第4話 宴席 ◆0004

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-ホテル-


 視察団の皆さんがホテルに戻り、しばしの休息ののちに、狭いながらも整った宴会場に集まってくださいました。私は、市議会議長として、皆さんをお迎えしました。


 比較的早くからここに住み、仲間に推されて市議になっていた私が、議長になっていました。おかげで、光栄ある大役をいただけました。最初は市長でなくてよいのかと思いましたが、急な出張もありえるのでそういうことが少ないあなたに任せると、市長直々におっしゃられては、お断りもできません。


 最初に私がご挨拶を差し上げ、和やかに懇談が進みました。ただ、私は高校を出てからつまらない専業主婦をやっていましたので、英語とかむつかしいこととかがわかりません。せいぜい、ご立派な通訳の方に担当者をご紹介することしかできませんでした。

 そんな私でも、十分お役に立ってきたことは自負しています。市長はかわいい娘のようなものですから、私が指導していろいろな政策を実現してきたのです。すばらしい町を作り上げることができました。まだまだこれからです。

 視察団の皆さんと関係者の話も盛り上がっているようで、たいへんににぎやかです。私は、うれしゅうございました。つくりあげてきたものの成果がこれほどまでに大きな世界的なものになるなんて。外国の方など見たこともなかった私にとって、なんだか夢でも見ているようです。

 市の出席者たちも、皆英語が苦手な様子で、なかなか会話に入れなかったりもするようです。通訳の方をもっと大勢お呼びしておけばよかったかも知れません。でも、これはこれで、中身の濃い話ができてよいのかも知れません。

 こんな幸せな日々が、すべての市民に、いいえ、世界中の人たちに続きますように。


 楽しい宴もたけなわですが、そろそろ時間となりました。そのとき、市長が駆け込んできました。市長のご挨拶をいただき、楽しい集まりが終わりました。

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