第374話【惨劇役所】

役所に向かう夢宮、 役所に向かう迄誰とも出会わななかった。

村中田んぼが広がっていたが誰も世話をしていなかったのか草が生えるままになっていた。


「一体何が有ったんが・・・」


役所に向かう夢宮。

幸いにも役所の位置は分かり易く役所とちゃんと看板が有ったので辿り着ける事に成功した。

役所はプレハブ小屋だった。


「何だこれは・・・」


プレハブ小屋に声を上げたのではない。

プレハブ小屋の壁には血や臓物が塗りつけられており悪臭を放っていた。

周囲には役所の職員の様な制服を着て干からびた死体が放置されており

不気味だった。


「・・・・・」


村の地図を得る為に役所の中に入る夢宮。

しかし役所には鍵がかかっていた。

しょうがなく扉を蹴破って役所と言う名のプレハブ小屋の中に入る夢宮。


「・・・・・」


役所、 というよりは学校の職員室の様だ、 と思いながら

地図を探し回る夢宮。


「ん・・・?」


地図を探している途中で興味深い物を見つけた、 それは金庫。

血でべったりと汚れており、 血の手形が付いている。

如何やら開けようと試みたらしいが開かなかった様だ。


「・・・・・?」


ここで違和感を覚える、 金庫が血で汚れていたと言う事は

血塗れの誰かが金庫に誰か触ったのだろう、 しかし役所の中には誰も居ない。

床に血の跡が付いているから外に出たのか? しかし何故ドアには血が付いていない?

そして何故鍵が閉められていた? 外に出るだけなら分かるが

この状況は余りにも異常、 それなのに態々鍵を閉める?

大事な物が有るのならばこのプレハブもとい役所ではドアを破壊されるのがオチだろう。

警備会社とも契約をしている様子も無い、 まぁ今のご時世なら

警備会社と契約しても・・・と思う夢宮。


「何か・・・変だな・・・」


そう思いながらも当初の目的通り、 この村の地図を手に入れた夢宮。

この村には田んぼの他に集会場や公民館、 村長の家が有るらしい。

村長? 役所が有るのに? 村社会の事は良く分からないので首を傾げる夢宮。


「・・・・・とりあえず集会場に行ってみる事にしようか」


役所を出た夢宮、 村中の死臭に不愉快な気分になりながらも村を移動する。


「しかし・・・誰がこんな磔をしたんだ?」


怪人の仕業にしても悪趣味が過ぎると思う夢宮だった。

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