第87話

 その数日後、レンたちは学園を卒業した。

 その後学園長から、国王様がレンにお話があると言われ、学園長と共に王城へと向かう。


 そこで国王様から王女様を助けた事のお礼を言われ、お礼として金貨を貰った。

 まぁ、レンが特に欲しいものがなかったために金貨になったのだが。


 その時に聞いたのだが、あの魔人が攻め込んで来た事件は一部の有力者を除き秘匿させることになったようだ。

 さすがに魔人が王都内にいた事を知られてしまった場合、必要以上に住民達を警戒させてしまうからだとか。


 あの事件は、その場にいた生徒を含めて知っている人の記憶を弄ってなかったことにするようだ。

 ただ、レンたちのように直接的に関わってしまった場合は無理らしい。


 あくまでも魔人の存在を完全に認識していない人や、認識していても魔人だと気づかない限りは記憶を弄れる。

 記憶を弄るのは国王様で、王家だけが持つと言われている固有能力なのだとか。


 その後、助けた王女様からもお礼を言われ、レンたちは王城を去る。

 その数日後、レンたちは王都を旅立った。






「――レンくんたちは村に一度帰るんだっけ?」


 ルイス様がそう聞いてくる。


「はい、大おば様に卒業を報告しないといけませんからね」

「そっかぁ、それにしても……レンくんはまた大きな怪我をしたんだね」

「あはは……」


 レンは苦笑いを浮かべる。


 レンたちは現在、ルイス様の馬車に乗っている。

 それは遡ること2日、王都を旅立つときに王都のルイス様の屋敷を訪ねたところ、


「僕たちもそろそろ領地に戻る予定だけど、僕らの馬車に乗っていくかい?」


 と言われたので、言葉に甘えて乗せてもらっている。

 ミナはいつもと変わらない調子だが、リナはルイス様を目の前にガッチガチに緊張している。


 ちなみに、レンの痣には包帯が巻かれている。

 他の人にあまり見られないようにするためと、レンが触っても問題ないようにするためだ。


 あの悪寒は、直に触れない限り起こらないようなので、包帯を巻くことで安心できる。

 ただ、包帯はかなりしっかりと巻かれているので、傍から見ると深い傷が付いているように見えるのかもしれない。


 2日後、レンたちはルイス様の街に着いた。





「――じゃあ、元気でね」

「はい、ルイス様も」


 レンたちは頭を下げ、ルイス様たちが手を振りながらレンたちを見送った。

 レンたちは3日分の食料を買い込み、レンの異空間収納ストレージに仕舞う。


 その後、ルイス様の街を旅立った。






 レンたちは、行きとは違い正規の道を使い、3日の道のりを歩いていく。

 3人で山を突っ切ることも出来ない訳では無いが、必要以上に警戒する必要もなく、またそれほど急いでいる訳でもない。

 なので、ゆっくりと進んでいく。


 時折、ゴブリンなどの知能の低い魔物が襲ってくるが難なく退ける。


 3日後、レンたちは村に着いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます