第17話

 レンはいつもより早く起きた。

 昨日いつ寝たのか分からないので、暇だからと寝たまま朝になったようだ。

 自分のベットに寝ていたのはメリダがおぶって帰ってきたからだろう。


 早く起きたので庭に出ると、朝の気持ちいい風が吹き抜ける。


 いつもと同じように、毎朝の日課である魔力の循環、それに加えて昨日習った魔力から魔法への変換をする。

 昨日やった時よりも1回やったから感覚で覚えているのか、すぐにコントロールできるようになった。


 出現する魔法陣をどれだけ小さくできるか、とやってみると指先ほどの大きさまで小さくできた。

 魔法陣をどれだけでかくできるか、ということもやって見たかったが、メリダと大おば様に怒られるだろうなと思いやめておく。


 今日は武術の日だ。

 いつもよりやっている時間は長かったが、いつもの時間より早く切り上げて朝食を摂る。


 朝食は自家製のパンだ。

 これは、レンがメリダと一緒に作ったもので、出来上がった時はメリダもアルバスも褒めてくれたものだ。


 しばらく魔力を使って遊んでいたが、そろそろ時間なので空き地に行くことにした。





 途中で3人と合流し、空き地に向かう。

 空き地には既におじさんがいて、前と同じように胡座をかいて座っていた。

 この前と違うのは武器を磨いてない点だろうか。


「おう、お前ら」

「「「「おはようございます」」」」

「おう、おはようさん。さて、早速でわりぃが始めるぞ。まずはこの空き地を1時間走り続けろ。止まることは許さねぇからな」

「「「「は、はい!」」」」


 唐突に言われたが、レンたちは素直にそれに従い、走り始める。

 すると、ギリーがおじさんに疑問をぶつける。


「おじさん。一昨日言ってた武器は?」

「あぁ、それはまた後でな。ちゃんと用意してある」


 おぉ、と全員から声が上がる。


「だが、使うのは木で出来たやつな。重さと形を同じようにしておいたからそれでやる。実戦はもっとあとだ」

「「「「はーい!」」」」

「じゃあ、とりあえず止まらずに走ってこい!止まったら絞めるからな!――おら、さっさと行け!」

「「「「は、はい!」」」」


 全員慌てて走った。

 さらに10分くらい経つと、案の定再び全員バテ始めたのだが、そうするとおじさんが大きな声を上げ、すごい形相で追いかけてくるので止まるに止まれない。

 そのままおじさんは残り時間ずっと走り続けて来るのだ。

 ずっと猛獣に追いかけられている気分だった。


 結果、みんな1時間ずっと走り続けた。

 正直、何もやってきていない子どもにやることではないと思う。


 1時間経つ頃にはもはや足の感覚すらなくなっていた。

 既に全員、満身創痍。

 歩くほうが早いのではないか、というレベルの速さになっている。


「――おし!1時間経ったぞ!おら、ゆっくり歩いて来い。息が整ったらこっちに来るんだ」

「「「「は、はぃ……」」」」


 正直、2日に1回これというのはキツすぎると、全員が思った。

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