第298話 巨乳体術道場

「クレア、ちょっと良いか」


 父さんの助手をしてもらうためにクレアの元へ訪れると、立ち上がったクレアが、会話する距離どころか、身体が触れ合うのではないかという距離まで近付いてきた。


「ヘンリー様っ! 何だか、お久しぶりな気がしますね。どんな御用でしょうか? もしかして、そろそろ妻として夜の……」

「く、クレア? ど、どうしたんだ!?」

「だって、ヘンリー様がちょっとお酒を買いに行ってくると言ったっきり、中々私を連れて行って下さらないものですから」


 んー、ドワーフの国から戻ってきてからクレアはエリザベスの交易チームに入ってもらっていたが、そろそろ別の任務に代えて欲しいから俺を篭絡しようとしている……って事か?

 だが俺は、ジェーンやドロシーの大きな胸を触りまくってきたからな。

 Cランクのクレアの胸で篭絡される程、今の俺は甘くないぜっ!

 とはいえ、交易も重要な任務ではあるのだが、クレアは俺と同じく前線希望だという事は分かった。

 本人の希望を無視した任務を与えても、モチベーションが上がらないし、出来るだけ叶えてあげる事にしよう。


「よし、分かった!」

「え!? わ、分かってくださったのですか!? では、ヘンリー様。まだ営むには日が高いですが、私は何時でも構いませんので、早速……」

「そうだな。早速新しい任務に就いてもらおう」

「……はい? へ、ヘンリー様!?」

「今、父さんに海中で呼吸をするためのマジックアイテムの開発を依頼してきたんだ。このマジックアイテムが完成次第、俺は出発する予定だが、それにクレアも同行してもらおう。どうだ?」

「えっと、それは構いませんし、ヘンリー様にお供出来るのは嬉しいのですが、その……営みは……」

「じゃあ、そういう事で! 父さんに話はしてあるから、後は任せたぞ!」

「へ、ヘンリー様!? ヘンリー様ぁぁぁっ!」


 クレアが物凄く悲しそうに俺の名前を呼ぶけれど、俺たちがハザーラー帝国へ行っていたのは、ほんの数日なんだけどな。

 そんな、何か月ぶり……みたいなリアクションは大袈裟だと思うのだが。

 一先ず、父さんとクレアのマジックアイテム開発待ちとなってしまったので、領主らしく村の様子を見て回る事にしてみた。


「とりゃーっ!」

「はっ!」


 屋敷の裏庭の一角で、黄色い掛け声が響き渡る。

 何だろうと思って見に行ってみると、ドロシーとプリシラが二人掛かりでジェーンに挑んでいた。

 うむ。ちゃんと指示した通り、巨乳剣術道場改め巨乳体術道場でしっかり鍛えてもらっているらしい。

 だが、まだまだだな。

 ジェーンはもちろん、巨乳剣術の免許皆伝となったニーナの動きには程遠く、一歩踏み込む度にドロシーとプリシラの大きな胸がプルンプルンと激しく揺れる。

 ……そうだ。ドロシーは気配を読む訓練もしていたよな。

 ジェーンと向き合って、動き方を指導されているドロシーの背後に回り込むと、


「――ッ! こ、この胸の触り方は……師匠っ!? やっぱり師匠ッス! 何だか久しぶりッス!」

「ヘンリー隊長。いきなりドロシーの胸だけを触るのはどうかと思うのです。それに、ドロシーもヘンリー隊長に抱きつくのはダメなのです!」

「あ、そっか。今、汗だくだもんね。師匠、ごめんなさいッス」


 いや、汗だく巨乳美少女の抱擁はご褒美でしかないから、全然オーケーだ!

 そう返そうと思ったけど、プリシラのジト目と、真顔のジェーンが何か言いたげだったので、止めておいた。

 プリシラはこれ以上好感度を下げるのはマズいし、ジェーンは夜におっぱいを触らせて欲しい……って、最近は幼女に囲まれているせいか、ジェーンが来てくれないのが辛いのだが。


「巨乳――こほん。身体捌きはどうだ? 二人とも上達したか?」

「主様。二人とも初期よりは上達しておりますが、今のところはドロシーさんがやや苦手としているのかと」

「意外だな。ドロシーは修行好きなのに」


 ドロシーがあまり上達していないという事なので、それを理由に俺とマンツーマンでの個別特訓を提案しようとした所で、思わぬ話が出てきた。


「そ、その……実は、最近胸が少し大きくなってきたッス。それで、ちょっと動き辛くなったッス」

「なっ……ドロシー、貴方まだ大きくなるのです!?」

「けど、ジェーン先生には未だ叶わないッス」


 ドロシーの胸が大きくなってきた……って、もしかして俺が揉みまくったからか!?

 既にジェーンと同じFランクおっぱいなのに、それを超えてニーナのGランクおっぱいに並ぶのか!?


「あ、あの、師匠? な……何をしているッス!?」

「え? えっと……今もドロシーの胸が大きくなっているという話だから、今との差異を比べる為に、今の大きさと形をしっかり覚えておこうと思ってな。も、もちろん特訓の為に!」

「特訓の為なら仕方ないッス! ど、どうぞッス!」


 胸が大きくなっていると聞いて、気付けば勝手に手が伸びてしまっていたので、強引な言い訳をしたらドロシーが自ら胸を差し出してくれた。

 ……ただ、ジェーンとプリシラの目が怖いけど。

 なので、ドロシーの胸を数回揉みしだき、用事を思い出したので……と、ダッシュで逃げる事にした。

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