伝説‥18話〜その女‥アイネ・セルピナ…⁉︎
シュウは緑のローブの女を見張りながらクレイ達が戻って来るのを待っていた。
しばらくして、シュウは緑のローブの女が目を覚ました事に気がつき側に近寄り、
「目が覚めたようだな…。」
「…何故私を殺さない?」
「はあ?…こ、殺すって…何故俺が…お前を殺さなきゃならない?…まぁ…それよりも…お前に聞きたい事がある…。」
「…聞きたい事?」
「ああ…お前らは何故ダルナドを拉致しようとした?」
「それは…私にも目的は分からない…ただ、あの方の指示どうり行動を起こしたまでなので…。」
「お前が言う…あの方って…もしかして、ジルベイムの事か?」
「そ、それは…いや…何故分かった?」
「あー…いやな…俺たちはジルベイムの所から逃げて来た…だから、そうなんじゃないかと思ってな…。」
「なるほど…そうでしたか…ですが…私はダルナドを拉致する事が出来ず…殺される事もなく…どうしたらいいのか…。」
「んー…そうだな…そういえば…名前聞いてなかったな…俺はシュウ・ライオルス…お前の名は?」
そう言うと緑のローブの女は少し不思議そうに、
「はぁ…名前ですか…まぁ…名乗るのも礼儀ですね…私の名前は…アイネ・セルピナと申します…。」
「アイネか…でも、さっきから…話してるが…お前、悪い奴にはどうしても見えないんだよな…。」
「そうですね…ですが…私は、ジルベイム様の配下である以上は…裏切る事は出来ません…。」
「なるほど…真面目なんだな…だが、今更戻れないんじゃないのか?」
「確かに…そうですね…失敗してしまいましたし…今更戻れないのも事実ですし…。」
「それなら…別に…ジルベイムに肩入れする事はないと思うんだけどな…。」
「んー…そうなのでしょうけど…はぁ…どうしたら良いのでしょうか?」
「はあ?…な、何故俺に聞く…でも、そうだな…ジルベイムをこの際裏切ればいいんじゃないのか?」
「ジルベイム様を…私が裏切る?…はぁ…しかし…そんな事をして…大丈夫でしょうか?」
「多分、大丈夫じゃないだろうな…だが、俺たちと一緒に行動をしていれば守る事は出来るとは思う…。」
そう言うとアイネは少し考えた後頷き、
「そうですね…貴方の実力は分かりませんが…お仲間の方は…かなり強いみたいですので…その方が良さそうですね…。」
そう言われシュウは苦笑した。
「あ、あの時は…実を言うと俺は眠ってなかったんだ…気を伺おうと思って寝たふりしてたら…仲間が来てなぁ…ははは…。」
「はぁ…そうなのですか…では、貴方の実力がどれほどのものか見てみたいのですが?」
「俺の実力?…そうだな…構わないが…ここでは狭いしな…どうする?」
そう話しているといつのまにか、クレイ達が戻って来ていた。
「シュウ…お前の実力をその女に見せるちゅう訳やな?…そりゃおもろいなぁ…そやけど、逃げへん保証はどこにもあれへんしな…そうなるとやなぁ…俺らが、監視しながらの方がええんちゃうかぁ…。」
「クレイ…聞いてたのか…なら話は早いな…そうしてくれると助かる…。」
「ふぅーん…シュウとその女とねぇ…まぁ…あっさり決まるとは思うけど…油断さえしなければね…。」
「…そうなると…場所だよな…。」
「それならば…いい場所がある…。」
「グラディス…じゃ、案内してくれるか?」
そう言うとグラディスは頷き、シュウ達はその場所に向かったのだった…。
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