第35話

 あれから襲ってきた赤い毛の熊や、レンの体系の3倍くらいのオオカミを撃退しつつ歩き続け、夕方前には街の門を目と鼻の先に捉えていた。


 だが、何やら街の門の辺りが騒がしくなっている様子だった。

 そして、レンの姿を見るや否やレンの前に門兵らしき人物が駆け寄ってきた。



「君は向こうから来たのかい……?」

「そうだけど?」

「お、襲われなかったのか……?」

「襲われる?何に?」

「そ、そうか。襲われてないならいいんだ」


 何やら挙動不審な門番だが、よく見てみるとこの辺り一帯には深刻そうな表情をしている人が多いことに気づいた。

 ベテランの冒険者らしき人も深刻そうにしている。


「あの、どうかしたんですか?」

「ん?あ、あぁ。2時間前くらいにこの街にヘルハウンドの群れとレッドグリズリーが襲ってきてな、討伐は出来たんだが、そいつらは基本的に街を襲うことはないし、何かに怯えるように来たもんだからまだ何かがあの山にいるんじゃないかと、みんな怯えているんだ」

「あぁ……」


 ほぼ間違いなく、レンが撃退した魔物たちだろう。


 ヘルハウンドはレンの3倍はあるオオカミだろうか。

 群れの長らしき、一際大きな個体を倒したところそれ以外の魔物は逃げ出してしまったのだ。

 倒した親玉はある魔法でしまってあるが、ここで出すつもりは無い。

 ほぼ間違いなく騒ぎになるだろうから。


 レッドグリズリーは赤い毛の熊で、レンが殺気を当てたところ逃げ出してしまったのだ。


 見た目の割に、すぐに逃げてしまったので呆然としてしまったのを覚えている。


(これは……伝えるべきなのかな……?)


 一応報告した方がいいかと思い、レンは兵士に声をかけようとしたところ、


「おい!なに持ち場離れてんだ!すぐ戻れ!」

「あ、はい!」


 兵士の上司らしき人に怒られて戻ってしまった。

 レンはなんともやるせない気持ちになった。


(まぁ、何とかなるでしょ……)


 なんか悲しくなってきたので、そのまま街に入ることにした。

 特に審査もなく、そのまま街の門をくぐる。


 門のすぐ近くには住民らしき人達が心配そうに、門の外を見ていた。


(なんか……申し訳ないことしちゃったかも……?うん、まぁ後で報告しよう。とりあえず冒険者ギルド行こ)


 人々の間を抜け、冒険者ギルドへ向かう。

 冒険者ギルドで、学園に行くための申請をしなければならないのだ。

 どれくらい強いひとがいるのだろう、と期待を膨らませる。

 実はレンが1番強かったりするのだが、レンがそれを知ることは無かった。

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