第1話 管理者研修
ノルディスの案内で洞窟を歩きながら俺は彼女から管理者について説明を受けていた。
「管理者はそれぞれ1つの特性と1つの権能持っている。特性はお前だと【人】にあたるものだ。これは後で説明する。次は権能。これは主に戦闘、支援、平常の三種類に分けられる。とりあえずまずは自分の権能を確認することだ。オルタル、自分はなにができるかと考えてみろ」
言われた通りにするとパッと脳裏に情報が現れるように思い浮かぶ。
【
1、常に適用。【人】の特性を持つモンスターの能力を上昇。この能力は自身が統べる全てのモンスターに影響する。
2、モンスターとパスを繋ぎ、繋がれたモンスターは能力が上昇する。
この能力は管理者の力量に比例し成長する。
これが権能か…?
俺は内容をノルディスに伝えると彼女は顎に手を当て少し考えるそぶりを見せた。
「かなり強力な権能だが2つ目のパスとはいったい…?まず2つ目があるなんて聞いたこともないぞ…?」
なにやらブツブツ言っているがそんなに弱いスキルだったのだろうか…?
「まさかハズレだったりするか?」
そういうと彼女はだいぶ考え込んでいたらしく、俺の声で我に返ったようにし口を開いた。
「ああ、すまない、少し考え込んでいた。権能は支援系の中で…いや、全ての権能の中でもかなり強力な部類だろう」
「そうなのか?ちなみにノルディスはどんな権能なんだ?」
「私か?私の権能は【
「シンプルな分汎用性も高いし、強力だな…」
「ふっ、こう言ってはあれだが私は結構強いのだぞ?」
…なんというか動作1つ1つに強者の凄みというか簡単に言うとカッコ良さを感じる。
そこからはノルディスが今までの経験を交えながらの戦術談義をしながら洞窟を進んでいった。
「おっと、そろそろだな」
曲がり角を曲がると外の明かりが見えてくる。
話し始めて大体30分ほどだろうか、長く続いた洞窟を抜けるとそこには草原が広がっていた。
「さぁ、ここがお前が管理する箱庭だ」
「ここがって言われてもなぁ…なにもないぞ?」
辺りを見回しても木の一本も生えていない。本当になにもない草原だ。
「ふふっ、まぁそうだろうな。これからお前が造っていくのだからな」
「造る…?俺が?」
「まぁ、実践あるのみだ。復唱しろ。《創造》」
「《創造》」
そう唱えると目の前に一冊の本が現れた。ノルディスの方を見ると彼女の手元にも同じような…俺のより分厚い本を持っていた。
手にとって開いてみると森や池さらには山などがリスト化されて映されていた。
「それは管理者の書といってな。その中のものから自分の好きなものを創造して自分の箱庭を発展させていく。管理者の大事な仕事の1つだろう」
「これの中からならいくらでも造れるのか?」
「いいや、リストの下側に数字が記されてるだろう?その数字…創造力クリエイトポイントを消費して造る。
…試しに1つ造ってみようか。造るのはダンジョン。これがなければこれから先創造力が稼げない」
俺は言われた通りにダンジョンを選択し購入すると、先程通ってきた洞窟の入り口が一瞬歪んだ気がした。まさか…?
「そう、お前の考えている通り、先程の洞窟がダンジョンだ。今買ったのは製品版みたいなものだ。ダンジョンに生まれるモンスターを殺すことで創造力を稼ぐことができる。他にも色々手に入るからモンスターを召喚したら攻略していくといい」
ちなみに進めば進むほど出現するモンスターも強くなっていくからモンスターを育てるのにももってこいな場所でもあるらしい。
「召喚っていうのは?」
「さっきも言ったがモンスターを召喚する。他にもモンスターを手に入れる方法はあるが召喚以外は滅多に使わない…フッ、早くやりたいと言った顔だな。では早速やるとしよう」
始めてのモンスター…どんなモンスターが相棒になるんだろうか…?
まだ見ぬモンスターに俺は子供のような高揚感が抑えられなくなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます