第12話恐怖

水晶のあかりをたよりに、木立をぬけだした。

風と臭気は、つよまっている。気配だけが大きくなっていくのに、なにもおこらない。

猫の歩みが、ふととまった。少女も歩みをとめる。そのばにしゃがみこむ。悪臭のせいだろうか、たっていられない。

意識を失う。さらに深い、悪夢のなかへひきこまれていく・・・。


みしらぬ草花のしげる草原、なつかしい景色、かいだことのないすばらしい香り、不思議な世界へと通じる小道・・・ぐちゃぐちゃしたイメージ、身に覚えのない記憶の断片のようななにか、コラージュされた心の内側・・・。

混沌のなかを、ラビットホールにおっこちたアリスのように、彼女は墜落する。

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