伝説‥51話〜不安と救援と手当てと
ここはアクアメノスの宿屋。クレイ・ディオンはマリリンを心配そうに見ていた。
ダルナド達は、アイネと話をしていた。
辺りは暗くなりかけ微かに月明かりがさして来ていた。
すると、クレイ達の目の前にグラディスとナルザスとミクが現れた。
クレイはグラディスを見ると、
「グラディスさん。なんやなんかあったんか?それにこの2人は誰やねん?」
「ああ、オパール魔導師学園で大変な事が起きている。それで、クレイに来て欲しいとクロノアに言われて来たのだが。」
「……って!?ヘッ?グラディスさん……今何て言うた?俺の耳がおかしいんか?確かクロノアって言うたよな?まさか、クロノア・ノギアちゃうよな!?」
クレイは驚き顔を引きつらせ退けぞった。
「ああ、そうだが。何故そこまで驚くんだ?知り合いなのだろう?」
「ああ、知り合いちゃ知り合いやけど……まさか、アイツもここに召喚されとるなんて思わんかったからな。」
「それでなのだが、ここに誰かが居ないと不味いと思い、ナルザス様とミクとでここの監視をし、クレイは俺とオパール魔導師学園に来て欲しいのだが?」
「それは構わんけど。でもさっき、シュウがそっちに行ったで。それでも俺に来いっちゅう事なんか……その魔導師学園で何があったんや?」
グラディスはクレイに魔導師学園で今起きている事を話した。
「……は?なんやそれ!?ま、まさか、リュウキもこの世界に召喚されとって、龍に変身し制御出来んようになった上に、両腕に怪我しとるって事なんか……アイツがか?信じられへんなぁ。ちゅう事は、よっぽど追い詰められたか、そいつに勝つにはその方法しかなかったって事なんやろ。」
「ほう。今の話を聞く限りだと、かなり信頼されているようだな。今のあの状況下でも、ミクもクロノアもシュウもお前も、リュウキを悪くいう者はいないとはな。」
「ん?そういうたら、忘れとったけど。アンタがナルザスさんか?んで、お前がミク……ん?モフぐるみを着たミク?確か、リュウキが最近可愛い子とフレになったって喜んで、俺に話しとった子か?」
「多分そうなのら。あっ、そうだ!思い出したのら。赤い髪で筋肉質の良く喋るフレがいるって言ってたのら。」
「……て、リュウキから見た俺のイメージってそんな感じなんや……。」
「話している所悪いんだが、そろそろ行かないとシュウだけで何とか持ち堪えられれば良いのだが。」
「ああ、確かにシュウだけやったら、この状況を打開出来るか不安やなぁ。ましてや、あのリュウキが暴走しかかっとるんやったら急がなあかんやろな。」
「あっ、えっとなのら。リュウキとシュウは大丈夫だよね?」
「大丈夫って言いたいとこやけど、行ってみて確認せんと分からんな。まぁ、シュウとリュウキにタイマンで勝った事ないけど、2人の癖を知っとる俺がサポートせなあかんやろ。」
そして、グラディスとクレイはクロノアが待つ、オパール魔導師学園の時計塔付近にテレポートで飛んだ。
ミクは不安な表情でクレイとグラディスを見送っていたが、マリリンの事が気になり側に行くと、怪我の具合をみた。
「マリリンの怪我の方は大した事はないみたいなのら。問題は、傷から入った薬が効き過ぎて、眠りが深くなっているのら。」
ナルザスはその様子を見ていて、気になり側に近づいてきた。
「なるほどな。ミク、なかなか手際が良いな。あっちの世界では、こういう仕事をしていたのか?」
「ん?私は学生だけど、看護学校に通いながら、病院で働いているのら。だから、ある程度の応急処置なら分かるのら。」
「看護学校とは、あっちの世界にはそのような学校が存在するのだな。それに病院とは何なんだ?」
「こっちには無いのら?病院とは、病気や怪我などを治療したり治したりする所なのら。」
そして、ミクは自分の世界の事を話しナルザスは興味深くその話を聞いていたのだった…。
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