第378話【剣劇】

イッカクの怪人は襲い掛かって来た夢宮に角で突きさそうとした。

しかし盾でガードする夢宮。


『かてぇ!?』


盾ごと貫通させてやろうとしたイッカクの怪人は盾の強固さに驚いた。


『ぐっ!?』


夢宮も角の強固さに驚いた、 盾をぶつけて圧し折ろうとしたのに

まさか無事だったとは予想外の外だった。


『たあああああああああああ!!』


剣の連撃を放つ夢宮、 イッカクの怪人の体に無数の傷が付けられる。


『舐めるなああああああああああ!!』


イッカクの怪人も角での突きを放った。

しかし余りにも単調で躱すのは容易だった。

掠った甲殻が削られていったので破壊力は充分だった。

角捌きを訓練したと言うのは本当なのだろう

その努力を他に回してくれた方が社会にとっては有用なのに

何故そんな努力をしてしまうのかが疑問だが。

だが訓練したのに何故躱されるのか?

それは恐らく訓練したと言っても的が動かない案山子とかだったのだろう。

相手が動く事を想定していなかったのだ、 何と愚かな・・・


『くっ、 くっそおおおおおおおおおおおおおお!!

こんな所で死んでたまるか!! 折角怪人の力を得たんだから

好き勝手やらないと意味ねぇじゃねぇか!!』

『ふざけるなよ!! 誰にも人を踏み躙る自由は無い!!』

『馬鹿言ってんじゃねぇよ!! 平和な時はエリートが好き勝手やってたじゃねぇか!!

上級国民が人を一人轢き殺しても逮捕されてねぇじゃねぇか!!

だから力を手にした俺が好き勝手やっても文句無いだろうが!!』

『じゃあ君より強い僕が君を止めて殺しても文句無いな!!』

『舐めてんじゃねぇええええええええええええ!!』


角と剣の剣劇で剣が砕け、 角が折れた。

互角、 に見えるがそうでは無い。

夢宮は甲殻から新たに剣を生成した。

イッカクの怪人は新しく角は生成できない。

勝負は決した。


『クッソオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』


絶叫の後にイッカクの怪人の首を切り落とす夢宮。

イッカクの怪人の首が吹き飛び怪人の体が爆発した。


『ああああああああああああああああああああ!! もう嫌になる!!』


人間の体に戻り下山する夢宮。

怪人を殺してもむしゃくしゃが止まらなかった。

別にストレス発散する為に怪人を殺している訳では無いが

それでも叫びたくなるのだ。

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