第330話【前も後ろも駄目ならばと鶴瓶は閃いた】

「派手に動き過ぎたね誠也君」

「・・・・・」


頭を抱える誠也。

そして周囲に鳴り響くパトカー

咄嗟に路地に入ったが前も後ろもパトカーのサイレンが鳴り響く。

路地から出るに出られない状況になってしまった。


「確かにヤバい、 がここならば問題無いだろう」

「何で? この路地にも警察は来ると思うよ?」

「いやこの路地ならば空気の巡回が悪い、 これならば俺の能力も発動出来るだろう」


誠也は大麻の怪人、 ここならば大麻の特性をフルに活かせるだろう。


「うん・・・だけど君は人前で怪人になったんでしょ?」

「そうだな」

「それなら最初から銃弾撃ちまくる可能性も有るよ?」

「う・・・いや、 街中では・・・」


顔をしかめる誠也。


「前門の虎、 後門の狼・・・ならば」


鶴瓶は顔を俯けた。


「有った」


そして地面からマンホールを引っぺがす。


「下水道か!!」

「オオー」

「早く・・・行こ・・・」


マンホールの中に入る誠也達。


「後は下水道を通って、 この街を出れば良いわね」

「でも臭いな」

「貴方がもっと慎重に行動すればこんな事にならなかったけどね」

「・・・・・」


気まずそうにする誠也。


「とりあえず情報を探ろう」


携帯電話を取り出してネットニュースを見る。

自分達が見つかった事がトップニュースになっていた。


「これから如何しよう」

「海外に逃げるって言うのは如何?」

「英会話もまぁまぁ出来る様になったしそれも良いかもな

俺の薬物スキルも上がっているし・・・如何した?」


携帯電話を見ていた鶴瓶がストップしている。


「・・・・・ちょっとC2号部隊までくるみたいよ」

「なっ!? C2号部隊まで来るだと!?」


驚愕する誠也。


「誠也が怪人になった事もバレたしこれは不味いんじゃないの?

貴方マークされてるよ、 多分」

「いや、 お前もマークされてるだろ!!」

「いや、 私はC2号部隊と行き会ったら無抵抗で捕獲されるわ」

「はぁ!?」

「C2システムとやり合うつもりなんて無い」

「くっそ・・・だ、 だが下水道に居れば大丈夫な筈」

「それは如何かな・・・一応は大丈夫だと思うかもだけど時間の問題だと思うよ

二人もそう思うでしょ」

「セイヤ、 イママデアリガトウナ」

「ばいばい」

「マーチン!! ポナタァ!!」


涙ながらに叫ぶ誠也だった。

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