裸の女
アダルトサイトを見ることがある。
男だし、当たり前のことだ。そこは素人がいわゆるハメ撮りを多数投稿しているサイト。普通のAVもいいが、その素人感が好きでよく見ている。
多数のサムネイルの中から画像を選んぼうとしたら、間違って画面端の画像をクリックしてしまった。なんのサムネイルか見えてないが、まあ良いかと思って見始めた。男が撮影しているのか、裸で胸が豊かで肌が白い女が立っている。
ただしその女は目も鼻も口もなく、顔中が穴だらけだった。顔に空いた大小無数の穴から触手のようなものがにゅうと突き出してわらわらと動いている。
「うわっ、キモっ!」
悪戯だろうか。わざわざ手の込んだものを仕込みやがって。運営に通報したあとは、サイトを閉じて、萎えた気持ちの持っていき先を探す。
携帯が鳴った。
『きもっ ってひどくないですか』
『わたし そんな だめですか』
『ひどいです はずかしいところを みた くせに』
『ゆるさない』
『つぎは あなた』
「は?」
次々と画面に表示される文章に、思わず声が出る。思考がまとまる前に、玄関からガチャガチャという音がした。そして、なぜか鍵が開く音。合鍵なんて、誰も持っていないのに。チェーンだってかけているのに。
硬直していると、リビングへのドアが開く。そこには胸が豊かで肌が白い、裸の女。そんな女が、拘束具とスマホを持って立っている。
そして女の顔には、穴が。
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