本編 あとがき

 本作、第五幕【揚羽蝶】は早河シリーズ序章【白昼夢】の物語をベースとしているため、白昼夢未読の方にはよくわからない話だったと思います💦


 シリーズ物の5作目なので本作ではじめましての方は少ないとは思いますが(;・ω・)

多分ここまで読んでいただいている強者の読者の方はきっとお馴染みの方が多いと思います。作者の変なノリのあとがきにも慣れてきた頃でしょう。


 まずは、揚羽蝶はこの一言に尽きます。

いきますよ?すうぅぅ(息吸ってる)……せーのっ!!

「佐藤さん! お帰りなさい( ノД`)…❤️」


【白昼夢】でスコーピオンに撃たれて海にドボーンして遺体も見つからなかった佐藤さん。

遺体がない→生きてる?がミステリー好きの定番の考察ですね。顔がない遺体や遺体すり替えトリックとか、えげつないけどわくわくします(わくわくしちゃダメなとこ。趣味悪い)

このカラクリはまた別の話で詳しく書きます。水落ちは生存フラグがお約束。


 佐藤さんにはめっちゃかっこよく再登場お願いしますと、意味わからない注文をつけておきました。はい、めっちゃかっこよく再登場キメてくれました。

白昼夢から3年経つので、37歳になる佐藤さんです。アラフォー好きには必見です。


 白昼夢メンバーが再登場の話ということで、メインは【白昼夢】主人公の浅丘美月と木村隼人を中心に話が展開していきます。


 早河シリーズ主人公の早河とヒロインのなぎさの登場は〈第三章 交錯 -ワスレナグサ-〉終盤から、全体では26話目からの登場です。早河となぎさの出番は今回は少なめ。


 前作【紫陽花】を読了の方はわかると思いますが、早河となぎさにとって6月はなかなかハードな月です。

【紫陽花】と【揚羽蝶】を時系列にしてみるとまぁそれはそれはハードなスケジュール。次から次へと事件が起きますねー、なんてアブナイ世界なんだ。


【紫陽花】と【揚羽蝶】、この二作は双子みたいなものです。

紫陽花から見れば裏側が揚羽蝶、揚羽蝶から見れば裏側が紫陽花になる構造。揚羽蝶での早河となぎさの介入も紫陽花の事件が解決してからです。


 さらに紫陽花と揚羽蝶の裏側が早河シリーズ派生作品の【Quintet】です。第一章で美月とゴールデンウィークにキャンプを楽しんでいた友人の葉山沙羅はこの【Quintet】の主人公。


こちらは早河シリーズ本編とは違って、沙羅と4人の芸能人との同居ラブストーリーとなっています♡

https://kakuyomu.jp/works/1177354054897232265


実は早河も少しだけ登場したり美月と隼人も登場しますし、【Quintet】は早河シリーズの裏側の物語として楽しめる作品となっています(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)


 本作第三章タイトル【交錯】の意味は『いくつかのものが入り交じること』、ワスレナグサ(勿忘草)の花言葉は『私を忘れないで』、なんとも意味深なタイトルですねぇ。


早河、なぎさ、貴嶋、莉央(早河シリーズメイン)と美月、隼人、佐藤(白昼夢メイン)が交ざり合い交錯して人物相関図がとんでもないことになっています。


 最後の隼人と莉央の展開は揚羽蝶の中盤まではきっと誰も予想していなかったんじゃないかと……。まさかこの二人がねぇ、事案よねこれは。

なんで隼人と莉央を出すとアダルティな空気になるんだろう。謎。

秘密の証はラムネ味.。oO


【揚羽蝶】は女のドロッとした面を前面に出している作品です。でも、誰でもこういう面は持ち合わせていて、犯罪者の一歩手前まではみんな行ってしまう可能性があるよってことを書きたかったんです。


 特に何かしたわけでもないのに何故かあの人に嫌われている、生きていればこんなこともありますね。


自分が嫌う側になることも、嫌われる側になることも、陰口を言う側になることも、陰口を言われる側になることもあります。

昨日まで仲良くしていた人が手のひら返しで自分をイジメているグループに加わっている……なんてこともあります。嫌な言い方ですが、それが人間なんですよね。


 2009年時点の話なので、その時代に主流だったブログが登場します。前作【紫陽花】にもブログは出てきましたね。


 今(2019年9月時点)だと自撮り写真を載せるのはブログではなくインスタグラムやツイッターが主流でしょうし、悪口や嘘の情報を流して拡散を煽るようなチェーンメール(不幸の手紙)はツイッターのリツイート機能が当てはまりますね。

(※リツイート機能はより多くの人に知って欲しい情報や良い感情を拡散するためにあると解釈しています)


 明日香と里奈はエキゾチック美人な市川部長の言葉を借りれば、「恋に喰われた女」です。


二人共、〈インターネットに載せなくてもいいもの〉を載せてしまったことでそれが事件解決の手がかりとなってしまいました。

今回は犯人が最初からわかっている倒叙とうじょ形式となっています。倒叙ミステリーの代表格で有名なのは古畑任三郎ですね。(ここで唐突に流れる古畑のあのBGM……)


自撮り写真や男が写り込んでいる写真、ネットに載せなくてもいいものをあえて載せてアピールをする……しなくても生活するには困らないことをあえてしてしまうことがSNSの魔力であり魅力なのかもしれません。


 情報収集方法のひとつとして調査機関にSNSを閲覧される可能性を考えないといけません。

早河やなぎさ、刑事の真紀がやったように、警察や探偵などが対象者のSNSを探して閲覧し、そこから手がかりを見つけ出す、そんなことも実際にありそう。


 ネットは情報の宝庫ですから情報の管理をしっかりとしなければいけない。

そして人の情報はお金になります。他人の情報の売買がビジネスとして成立しているんですよね。


 この後の物語については、第六幕【砂時計】……の前に、【揚羽蝶】と【砂時計】を繋ぐ夏の短編集【夏物語】を連載します。


 短編集ではこれまでスポットライトの当たらなかったあんな人やこんな人の夏のお話が四篇、この夏を経験して彼らの物語は次作【砂時計】に繋がります。

時間軸は【揚羽蝶】エピローグ後からのスタートです。引き続き、お楽しみください❤️



   あとがき END

→短編集【夏物語】に続く

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