伝説‥26話〜狙いは…⁉︎

 ここはアクアメノスの宿屋…シュウ達は敵の動きに警戒をしながらその気配に気づいていないふりをしていた…。


 すると、敵の一人の気配が消えたその瞬間、シュウの目の前に、突如男が現れ、剣がシュウの左胸を突き刺した。


 しかし……左胸を突き刺した筈のその剣は、シュウが硬化のスキルを使っていた為に、刃が破壊され粉々になった。


「ま、まさか剣が…⁉︎」


 シュウは、すかさずその男の右腕を左手で掴み睨みつけ気を飛ばした。


「…嘘だろ?…この程度で…。」


 その男は動けなくなり、シュウは掴んでいた腕を離すと、床にバタンと倒れた。


「…失神するなんてな…んー…ん?…そういえば…後3人の気配が消えてるな……ま、まさか⁉︎」


「シュウ…そのまさかで正解やろなぁ…本命はマリリン達って事やなぁ…俺達は…足止めされてたっちゅう事かぁ…クソッ…。」


「クレイ⁉︎…このままでは…マリリン達が危ない…んー…そう簡単にはやられないとは思うが…3人相手だとな…。」


「ああ…そやな…んで、どうすんねんこいつ?」


 そう言われシュウは考えた後、


「んー…クレイ…俺が行かないでも…大丈夫だろう…。」


「そやな…ほな、シュウ…ここは任せたで‼︎」


「ああ…分かった‼︎」


 そう言うとクレイは急ぎマリリン達を追いかけた。


 シュウはそれを確認すると失神している男に持っていた鎖のついた鉄の手錠をかけ両足を鎖で縛り固定し壁まで運んだ。


「ふぅ…それにしても…この世界の奴らは…この程度の強さなのか?…んー…まぁ…死なせずに済んだだけ良かったけどな…。」


 そう言うとシュウはその男の側で座り込み胡座をかき起きるまで待つ事にした…。



 一方マリリン達は宿屋の外に避難したが、3人の男達に襲われていた…。


 グラディスはアイネを、マリリンはダルナド達を守りながら戦っていた。


「ちょ、ちょっと…クレイとシュウは何やってるのよ⁉︎」


 そう言っているとその男の1人が杖を掲げ、


 《ロック オブ フレイム‼︎》


 と呪文を唱えると炎を纏った岩がマリリンとダルナド達目掛け無数に降り注いだ。


 マリリンはそれを見て、


「これは……あー…もう‼︎…たく…仕方ないわね…。」


 そう言うとすかさず両手を上に翳し右手の人差し指で術式を描き、


 《カバー ウィズ アイアン ウォール‼︎》


 と呪文を唱えると鉄の壁がマリリン達を覆い無数に降り注ぐ炎の岩を防いだ。


「ダルナド、ユリニャ、ゲルドフ…大丈夫?」


「うん…にゃんとか大丈夫みたい…マリリンさんありがとう…。」


「僕も…大丈夫…ごめんなさい…何も出来なくて…。」


 そう言うとダルナドは何も出来ずに落ち込んでいた。


「マリリンさん…何か手伝える事ないかな…やっぱりな…守られているだけだと申し訳ないしな…。」


「ゲルドフ…ありがとう…でも…何とか今のところ大丈夫そうだから…心配しないで大丈夫だよ…。」


 そう言っていると、2人の男がマリリン達の両側に立ち襲いかかってきた…。

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