第53話 師弟対決再び
葉留の禍々しい姿にルナは自分が止めるしかないと思った。
「桜!先程の言葉を覚えてる?私が危うくなった時はすぐに逃げなさい」
桜が答える前に葉留はルナに向かってきた。
「さあ来い葉留!私があなたを止めて見せる!」
両者ともアタックスタンスを使い力と力のぶつかり合いから始まる。
が、ルナが押されている。
葉留の飲んだ薬は一種のドーピング薬で身体の限界を超える力がつく。さらにスキル回数制限リセット、スキル効果上昇を得る。
「くっ……こんな薬の力に私は屈しない」
ルナは1度下がりスキルを使う。
「言っておくけど私は戦士レベル3ソーンよ!スキル!オーバーパワー!」
オーバーパワー、現在の自分の身体が耐えれる限界まで力を上げる。アタックスタンスの上位スキル。
「レベル3でも俺の方が強い!クイックスタンス」
ルナもクイックスタンスを使い両者は見えない速さで攻撃をし始める。
何分もの間金属の音が戦場に鳴り響く。
するとルナの攻撃に葉留が一瞬よろけた。そこを見逃さなかったルナはさらにスキルを使う。
「スキル、フレアソード」
フレアソード、剣に一時的に炎を纏わせる技。
炎の剣でルナは葉留を切った。が当たったのは葉留の剣だった。
「そう簡単には終わりませんよ!」
葉留は体制を整えスキルを使う。それはルナも聞いたことの無いスキルだった。
「スキル、シャドウソード」
葉留の剣はみるみるうちに黒く染まっていく。
再び剣でのぶつかり合いが始まる。
先程と違うのは炎を帯びた剣と黒く染まった剣のぶつかり合い。互角の勝負でありどちらかの体力が切れた時点で負けが決定するシンプルな戦い。
2人はだいぶ息が切れてきていた。
だが攻撃をやめようとはしない2人に桜は何か私に出来ることはないか考えていた。
2人の戦いを見ていたグライスト国王が葉留に向かい叫んだ。
「葉留よ!いつまで遊んでおる!奴はだいぶ疲れておる!一気に殺せ!」
「承知しました!」
ルナの体力は底をつきはじめているが葉留はまだ余裕がある。
葉留は一気に決着をつけるため持てるスキルを全て使い襲いかかってきた。
桜はルナを助けようと思ったがスキル迅速は回数制限で使えず間に合わない。
膝をつき息切れで立てないルナは死を覚悟した。
(短い人生だったが弟子に殺されるのは……まあ悪くないわね)
葉留は正面からルナに向かい剣を振り下ろした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます