伝説‥60話〜事情聴取と審議‥④
ここはオパール城の謁見の間。シュウはシェルズ城から脱出した後、何があったのかを話していた。
「……その後、ダルナド達と城を抜け出し、アクアメノスの街で宿をとり休む事にしました。そこで……。」
シュウはアクアメノスでアイネがダルナドを拐おうとしそれをクレイとマリリンが阻止し捉え、そして、シュウがアイネを説得すると自分達の協力をしてくれる事になり、その後アイネがグラティスの妻でありダルナドの母親の居場所を知っていると言われ、何もなければ自分はグラティスとアイネと共に救出に赴くはずだった事。
その後その話をしているとダリオスとその配下の者達がアイネの口封じと自分達を殺しにくるが、クレイがダリオスを倒し捕らえた事を話した。
「うむ。なるほど。シュウ達が狙われたわけは、恐らく自分達がしようとしている事が露見する事を恐れての事だろう。それと今の話には出てはいなかったが。クレイ、ダリオスが話した事をここで話してくれぬか。」
「はい。ダリオスは、『異世界の者はいくらでも替えが効く。始末してしまえば次の召喚が直ぐに出来る。召喚魔導師さえいればな。』と言っていました。」
「ふむ。やはり奴らは再び何かを企んでいるようだな。それも今度は異世界の者を召喚し、いったい何をしようとしているのだ。その事と先程のエイリスが監禁されている事と関係あるのだろうが。」
「陛下。気になる事があるのですが。シュウ達を殺す為、刺客を送るのは分かりますが。何故ダルナドを何度も拐おうとするのでしょう?」
「グラティス。その事についてはこの前も話したとは思うが。ダルナドの学園での魔法学の成績は、優秀な見習い魔導師10人の中に入る。そして、魔法学についてのレポートを見せてもらったのだが、よく調べまとめ上げているほどだ。恐らくその為狙われたのかもしれぬな。」
「ですが、ダルナド以外でも優秀な者はいるはず。なのに何故なのですか?」
「確かに他にも優秀な者はいるだろうが。何故ダルナドなのか。すまぬが今の所はここまでしか分らぬ。グラティス、この事についてはトパーズの街の事と並行に大至急調べさせる。」
「分かりました……。」
そう言うとグラティスは軽く頭を下げた。
「では、次にリュウキに聞きたい事がある。召喚の件はだいたい分かった。そして、お前達を狙い殺させようとした事はこの場で謝罪したいと思っている。すまない。」
そう言うとロウディは頭を下げ少し間をおき話し出した。
「では次に、学園の時計塔での経緯を話して欲しいのだが。」
「もったいなきお言葉。その件に関しては、目が覚めた後、クロノアとミクに聞いたので、ある程度の事は理解したので大丈夫です。時計塔の一件ですが……。」
リュウキは時計塔で何があったのかを話し出した。
リュウキはベルクスの雷の攻撃で両腕を酷使しながらも、ベルクスのいる時計塔に向かいトリックスターから忍者に職業をチェンジし戦っていたが、手の痛みもあり手っ取り早い方法でと思い龍の巻物を使い変身した事。
そして、龍に変身したはいいが思っていたよりも、力を制御する事が難しく操るのが困難だった事。
その後シュウが助けにきてくれたお陰で力のコントロールの仕方が分かり操る事ができるようになり、元の姿に戻る事ができた事を話した。
「……そういえば、ベルクスはあの後どうなったんですか?」
「リュウキ。あの後からベルクスは姿を隠しているらしく探してもみつからん。現在も捜索中なのだがな。うむ。ベルクスの件は申し訳ないと思っているが、時計塔と学園の寮を壊した事には変わりない。よって、壊したリュウキとクロノア2人には時計塔と学園の寮の修理をしてもらう。」
「そうなんですね。分かりました。やらせていただきます。」
そう言いリュウキは頷いた。その後クロノアも頷いた。
「それと異世界の者を召喚した見習い召喚魔導師達にも罰を与える。その罰とはリュウキとクロノアと共に修理をするように。……以上だ。」
「……あのぉ今まで話を聞いていて気になる事があるんですが。ある程度はミクやナルザスさんから聞いてはいるけど。そのシェルズ城の事とシュウ達を召喚した人達の事とか。」
「クロノア。では、その事について今から話した方が良さそうだな。」
そしてロウディはシェルズ城の事とシェルズ城の者の事を話し出した。
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