能力及び戦闘能力も高く、色仕掛けで情報収集したりもする。

ンジャを執拗に煽るが、これはンジャが育ての親であることから来る甘えの一種であり、ンジャも内心ではセネガの将来を案じている。



・士官学校を辞めた教官 (タナーゲル・ヒガミチョフ)


王国士官学校に所属していた男性教官。二か月だけヴァルナの教官でもあった。

まるでそれが当然の権利かのように、生意気だと感じた平民生徒を執拗にいびる。

が、ヴァルナに目をつけてから全てが上手く行かなくなり自滅を繰り返した。

最終的に訓練でヴァルナに完膚無きに叩きのめされ、教官の面子が潰れて辞職した。



・ヴァルナに滅茶苦茶迫って来た女性商人 (メロロン・フェロウ)


外対騎士団のスポンサーの一人である成熟した美人女性。

年下の若い男を侍らせるのが大好きで、未婚だが愛人が大勢いる。

ルガーがスポンサー交渉の為にヴァルナを生贄に捧げたことでスポンサーになる。

ヴァルナのことはかなりタイプだったらしく、本気で旦那にしようと迫った。



・リッキー


断崖の町クリフィアの村長を務める男性。

逞しい筋肉で仕事用のペンを折り過ぎて、特注ペンを使っている。

外対騎士団所属のガーモンとその弟ナギのことは幼い頃から知っている。

そのため、リッキーにとって二人は親戚の子のように近しい存在である。



・ナギ (ナギ・フレミング)


クリフィア自警団の団長を務める若い男。のちに自警団を辞めて冒険者になる。

槍の才能があり、周囲を纏める才能もある男。兄と極めて拗れた関係にあった。

のちにヴァルナのお陰で兄とは和解し、同時にヴァルナを超えるという目標を得る。

その後は大陸に渡って腕を磨き、今や兄を追い越さん勢いの成長を遂げている。



・チャップリン


外対騎士団、工作班所属の古参男性騎士。

地質や測量の確かな技術を持っており、作戦現場の地図や移動ルートを割り出す。

実は元は聖艇騎士団に憧れていた過去があり、今も海の話は好き。



・すごい馬鹿な自警団員 (ヨシード)


自警団所属の男。実力も頭も弱いので雑用係。

年上にはすぐに媚び、実力もないのに敵対者に強気な典型的チンピラ。

ヴァルナに嫌がらせしてあっさりやり返されたりと詰めも甘い。

余りにも馬鹿すぎて逆に愛嬌があるので自警団員との関係は悪くない。



・バウム


クリフィア唯一の酒場のマスターの、その娘。

八の字眉の気の弱そうな見た目と声だが、性格はむしろポジティブで積極的。

利発で言う時ははっきり言う。大人の目も騙すほど精巧な騙し絵を描く。

後にブッセと友達になり、再会の約束をした。



・マスター (クーヘン)


クリフィア唯一の酒場のマスター。

荒くれ者的な雰囲気の自警団も一目置く、道理を弁えた渋めの男。

性格はいたって常識的だが、一人娘のバウムにはかなり甘い模様。



・自警団三人組 (トロイト、カタパル、ロンゴ)


ナギに中てられて勢いで自警団に入った地元の若者たち。

入ったはいいが、実際にオークを見て震えあがってしまい、現実に気付く。

ロンゴは訛りの強い喋り方をするが、のんびりしてそうで一番よく物事を見ている。



・副団長 (イドーラ)


クリフィア自警団副団長。団の中では年長と若手の中間くらいの年齢。

団の中では一番の強面で、何かとナギの補佐をしている。

自警団の中では真面目で仕事が出来る方。というか他が頼りにならない。

ナギが自警団を辞めた後は彼が自警団のトップを継いだ。



・みゅんみゅん (本名はキャリバンと同族しか知らない)


稀少な水棲魔物、メスのヴィーラの幼体。キャリバンと使い魔契約を結んでいる。

ぬいぐるみのように可愛らしい小さな人魚のような姿をした魔物。

性格は無邪気な子供そのものだが、オークに襲われた経験からオークが嫌い。

在来種かつ特段人間に害を与える訳ではないため、討伐対象ではない。

クリフィアにて偶然保護し、以来騎士団のアイドルで癒しの存在となる。

契約はヴィーラ優位だが、これはみゅんみゅんが強い魔力を持っているから。

キャリバンとの仲は親公認。みゅんみゅんの名はヴァルナのつけた仇名。

騎士団ですくすく成長しながら、ヴィーラ一族の次なる安住の地を探す。

主人公の二倍は説明することがあるという稀有な存在。




・八百屋のおやっさん (ショーンズ)


クリフィアに農作物を運び込んで八百屋をしているおやっさん。

ステレオタイプの頑固者で、年季の入った商人。

故郷クリフィアの発展の為に利益の薄いクリフィアで商売をしている。

オークに商品を強奪され復讐の為に包丁を研ぐも、刃が血を吸うことは無かった。



・フィーレス


王立魔法研究院、治療部魔法治療科の若手研究医にして美人女性治癒師。

元は皇国出身だったが、女性蔑視の傾向がある皇国を嫌い王国に来た。

きつい物言いも多いが、怪我人の面倒見がよく根は優しいお姉さん気質。

バブみを感じるのに甘えてくる相手の尻を叩く気の強さも人気の一つ。

実は王国護身蹴拳術の達人で、ヴァルナを弟弟子として可愛がっている。



・アマル (アマルテア)


士官学校の生徒→のちに外対騎士団回収班所属となる平民女性騎士。

空気が読めない、物覚えが悪い、ドジ、楽天的と困った属性を揃えたおバカさん。

貧乏な家の出身で、家族を養うために必死に騎士になろうと本人なりに努力する。

ヴァルナに剣の手ほどきを受けて突き主体の剣術に目覚める。

ロザリンドとコーニアは同級生で、ロザリンドとは当初仲が悪かったが改善した。



・ロザリンド (ロザリンド・クロイツ・フォン・バウベルク)


士官学校の生徒→のちに外対騎士団遊撃班所属となる女性騎士。

王国に古くから仕える軍門にして大貴族、バウベルグ家の令嬢。

俗に言う天才であり何事にも熱が入らなかったが、御前試合でヴァルナの戦いを見て彼と剣の道に憧れ、騎士を目指すようになる。

礼儀正しく真面目な性格だが、自分基準で物事を考え過ぎるときがある。

アマルとはそりが合わず険悪にもなったが、今はロザリーという仇名を受け入れるほど仲がいい。それはそれとして、彼女の奔放さにやきもきはしている。



・ゲノン


王都で一番の腕と噂される鍛冶屋の老人。家族と弟子で工房を営む。

頑固者で、相手が騎士でも気に入らなければ剣を作らない昔気質の職人。

王家からは実績を買われ、新任騎士たちの剣の作成を任されている。

ヴァルナには口では若造と呼びつつも、剣士としての技量は誰より認めている。

高齢故に病を患っており、現役引退も視野に入れている。



・ノノカ教授の助手たち


王立魔法研究院、魔物学科に所属するノノカの助手たち。

ノノカが国家の急務たるオーク研究に勤しんでいるので出番が殆どない。

普段はノノカの書いたレポートを整理・分析したりして魔物研究に勤しんでいる。



・ファーブル


王国北方の寒村イスバーグの村長。

聡明で温厚な人物で、村で嫌われ者のブッセにもよくしていた。

ただし、彼に対して何か後ろめたいことを黙っているようだ。



・メラン


外対騎士団、遊撃班所属の男性騎士。

ヴァルナとはあまり年が離れておらず、そこそこ親しい間柄。

剣技以外のスポーツも嗜んでおり、騎士の中ではモテる方。

しかし、イスバーグ雪合戦でやられて以降目立つ出番のない悲しい男。



・ピッケルト


王国北方の寒村、イスバーグに住む若者。

遊雪部隊DDという名の雪遊び集団を率いているお調子者。都会への憧れが強い。

雪の中でも目立つショッキングピンクの帽子がDDの証。

村内で横行するとある差別については、詳しくはないものの快く思っていない。

ヴァルナとはなんだかんだで仲が良くなった。



・プロ


王立魔法研究院、ファミリヤ学教授のリンダとファミリヤ契約を結んだ狼。

上下関係に五月蠅く恐ろしい顔をした狼だが、中身は割と常識的。

危うくペロという名前を付けられそうになったのがトラウマらしい。

抜群の嗅覚を誇り、リンダ教授の意向で今はキャリバンの指示に従っている。



・リンダ (リンダ・コルテーゼ)


王立魔法研究院、ファミリヤ学教授の女性。ただし弟子は一人しかいない。

変人で有名で、種の垣根を超えた相互理解の為のファミリヤ研究をしている。

無表情で無口だが、非常に繊細な気分屋であり、動物より扱いが難しい。

仕事着は何故かゴシックドレス。動物にじゃれつかれてあちこち破れている。

絶望的に私服のセンスがダサく、キャリバンに服を買ってもらっている。

感情が昂ると急にマシンガントークになったり、アクセルとブレーキが極端。

どんな動物もうっとりさせる魔性のナデナデにはキャリバンも逆らえない。



・ブッセ


寒村イスバーグに住む少年→後に外対騎士団道具作成班に雇われる。

非常に純真で明るく、そして優しい少年。物作りの才能に優れる。

罠猟専門の猟師でもあるが、何故か村の人から差別を受けている。

両親は死亡し、唯一の身内だった祖父も亡くなり独り身。

地元でいい人になることで村に受け入れられようと努力していた。

アキナにやたら懐いているが、その純真さが彼女を惑わせているのを知らない。



・デビット


寒村イスバーグに住んでいたブッセの祖父。故人。

ブッセがまだ物心つかない頃にイスバーグ住民と何かの諍いを起こす。

以降、イスバーグの住民を毛嫌いし、最低限しか接点を持たなかったらしい。

ブッセに様々な技術を教えたが、村に歩み寄ろうとするブッセには否定的だった。

ブッセ曰く、その態度がアキナと少し似ているらしい。



・イスバーグ村の性格悪いおばさん (イライザ)


公然とブッセへ差別の言葉を放つイライラしてるおばさん。

が、逆にアキナに失礼な態度を取られたり煽られ倒す羽目に陥る。

特に差別の根幹に関わっている訳でもなく、ただ弱い者いじめしているだけ。



・ケベス


外対騎士団、工作班所属の男性騎士。

冗談ばかり言う明るい性格の持ち主。実は凄まじい忍耐力の持ち主。

孤児院出身で、同僚ネージュとは家族同然に育っている。

ネージュに好意を寄せていると公言しており、とても一途。

一途な余り、前に自分に惚れた貴族令嬢の告白を笑顔でばっさり断っている。



・ネージュ


外対騎士団、工作班所属の女性騎士。

真面目で厳しく突っ込み役に回りがち。ケベスとは同じ孤児院出身。

怒るとアキナ班長でさえ冷や汗を流す鋭い殺気を放つ。

特にケベスには厳しい言葉を浴びせがちで、告白される度に振っている。

しかし、一向に諦める気配がなく一途なケベスに内心少し惹かれている。

孤児院の院長曰く、貴族の血を引いているかもしれないらしい。



・フィーア


外対騎士団、回収班所属の女性。騎士団では珍しい既婚者。

気の抜けた柔らかい表情と反り立つ三本のアホ毛が特徴的。

強烈な剛運の持ち主であり、彼女のドジは逆に幸運を呼び込む。

ギャンブルをすれば負けなしだが、ギャンブルで稼いだお金は必要な分以外は自分で使わず寄付や募金で全て使い尽くすのをポリシーにしている。



・オカマヤガラ


ヴァルナの勝手な妄想で突如として生まれたクリーチャー。

ヤガラがオカマ化した存在であり、想像するだけで吐き気を催す。

言葉だけでイメージが伝染するので存在を抹消すべきもの。



・運命の女神


ヴァルナの夢に時折出現する女神。

王国では知名度は低いが、大陸では有名な女神信仰の対象。

何故かヴァルナと波長が合うらしく、夢で色々と話しかけてくるが干渉はしない。

性格は割と普通の感性を持つ女性であり、不当な扱いをすると抗議してくる。

しかし根は非常に慈愛に満ちており、ヴァルナの身を案じる数少ない存在。

曰く、偶には普通の人と普通に喋りたくてヴァルナに話しかけているらしい。

魔除けの木鈴で追い払われたりもしたが、今はヴァルナに受け入れられている。

ちなみに女神序列二階位。これは女神界でも数柱しかいない偉さだそうだ。



・偽ヴァルナ (モクサン)


ヴァルナを名乗りカリプソーの町で傍若無人に振舞った男。

大陸で活動する非合法の運び屋で、とある依頼で魔物を王国内に密輸入していた。

が、その魔物に殺されかけて本物のヴァルナに救われ、多少は改心した。

嘗て宗国出身で拳法を学んでいたが、修行の厳しさに耐え兼ね逃げ出している。

なお、取り調べでルルズのバニーズバーにて食い逃げをしていたことが発覚した。



・コルカ


カリプソーの町の酒場に務める女性→のちに外対騎士団料理班所属する。

花嫁修業の一環で、酒場のマスターに料理を習っている。スタイルがいい。

恋に生きる積極的な性格だが、自身のそばかすに密かなコンプレックスを抱く。

後にヴァルナに好意を抱き、タマエの弟子となり格闘家としての才能が目覚める。

が、これが良くない方向に作用し、結果的にヴァルナにはフラれてしまった。

今は新たな旦那候補を発見して長距離恋愛中である。



・コルカの務める酒場のマスター (エライジャ)


カリプソーで酒場の店主を務める中年男性。料理の腕にも定評がある。

コルカに自立した娘の面影を重ね、何かとアドバイスをしている。

コルカの恋を応援していたが、残念ながらその願いは叶わなかった。

ちなみに妻とは離婚しているが、理由はマスターが料理に五月蠅すぎたせいらしい。



・急に訛った衛兵 (ボーマン)


カリプソーの衛兵。衛兵の中ではそこそこ若い方。

弱きは助けるが強きには屈する根っからの小市民。

田舎の母をカリプソーに呼んで一緒に暮らすために今日も仕事に励む。

偽ヴァルナの悪評を耳にしつつも、権力で事件をもみ消されて左遷されるのを恐れて何もできなかった。尚、これは彼の同僚たちも同様である。



・ロックにナンパされて逃げた女性 (サージェ・オクトコル)


ロックにナンパで追い回されて迷惑な思いをした、都会の雰囲気漂う女性。

実は聖盾騎士団所属の騎士で任務の途中だった。

ロックの激しい妨害によって結局任務を果たせず終わる。

好みの男性は渋くて逞しい男らしいが、鼻が赤らんでるのは却下の模様。



・フロイーネ卿 (ローゼナン・フロイーネ)


カリプソーの町長にして伯爵。

ガーデニングが大の趣味で、貴族にしては珍しく土弄りを嗜む。

カリプソーを花の町にする都市計画を推し進めながら併せて養蜂を推奨し、蜂蜜を町の名物に押し上げた実績もある。

町の美しさは少しずつ評判を呼び観光客も増えているため、町人からの人気は高い。



・通行人の親子 (ドーヴァン(叔父)、ランズ(兄)、ヨーカ(妹))


カリプソーで養蜂を営む家族のうちの三名。

ドーヴァンはいい年こいてモテたく、ランズはハーレムに憧れている。

ヨーカは口では兄をたしなめつつも実際には兄と結婚したいと思っている。

この調子だと他の面子も拗れてそうな闇の深い一家である。



・ギアット


カリプソーの蜂蜜屋で働く男。以前コルカに告白してフラれた。

惚れっぽくふられっぽい男。口は大きいが肝っ玉はそうでもない。

本人なりに商売に誇りを持っており、それ故にミスした際の店長の怒りが怖い。



・料理班の乙女たち


タマエの弟子の乙女たち。年若く人並みに恋バナが好き。

嘗てヴァルナがタマエに拳法の修業に参加させられた際、風呂を覗かれるのではなく逆に覗きに行ったりしているノリの持ち主たち。

なお、覗きで垣間見たヴァルナの背中の美しさに鼻血を出した者もいるとか。

彼女たちは男の理想が高く、料理班と騎士が恋に落ちることは稀である。



・コロニス (コロニス・フォート・ラリアー)


嘗てヴァルナと同級生だった男性騎士。聖靴騎士団所属。

テニスの名手で、国内テニス大会で優勝の経験もある。

士官学校時代にトロフィーを壊され、犯人をヴァルナだと思い込んでテニス勝負を仕掛けるも、途中で付き合うのが馬鹿らしくなったヴァルナのラケットの投擲で撃沈する。

イシスという婚約者がいるが、彼女を愛している割に浮気癖が消えなかった。



・イシス (イシス・ジェランコリ)


嘗てヴァルナと同級生だった女性騎士。聖盾騎士団所属。

コロニスの婚約者だが、浮気癖の抜けないコロニスにきつく当たることもある。

コロニスのトロフィーを壊してヴァルナとコロニスのテニス決闘の切っ掛けを作るも、セドナの名推理と説得でヴァルナの無実を証明する。

最近は彼の手綱の握り方を覚えてきて、既に彼と結婚して姓も変わっている。



・アマルの家族


アマルが騎士を目指す理由である実家の家族たち。

普段怠惰で駄目人間な彼女も、家族の為なら困難に立ち向かえる。

両親との間に最初に生まれたのがアマルで、その下に弟四人、妹三人がいる。

今のところ言及されたのは次男で字が汚いジーニョと、末の弟で一番かわいがられているサンタナだけ。家族仲は非常に良好で、弟妹たちはみなアマルを慕っている。

なお、アマルが馬鹿でずぼらで怠け者であることもよく知っている。



・コーニア


士官学校の生徒→のちに外対騎士団道具作成班の所属となる平民男性騎士。

平民出身であることに強いコンプレックスを持ち、ヴァルナを尊敬する。

特権階級には特に負けず嫌いで対抗心を燃やすが、そのやる気がよく空回る。

なぜかアマルに気があるが、言い出せないむっつり男。



・ジュドー


王都で数少ない治癒師を務める女性。ロザリンドとは友人。

肉体は男だが心は乙女という業を背負ってこの世に降り立った堕天使を自称する。

筋骨隆々の身体とケバい化粧、そしてオカマ口調に気を取られがちだが、性格そのものは思慮深く優しい女性のそれで、善良な人物。

目の前で救えない命をなくそうと、治癒だけでなく医療技術も学んでいる。



・ゴート (ゴート・オクトヴィッチ・セコダイスキー)


士官候補生→のちに聖靴騎士団所属。ワルスキーの息子。

強きに媚び、弱きを苛める小物な性格だが、剣の実力は高い。

平民を金で買収したり教官に鼻薬を嗅がせたりと卑怯な手を平気で使う。

ロザリンドに気があるのだが、全く相手にされていない。

アマルに買収の金を渡した結果、ただ単に金をパクられただけで終わってしまうなど、とにかくアマルとは思考がかみ合わず損ばかりする。

ちなみにオクトヴィッチは母方の姓。



・シモーヌ


士官候補生→のちに初の聖靴騎士団所属の平民となる女性。

前髪で目が隠れており、陰気で内気気味な性格。

平民時代から周囲にいじめられていたが、のちにゴートに僕として買収される。

彼女にとってどんな形であれ他人から求められるのは初めてのことであり、むしろ今の境遇を喜んでゴートの期待に応える為に健気に毎日努力を続けている。



・ヨコヲヲ


士官候補生→のちに初の聖靴騎士団所属の平民となる男性。

肥満気味で、小狡く立ち回ることばかり考えている。

ゴートには手下をしておけば美味い汁が吸えるから従っている。

根本的には自分の保身を優先するので、彼に忠誠を誓っているとは言い難い。



・カミール


士官候補生→のちに初の聖靴騎士団所属の平民となる男性

やせ型のノッポで、誰かの腰ぎんちゃくをしていないと落ち着かない。

やんす口調でゴートに色々口答えもするが、結局は従ってしまう。

ゴートの子分三人の中では一番冷静に物事を見ているが、その意見は口にしても届かないことが多い。



・ヴァルナそっくりの男


騎士団員やロザリンドたちが偶然遭遇したヴァルナそっくりの男。

実力はどうやらヴァルナに匹敵する模様だが、何者かは不明。

後に彼の正体の条件に当てはまる人物の存在が仄めかされる。



・とうもろこし議長 (カルスト・レイズ・ヴェン・クリスタリア)


ヴァルナに内心でコーン(とうもろこし)に例えられた王国議長の男性。

実はヴァルナの同級生ネメシアの父。何事にも厳格な人物。

クリスタリア家は代々議長の役割を務めており、派閥より法の秩序を尊ぶ。

そのため議員たちの間では『法規の番人クリスタリア』の異名を持つほど。



・ジャガイモ議員 (シェパー・ウォルゼーボ)


ヴァルナに内心でジャガイモに例えられた王国議員の男性。

農産大臣という重要なポストに就いており、味に拘りのある肥満の大食漢。

基本的に出世欲に欠け、人当たりがよく議員の中でもかなりのマイペース。

見た目からは想像できないが、なかなかの現場叩き上げ。スミス議員とは同期。



・カブ議員 (スミス・ウェッソル)


ヴァルナに内心でカブに例えられた王国議員の男性。

実は王国の工業大臣で、王国各地を結ぶ道路計画にも関わっている。

シェパー議員とは若い頃からの同期で、何かと世話を焼かされた模様。

シェパーのマイペースさにイライラしつつ、ついアドバイスしてしまう。



・トマト議員 (マトーマ・ケチャプップ)


ヴァルナに内心でトマトに例えられた王国議員の男性。

実は年功序列で偉そうにしているだけで議員として何の実績もない。

聖靴派閥の勝ち馬に乗っただけで別に有能でも何でもない。

嫌味を言うわりに怒りの沸点が低く、直ぐに怒りで顔を赤くする。



・ピーマン議員 (ホーラルス・エルドラ)


ヴァルナに内心でピーマンに例えられた王国議員の男性。

議員になりたてで、見栄っ張りな割に議題への理解がスカスカな事が多い。

親はそれなりにやり手の議員だったようだが、その能力は受け継がれていない。



・トギシ


王国議会食堂の総料理長を務める男性。

タマエの弟子のひとりで、彼女の弟子の中でも最高の料理の腕と噂されている。

今でこそ弟子が女の子だらけのタマエだが、昔は男の弟子の方が多かった。



・タタラ


ゲノン工房の跡継ぎを自称する子供。ゲノンの孫に当たる。

ゲノンに憧れて堅苦しい喋り方をするが、その喋り方をすると脳の処理が追い付かなくなり会話がワンテンポずれるという奇怪な癖の持ち主。

まだ鍛冶屋として活動はしていないが、剣の本質を捉えるセンスがある。



・ロマニー (ロマ)


王宮メイド長を務める、女性に扮した男性。美男子であり美女。

双子の妹のノマが王宮でメイドをする事を知り、シスコンを拗らせた彼は心配する余り完璧な女装をしてメイド試験に挑み、本来男はなれないメイドとなった。

ノマに悪い気配が近づくと離れていてもすぐ察知する。

とにかく妹の為なら尋常ではない才能を発揮し、セバス執事長には男性と見抜かれつつも雇わないのは勿体ないと特別に見逃して貰っただけでなく、彼の直弟子として戦闘含む様々な技術を学んでいる。

完璧な仕事ぶりで王宮メイドの頂点に君臨し、容姿も含め男女問わず人気がある。

彼の秘密を知るのはセバス、ノマ、アストラエとヴァルナだけ。



・ノマ


王宮メイドを務める女性。ロマの双子の妹。

田舎から都会に出てバイトをしている頃に貴族の子弟に気に入られ、その後出会う男性たちにやたら可愛がられていつの間にか資金援助を受けて王宮メイドになる。

温和で健気、かつ都会の垢ぬけた感じがない純朴さがあり、当人もたまに相手を勘違いさせるタイプの優しさを発揮するため一部で熱烈な人気がある。そのためロマの心配もあながち外れてはいないのだが、本人は過保護だと思っている。

メイドとしてはまだ未熟であり一流になろうと努力しているが、ロマニーがいらぬ気を回し過ぎて口出ししてくるのを不満に思っている。

兄弟仲はややノマ優勢ながら基本的には良いが、仕事中はあくまで上司と部下。



・フロレンティーナ (フロレンティーナ・ド・モルガーニ)


皇国改革派、モルガーニ卿の娘にしてアストラエの婚約者。

親しい者にはフロルと呼ばれている。

絵に描いたような可憐な良家のご息女で、教養深く誰に対しても優しく接する。

嘗て幼いころ暗殺者に命を狙われたが、当時反抗期だったアストラエの彼女に対する執拗な嫌がらせが奇跡的に暗殺を全て防いだためにアストラエが助けてくれたと勘違いし、彼にベタ惚れしている。

少々夢見がちな姿こそが本当の彼女のようだ。

母国の父には敵が多いため気を許せる友人は少なく、付き人のアマンダとは親友に近い間柄。のちにヴァルナ、セドナとも友人になる。



・アマンダ


皇国出身、フロレンティーナの付き人。

フロレンティーナとは長い付き合いであり、彼女が弱音を吐ける数少ない相手。

アマンダもそんな苦労の多いフロレンティーナの支えになりたいと思っている。

公務能力は高いが、フロレンティーナの為に頑張り過ぎるきらいがある。

実は意外と大胆な下着を着ている。



・ミカエル・ド・モルガーニ


皇国改革派の中心人物であり、皇国の大貴族である男性。

フロレンティーナの父で、イヴァールト王とも親しい。

深い教養と見識の持ち主で、皇国の時代遅れな慣習を変えようと動いている。

だが、皇国内には彼を快く思わない者も多く、政敵もそれに比例する。

幼い頃から娘を含め身内に苦労をかけているのを気にしている。



・スパルバクス


大陸では有名な、任務成功率100%の暗殺者。その詳細は謎に包まれている。

非常に高度な虫のファミリヤ使いで、毒虫や危険な虫を用いて暗殺する。

が、フロレンティーナ暗殺失敗を機に闇社会から姿を消した。

噂によると、身寄りのない子供にファミリヤ技術を受け継がせたらしい。



・スパルバクス二世(自称)


スパルバクスの孫を名乗る、暗殺経験のない暗殺者。若い男性。

虫のファミリヤ技術や変装の腕など裏社会の人間として高い能力を持つ。

だが、スパルバクスに暗殺の方法までは教えてもらっていなかったらしい。

挙句、仕事中にノマに惚れて口説いたりと色々未熟な男。



・ジルベーサ (ジルベーサ・セント・マリーベル)


聖艇騎士団にて団長を務める男性騎士。アストラエの形式上の上司。

王国で最も海の世界を知る男であり、海賊相手でも常勝無敗。

ただし、部下という扱いのアストラエが王族であるため気苦労も多い。

半面、アストラエの能力を信頼しており、分隊指揮を執らせることもある。



・バナナ料理の屋台の主


王都で屋台をしている中年男性。

王国では余り馴染みのないバナナを使った珍しい料理を提供する。

ちなみにこのバナナは主食用の甘くないバナナである。

最初は売れ行きがイマイチだったが、アストラエがこの屋台で料理を買ったことを大々的に喧伝することで売り上げを伸ばしている。

思った事を隠してるようでいて、結局全部大声で言っちゃう。



・パドルシップ整備員たち (アドラー、マルク、モース)


王国の試作外輪船の整備を任された王国魔法研究院の男性技術者たち。

全員ライの後輩で、元は同じ暴走族の出身。但し彼らは族内では木端だった。

ライを大先輩と呼び、ヴァルナのことは大先輩の大先輩と呼ぶ。

アキナとブッセにエンジンルームの機密情報を盗まれかけた。



・ソウジョ


山村クーレタリアの村長むらおさ

頑固で厳格で目つきが非常に鋭いが、基本は礼儀を弁えた人物。

クーレタリアと王国の関係の在り方をよく理解しており、王に敬意を示す。

道通し(後述)に異常に厳しいが、実はその理由は自分が成人の儀を自力で全うできなかったことを隠している後ろめたさから来るもの。そのため必要以上に厳格であろうとして空回った結果が現在のソウジョである。



・ワダカン


クーレタリア伝統の武術パリットの師範を務める男性。

非常に温和だが、村の掟には厳しく不義は許せない性格。

責任感が強く、パリットを習得させられなかった弟子が村を事実上追い出されて道通しという仕事をさせられていることを悲しんでおり、自分の指導力に責任があると考えている節がある。

純情で真面目な人なため、時折天然ボケをかます。



・パズス


村長ソウジョの息子。父とは似ても似つかない、優しくてドジな男。

婚約者のターシャとは幼馴染で、非常に仲睦まじい関係。

しかしパリットを習得できず成人の儀に失敗し、二人の仲は親に裂かれてしまう。

それでも愛し合う二人は村の脱走を企て、何故かオーク騒動に巻き込まれる。

優しさゆえにターシャを守る為なら決して逃げない男気もあり、最終的にはそれを認められてまたターシャの婚約者に戻して貰えた。



・ターシャ


クーレタリアでも評判の美女。パズスと相思相愛の関係。

たおやかなしっかり者で、失敗したパズスによく叱咤激励を送る。

しかし、そんな世話の焼けるパズスが好きで、愛情をストレートに伝えておどおどするパズスをからかう悪戯っぽさもあり、パズスは彼女のそんなところにまた惹かれている。

意外と独占欲が強いのか、パズスに女性が近寄るのを快く思っていない節がある。

現在は村の掟を破った罰という建前で、パズスと共に外対騎士団本部で働いている。



・ターシャの母


クーレタリアに住む、ターシャの母親。小太りしている。

良くも悪くも典型的なクーレタリア民で、婚約破棄にショックを受けるターシャを心配しつつも、何故ターシャがそうまでショックを受けたのかは余り理解していなかった様子。

人並みに世間体を気にし、ターシャに早く結婚相手を選ばせようとする。



・メラリン・リーコン


王国内を巡る流浪のミュージシャンを自称する女性。

商家の娘だが定職に就いておらず、親のすねかじり状態なのを気にしている。

金髪の地毛に蒼のメッシュという(この世界では)かなり前衛的な髪染め。

声は可愛い系だが本人の理想は格好いい系というジレンマを抱える。

良くも悪くも感情に正直で怖いもの知らず。貴重な経験は曲の糧にしている。

後にイクシオンにスカウトされてアイドルバンドグループ『ミルキー☆ウェイ』に半ば強制的に入れさせられる。現在、グループの方向性と自分の音楽性の差についてイクシオンと話し合っているらしい。



・ドラテ


クーレタリアの住民で、数人いるパズスの兄の一人。

家族想いな優しい男で、既に婚約者がいる。

しかし、楽し気に歌うメラリンの都会の女性感に中てられて一目惚れしてしまう。

父ソウジョが道通しに異様に厳しいことに違和感を抱いている。

ちなみに後にメラリンは推し、婚約者は嫁と心の中で区切りをつけたらしい。



・道通したち


クーレタリアの成人の儀を失敗して村から居場所がなくなった男たち。

険しい山頂にあるクーレタリアと外の荷物のやりとりや、道案内で生計を立てる。

都会に憧れる反面、家族のいるクーレタリアから離れられず、さりとて村の中にも居場所はないという複雑な事情を抱える者が大半だが、村を嫌って外に出たものの上手く行かずに地元に戻って来た者もいる。

のちにオーク騒動で勇気を見せ、特別に成人として認められた。



・皮なめしの達人 (ラショーバ)


道通しの一人で、狩りや皮なめしの達人の男性。

偶然にも冬眠中のオークの群れを発見し、オークの皮が宴会芸に使えるかもしれないというそれだけの理由で数匹を殺害し皮なめしにした衝撃の人物。しかも殺害したオークの中にメスが混ざっており、一年後のオーク襲撃の遠因となった。

普段は特に変わったところのない男だが、ヴァルナは彼をサイコだと疑っている。当人はオークの血の海に佇んで道通しに笑顔で話しかけたヴァルナをサイコだと思っている。



・パズスたちの母 (アムリー)


パズスたちの母にしてソウジョの妻。

普段は夫に従う貞淑な妻だが、若かりし日は男勝りでパリットも修得していた。

ソウジョが高所恐怖症で成人の儀を全うできないことを知っており、どうしても儀式を全うしたい見栄っ張りな彼に頼まれて、まるで一人で儀式を終えた風に偽装して大人に報告した。

この時の借りからか、裏ではソウジョはアムリーに全く頭が上がらない。



・ネルトン


外対騎士団回収班の班長を務める年長の騎士。

ルガーとはほぼ同期で、最も付き合いの長い騎士の一人。

回収任務に関しては一切の妥協もおふざけも許さず、鬼のように厳しい。

オークの出血が多すぎると殺し方が下手だと叱られ、ヴァルナも頭が上がらなくなる遊撃班の天敵。



・サマルネス


外対騎士団遊撃班に所属する男性騎士。

平民騎士ながら多才で、覚えの良さからどんな仕事もも要領よくこなす。

剣術の腕は騎士団内でも高く、御前試合で良成績を収めるほど。

指揮する側としては平凡で、誰かに使われる方が得意という自覚がある。



・バネウス (バネウス・ネスツ)


聖天騎士団所属、ワイバーン管理係の男性騎士。

髪の毛がかなりチリチリのボサボサで、タレ目のマイペース男。

ワイバーンをこよなく愛しており、悪戯されても気にしない。

嘗てはワイバーンを駆る優秀な竜騎士だったが、慢心から来る事故のせいでパートナーワイバーンを結果的に死なせてしまい、それ以来出世を断ちずっと今の仕事を続けている。



・ネメシア (ネメシア・レイズ・ヴェン・クリスタリア)


王国屈指の名家クリスタリア家の令嬢にして、聖天騎士団の若き竜騎士。

士官学校時代はとにかくヴァルナに辛く当たっており彼には苦手意識を持たれていたが、実際にはネメシアも接するうちにヴァルナのひたむきに騎士を目指す姿勢に惹かれ始めていた。

とにかく根が真面目で素直なので、ツンデレかと思いきや本音を普通に口にしちゃう癖がある。また、名家の重責か、必要以上に自分の責任を重く感じて自分を追い詰めやすい。

何気にヴァルナに尤もかつ厳しい指摘が出来る貴重な人物。



・ミラマール


聖天騎士団管理の雌のワイバーン。ネメシアのパートナー。

若いワイバーンで好奇心旺盛。人懐っこく、特にネメシアによく懐いている。

原因不明の不調が原因で一時は殺処分の危機に瀕したが、原因の究明によってふたたびネメシアと共に空を飛べている。



・エカテリーナ


聖天騎士団管理の雌のワイバーン。ヴァンのパートナー。

ワイバーンの中でも相応に年長かつ優秀。

気位が高く、普段はヴァン以外に気を許すことはない。



・ヒュベリオ


ヴァルナの士官学校時代の同級生である平民男性。王立記録書庫の管理官の一人。

士官学校を卒業しながら騎士にはならず、特権階級の令嬢を口説いて逆玉結婚を成し遂げた。現在三級書官で、これは平民出身としてはかなりの出世。

ドライな性格で、ヴァルナと特別仲がいい訳ではないが、恩を売っておいて損はないと考えている。

ヴァルナも情報を漁る際は彼を利用しているのでどっちもどっち。



・サイラード (サイラード・ニジンスキー)


聖天騎士団所属の男性竜騎士。ヴァルナより一つ年上。

ラードン丘陵砦の砦長であるレインズに甘やかされて育った。

ガキ大将のように周囲を引っ張り、時に親の権力で勝手なことをする。

ヴァルナに自尊心を傷つけられて無茶な行動をした結果、大失態を冒す。

現在は過去を省みており、騎士として精進に励んでいる。



・アルハンブラ


聖天騎士団管理の雄のワイバーン。サイラードのパートナー。

サイラードの浅慮が原因で暴走し、危うく死にかける。

自分では暴走時のことを余り覚えておらず、今もサイラードに懐いている。



・レインズ・ニジンスキー


聖天騎士団所属、ラードン丘陵砦長の男性騎士。

一人息子のサイラードを甘やかした張本人。

事件が起きた後は己の甘やかしすぎと砦の運営意識の緩さを改める。



・リューナク (リューナク・ネルダ)


聖天騎士団所属の男性竜騎士。サイラードと同期。

話し上手の聞き上手で、いつも周囲に上手く合わせて動いている。

だが、実際にはいつも自分が責任を取らなくていいよう立ち回っているのが実情。

つまり、周囲にはそこそこいい人に見えるが、実際には他人に興味がない。

パートナー竜は雄のタージマハル。



・プラナ (プラナ・コムパッタ)


聖天騎士団所属の女性竜騎士。サイラードと同期で子供の頃からの付き合い。

ほどよく真面目でほどよく周囲に合わせる、いたって普通な性格

しかしヴァルナの厳しい言葉で自分の気の緩みや覚悟の薄さを自覚する。

以降、そこはかとなくヴァルナのファンとなる。

パートナー竜は雄のシンベル。

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