第16話

「よっしゃー!出来た!」

「よしっ!やったな、ギリー!」

「おう!お前のおかげだ、ネクソン!」

「いんや俺も教えて貰ってたし、お互い様だ」

「だな!」


 ふたりはとても嬉しそうにハイタッチをしていた。


 まだ全て終わった訳では無いのだが、これが出来ればあとは出来ると言ってもいいと思う。

 最悪、この時点で魔法を使おうと思えば使えるのだ。

 大切なのは魔力を身体に流して放出させられること。


 ただ、無駄に魔力を消費して燃費も悪いので、教えるに限ったことではない。

 あとはやる気次第でどうとでもなるのだから。





 少しして。

 ふたりが落ち着いてきたので、次に進むことになった。

 大おば様が来たので、メリダとふたりがかりでやることになった。


「さて、次じゃ」

「「「「はーい!」」」」

「……別にレンがいる必要はないのじゃぞ?」

「だって暇なんだもん」


 とてもぶーぶー言いそうな雰囲気だ。


「ぶーぶー」


 ……大おば様の目が責めるような目になった。




「別にいても構わんがやる事ないと思うぞ?」

「うん。みんなと同じことやる!」

「お主、もうやることやったじゃろ……。他の子たちの自信をぶち壊さなければ良いんじゃが」

「大丈夫だよ!」

「どこから出てくるんじゃ、その自信は……」

「うーんと、どっか!」

「はぁ……」


 いくらレンに言っても勝手に参加するだろうということで、一応許可した。

 せざるをえなかったとも言う。




「はぁ……。では始めるぞ」

「「「「はーい!」」」」

「さっき魔力は動かせたな?じゃあ今度は一点に魔力を集中させるのじゃ。手でも足でも、どこでも構わん」


 4人とも魔力を集中させようと頑張っている。

 ……ひとり違うのがいるが。


「ん?動かせるようにはなったけど、集中させることは難しいな」

「そうだね。もう少しで感覚が掴めそうなんだけど……」

「だー!無理だ!」

「おい、諦めるなギリー」

「そうは言ってもよ、ネクソン」

「俺も出来ねぇんだ。もっかい一緒に頑張るぞ」

「……わーったよ」

「さて、レンは何をやっているのかなっと…………何やってんだお前」


 レンは魔力を集中させていた。

 腕から足、顔に行ってまた腕に戻る。

 で動かしていたのだ。


 もはや常識を超えている。

 タチが悪いことに、レンはこれの凄さを知らず、やっていることは遊びだと思っているのだ。


「ん?暇だったから魔力を循環させつつ集中させてる?」

「なんで疑問形なんだよ……」

「だって自分でもわかんないし。出来るから出来るの」

「「「…………」」」


 大おば様が顔に手を当てて、ため息を吐いていた。






「……レンは放っておいて、お主らは自分のことをやっておれ」

「……わかりました」

「……だな」

「……おう」


 3人ともレンのことを気にしないことにして、自分のことに集中する。


「えー、ひどーい」

「お主が常識外れなことをしておるからじゃろうが!」

「えー!出来るでしょ!」

「普通は出来ないんじゃよ!」

「うっそだぁ!」

「ほんとじゃ!」

「嘘だ!」

「ほんとじゃ!」


 ……たとえ近くで醜い争いを見させられていたとしても、気にしないことにしたらしい。


 だが、黙ってない者もいる。


「レン、大おば様?邪魔になるので静かにしてもらえますか?」


 メリダだ。

 周囲に黒いオーラが漂っていた。

 そのオーラにやられて全員ビクビクしている。


「ふたりとも、分かりましたね?」

「「はい……」」


 この後はふたりとも静かにしていたので、何も邪魔されることなく進んだ。

 ただ、ビクビクしていただけなのだが。





 初めにできるようになったのは意外にもギリーだった。

 レンの常識外れの遊びを見てコツを掴んだのかもしれない。

 感覚派だからだろうか。


 その次はナフィ。

 その数分後にネクソンができるようになった。

 その頃には日は沈み始めていたので、今日のところは終わりになる。

 3人とも魔力の使いすぎで満身創痍な様子だったが、達成感のある顔をしていた。


 レンは……途中から暇になって地面で寝ていた。

 起こすのも忍びなくなるほど気持ちよさそうな寝顔だったので、メリダがおぶって家へと帰った。


 明日は武術だ。

 特に何も無ければ、今後は魔法と武術を毎日交互にやるようだ。


 みんな疲れていたので、倒れるように寝たという。

 レンははじめから寝ていたが。

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