第14話

「さて、と。2年前の続きじゃ」

「わーい!」


 レンは毎日、大おば様から習ったことを反復練習していた。

 おかげで、人ではありえない、いやこの世界の何者でもありえないほどの魔力を内包している。

 それこそ一国の、すべての人々の魔力を合わせたくらいの魔力を。

 扱いを間違えると兵器よりも凶悪なものにもなりかねない程に。


「2年前は、子供に魔法を教えるのはいけないと思って、教えなかったがの。もう、レンもやっていいこと悪いこともわかるはずじゃ」

「うーん、多分?」


 その言葉を聞いて一瞬、大おば様はほんとに大丈夫か、と心配になった。


「……まぁよい。このまま放っておいて、自分で魔法を使う方法を見つけられても困るからの。変に知識が付くよりはよい。しっかりと教えておくわい」

「やったー!!」

「じゃあ、レン。まずはじめに、前にやった手に魔力を集めることをやるんじゃ」

「はーい!」


 レンの両手に白銀の魔力が集まる。

 一瞬のタイムラグすらなかった。


「まさか、これ程とは……。息をするように魔力を制御しておるのぅ」

「やったよ?次はどうするの?」

「じゃあ、次は魔力を属性に変化させてそれに対する魔素に干渉するんじゃ」

「属性に変化?」

「火属性なら火をイメージすると、火の魔力になるんじゃ。魔力の量が多いほどより強いものになる。正直、レンのその魔力は多いのじゃが……」

「ふーん。えっと、氷のイメージ……」

「もはや聞いてないのぅ……」


 レンの両手に集まる魔力が白銀色からうすい水色に変わる。


「……ほんとにすぐに終わりそうじゃのう」

「えっと、次は魔素に干渉……。氷の魔素ってどれ?」

「氷の魔素ないから水じゃな。派生した魔法は派生する前の属性の魔素じゃ。それに、魔素は魔力に引かれてやってくるから、イメージすれば応えてくれると思うぞ」

「へー。氷、氷……。こうかな?」


 両手に集まっていた魔力は周囲に溶けだし、空中に大きな魔法陣が描かれる。


「やはり大きいか……って、なんじゃこの大きさは!?」


 正直、その魔法陣は国の宮廷魔法士が出す魔法陣より大きいのだ。

 そして、その魔法陣から特大の氷が発生する。

 その氷は大きな音を立てて、地面に落下した。

 周りに被害はほとんどないのだが、大おば様は開いた口が閉じない様子だった。


「……レン。一体何をイメージしたんじゃ?」

「ん?氷?」

「たかが氷でこんな大きい氷が出てくるものか!――はぁ、次は魔力を少なめに集めて同じことをやって見るんじゃ。あっ、両手である必要はない。片手で十分じゃ」

「分かったー」


 今度はレンの片手にうっすらと白銀の魔力が集まる。

 先程と同じように、魔法陣が現れる。

 先程の魔法陣の5分の1程度だ。

 魔法陣から氷が現れる。

 これも同じく5分の1程。


「――うむ。まだ大きい気はするが悪くは無いのう」

「やった!!」

「魔力量を調整できるように、練習するんじゃぞ」

「うん!」


 本当に早く終わってしまった、と思いつつも、レンの成長を喜ばしく思う大おば様であった。

 驚きは多いのだが、レンに教えると見ていて楽しい。

 レンの力を悪用されないように、力の使い方をしっかりと教えないといけないと改めて心に誓うのだった。

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