第108話

 門を潜ると、そこにはとても広く長い通路があった。


 天井は高く、軽く十メートルは超えるだろう。

 横幅でも二十メートルはあるだろうか。

 通路の両側には等間隔で円柱状の柱があり、奥にはとても大きな扉があった。


「――さて、と。『魔眼:魔力感知』」


 柱の影や天井付近を飛んでいるもの、奥の門の目の前に陣取るもの、総数10体が確認出来た。

 まず、レンは一番近くにいた二体の元に向かう。

 それを感知したのか、一体がレンに向かって突っ込んできた。


「『アイスステップ』」


 レンは自分を中心に足元を氷に変える。

 すると突っ込んできた魔人は足を取られ、バランスを崩した状態でレンの目の前まで滑って来る。


「――ふっ!」


 レンはそのまま魔人の首を落とした。


 それに焦ったのか、もう一体の魔人も突っ込んできた。

 そいつは空を飛んでいたので、足元の氷に引っかかることはなかった。


『死ねぇっ!』


 しかし、空中から一直線に突っ込んでくるというのは以外にも隙が多いもので、


『――なっ!?』


 レンが一瞬で後ろに回り、空中を蹴ってやれば簡単に殺せた。


「――次っ!」


 レンは次の魔人の元へと向かった。






「――ふぅっ!」


 レンは空中を蹴り、魔人の首を二体同時に切り落とす。

 すると、遠くからかなりの勢いで矢が飛んできた。


 それをレンは短剣で切り落とし、魔人に近づいていく。

 すると魔人は弓を捨て、短剣に持ち替えた。

 そして、レンに向かって投げる。


 レンがそれを避けるが、避けた先にも再び短剣が飛んできていた。

 慌ててそれを弾くと、魔人はいつの間にかレンの下に回りこんでおり、腹に強打を与えられた。


「……ぐぅっ!!」

『まだ終わりではないぞ』


 魔人はさらにレンに追いすがり、打撃を与えていく。


「……ぐ、ぅううう……!」

『――アモン』

『あいあいさー』


 ふと、後ろから新たな魔人の声が聞こえたかと思えば、後ろから熱気を感じた。

 どうやら気が付かないうちに、別の魔人がいる所まで動いていたらしい。


 後ろを見てみると、口に炎を溜めた魔人がおり、いつの間にか殴ってきていた魔人は飛び退いている。


 直後、レンの身体が熱に包まれた。

 咄嗟に魔法を唱える。


「……っ!『水泡バブル』!!」


 レンの周りを薄い膜が包み込んだ。

 すると、炎はレンの少し前で避けるように霧散していく。

 それと同時に辺りに無数の泡が発生し、破裂した。


『――ぐっ!?』

『なにっ!?』


 レンは泡が爆発するのと同時に、炎の中を突っ込む。

 そして、魔人の首を切り落とした。


 後ろから再び矢が飛んでくる。

 レンは飛んでくる方向を確認し、魔法を発動した。


「『影潜りシャドウダイブ』」


 レンは魔人の後ろに回りこみ、一閃。

 しかしそれは、事前に気づいていたかのように防がれる。

 だが、それで決まるとは思っていない。


「『凍結フリーズ』!」


 パキパキ、と魔人の身体が勢いよく凍っていく。


『な、なに……!?』


 その言葉を最期に魔人の身体は凍りつき、砕けた。


「……はぁ、はぁ……っ!あと、4体っ!」


 レンは息を整えながら、次の魔人の元へと向かっていった。

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