故郷には何の思い入れもないと思っていたはずが、そうじゃないことに思い当たる場面。兄の苦労はわかってる。…つもりだったこと気付かされる場面。あとで過去を振り返り初めて気づくこと。たくさんあって、というか、ほとんどのことに、その時には気づけない。苦労話や哀しいエピソードだけではなくて光が見えたから、筆者の方も今は素敵な大人になったのだろうなぁって、思いを馳せました。つい一言置いていきます、ごめんください。
兄弟のどちらかが犠牲にならなければ田舎のお金のない家庭は大学に行くこともままならないのか、という描写がつらい。シンプルながら丁寧に周辺人物の心情や真相を追っていく読みやすい作品だった。