【短編連作】ほんの三分だけのホラー

のぞきみさん

　小学生のとき、学校に"のぞきみさん"がいた。

　のぞきみさんは覗き見をしてくるのだ。扉の隙間とか、カーテンの隙間とか、ロッカーの隙間とか、そういうところから二つの目がじっと見つめてくる。そして思いきって扉やカーテンを開けると、誰もいない。最初はいたずらか変質者かと思われていたけど、正体が掴めなかったから、自然と七不思議の怪談として語られるようになった。

　放課後に一人でいると、のぞきみさんに覗かれる。

　そういう怪談。私には霊感があるから朝だろうが昼だろうが視えていたが、他の子には夕方になる頃になってからなら視えるようになるようだ。他の子の視える視えないは不安定でさっきまで視えてたのが急に視えなくなったりするし、あっちのお化けは視えているようなのにこっちのお化けは視えていないとかもよくある。比較的視えやすいのが夕方以降なのだ。

　私は夕方に一人で学校を歩いていた。図書室で本を読んでいるうちに少し居眠りしてしまったからだ。慌てて帰る準備をしていると、ガタガタとした物音が本棚のほうから聞こえてきた。

「きゃあああ！！」

　上級生らしき女の子が飛び出してきた。

「どうしたんですか？」

「の、のぞきみさん！　いたの！　本の隙間から！」

　指さす先に、視線を向ける。本棚の中心に、本一冊抜けた分の、暗い空間があった。

「あれ、いない……？」

　ごめんね、見間違いに決まってるよね、と上級生は謝ってきて、逃げたときに落とした本を拾い始めた。私も手伝ったらありがとうとお礼を言われた。

　本当はのぞきみさんはずっと覗いていたが、私は黙っていた。みんなの霊感は、本当に不安定だ。

　そんな風にちょくちょく目撃されていたのぞきみさんだったが、急に現れなくなった。みんなにも、私にも視えない。誰の話題にものぼらなくなり、いつの間にか七不思議の座も他の怪談に明け渡されていた。

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　ハイハーーーーーーーーーイ！！！！！！！　真夜中のドキドキさんテレビショッピング！！！！！　ドキドキさんだよ！！！！　みんな元気？？？？？？？？　元気じゃない人にはこのドキドキさん印の疲労がポンしちゃうお薬を……おっと今日は違ったね！！！！！

　本日は～～～～透明人間になる薬！　みんなの夢！！！！！

　透明人間って言ってるけど動物のみんなもお化けのみんなも妖精のみんなも鬼のみんなも◼️◼️◼️のみんなも使えるから安心してね！　おっと、白いのはシャットアウト。あ、よいこのみんなも大人のみんなもは今の気にしなくていいよ～～～～。

　それでこのお薬はね、飲むと透明人間っていうか、誰にも存在が認識されなくなる的なやつ！　だから服だけ消えなくてそのままとかもないよ！　君という存在が認識されなくなるのさ！　飲んだ量によって効果時間は変わるから気を付けてね～。一覧はこちら！　一瓶丸々一気飲みは永続だから気を付けてね！

　あ、さっそくご注文だね！　ありがとう！　ドキドキさんは嬉しいよ！！！！！！