第104話

『オラオラオラァ!!邪魔だァ!あと魔人共は何処だァ!!』


 レックスは暴れ馬のように、ただただ現れた魔物を踏み潰していく。

 時折魔人のような影が見えるが、全てレックスによって踏み潰される。


「これは……僕ら要らないんじゃ」

「いや、まぁ、そうだな。レックスだから強いに決まってるわな」


 おじさんとレックスの上で話をしていると、ふっ、とレックスの周りにいた魔物たちが消えた。


『あぁ!?なんでいなくなりやがる!』

「それはレックスが暴れ回ったからじゃ……」

『まだ暴れ足りねぇよっ!』

「えぇ……」


 そんな話をしながら、周囲の気配を探っていると上空に気配をうっすらと感じた。

 しかも、2体いるようだ。


「レックス!上!上に2体!」

『上だと!?無理だ!』

「諦めるの早っ!?」


『――ほぅ。かなり上にいたのに気づくか。ヴィネの言う通り、危険だなこいつらは』

『――いや、考えてみろ、ストラス。こうも威勢がいいと破壊のしがいがあるってもんだぞ』

『お前は破壊狂だからいいかもしれねぇが、普通は危険だと考えるもんだぞ、ラウム』

『まぁ』

『どちらにしろ』

『殺さないと魔王様に顔向け出来ないからな』

『殺すか』

『殺そう』


 2体の魔人はそう言って魔法を発動した。






『植物魔法、グラスバインド』


 ストラスと呼ばれた魔人がそう言うと、レックスの足元にうっすらと生えていた紫色の草がレックスの足を縛るように伸び始める。


『なんだこれ!?絡みつくな!』


 この魔法はそんなに強力ではないのか、簡単にブチブチと引きちぎることが出来た。

 だが、相手はただレックスの足を止めたかっただけのようだ。


『レックスなんぞ、動かなければただの的だ。しかも、こちらが上にいるならな』

『破壊魔法、肉体破壊フィジカルデモリッション


 ラウムと呼ばれた魔人が魔法を放つ。

 その魔法は、レックスの左足に直撃した。


 すると、何かがパァンと弾ける音ともにレックスの身体が左に傾いていく。


『――グ、アァァァァァ!!』

「レックス!?」

『時間が経てば元に戻る……!だがこれでは戦えん!』

「……分かった」

「レン!?」

「ごめん、おじさん。レックスを見といて」


 レンはそう言うと、上空に跳び上がる。


『ほぅ、突っ込んでくるか、ラウム』

『もう準備出来てる、がこれは無理だ、狙いが定まらん』

『ちっ。準備に時間がかかるのがその魔法の欠点だからな、狙いを定めろよ』

『分かってる』

「絶対に当たらないし、当てさせない」


 レンは空中を蹴り、縦横無尽に動き、2本の短剣で魔人に傷を与えていく。


『……ちぃっ!動きを止めろ!』

空気圧縮エアプレス!』


 ストラスの魔法により、レンは空中に固定される。


『ナイスだ!肉体破壊フィジカルデモリッション!』

「……『土壁アースウォール』『光源ライト』『影潜りシャドウダイブ』」


 レンは足元に足場を作り、かなりの魔法を込めた光源ライトで影を作る。

 そして、闇魔法の影潜りシャドウダイブでその影に潜り込んだ。

 土壁アースウォール空気圧縮エアプレスに巻き込まれ、その直後に破壊された。


 ラウムの放った魔法はそのまま、レンの後ろにいたストラスに当たり、ストラスは死亡。

 レンはラウムの影から現れ、そのまま呆然としているラウムの首を掻っ切った。

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