命を大切に
私には霊感がある。だから、町の片隅でひっそりと暮らす妖精さんとも会話をすることができる。
「こんにちは、青い羽根の妖精さん」
『あらこんにちは、ヒトのお嬢さん』
「ずいぶんな騒ぎだね。何かあったの?」
『ええ、大変だったわ。最近、死刑制度を作ろうとか言う方が多いから。さっきも議論が白熱しすぎてね』
「どうして?」
『私たちが住むエリアは治安があまり良くないの。けどだからって死刑は良くないわ。命は大切にしなきゃいけないもの』
「そうなんだ」
『すぐに殺しちゃったら、皮も肉も髪も羽も限界まで取れないもの』
「…………」
『死んだものから剥ぐより生きている者から剥ぐほうが新鮮で、長持ちするの』
「痛くないの?」
『痛いわ。痛いから罪人でしかできないのよ』
「…………」
『命は大切にしないと思わないといけないと思わない? ねえ』
「………………………………」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます