第326話【結末】

バシュ、 バシュ、 と次々にジョージを撃つマルォ。

急所を外して苦しむ様にしている。


「ぐ・・・意外とサディスティックだなぁ・・・

舌足らずだからもっと甘い奴かと・・・」


バシュ、 と脚に向けて撃つマルォ。


「楽になりたいか? ならば吐け、 何処にある?」

「ふ・・・敬語が抜けて流暢に喋れるようになったじゃないか? えぇマルォ?」

「喧しい、 お前に乗っかった結果、 俺までヤバいんだ

ブツを手に入れれば俺だけは何とかなるんだ」

「誰に言われた? 大統領か? それとも・・・げほっ」


血を吐くジョージ。


「吐け、 もう無理なのは分かるだろう?」

「くっ・・・くく・・・殺し屋が来るかもとか思っていて準備していた甲斐が有ったな・・・」

「何を言っている」


ピン、 と何かの音がした。

マルォは目を見開き素早く身を翻して部屋から出ようとしたのだった。

しかし


「馬鹿、 逃げられると思うなよ」


その瞬間、 閃光が瞬いた。





『次のニュースです、 駐屯軍で謎の爆発事故が発生しました

駐屯軍は甚大な被害が起こり、 司令官のジョージ氏、 副指令のマルォ氏が遺体で発見され

駐屯軍兵士12名が死亡、 28名が重軽傷を負ったとの事です』


TDTの仕事部屋でネットニュースを見る草佐々。


「これって公安の調査が近々入る予定だったんですよね小林さん」

「そうだな・・・」


美亜の言葉に同意する小林。


「ジョージとマルォが死んだ事で捜査はふりだしになった、 と言う事で上は大騒ぎをしている」

「大変ですね・・・何かC2号部隊では大勢の人がクビになったんでしょ?」

「そうなんだよ・・・これから大変だろうな」

「・・・・・」


黙る美亜。


「こっちはこっちでやる事はやりましょう」

「既に手は打ってあるよ」


小林は草佐々のパソコンを弄って別の動画を出した。


『次のニュースです、 ノギクボ製薬の怪人製造問題で重要参考人として

現在、 行方不明のノギクボ製薬研究員、 鶴瓶 亜紗容疑者

同じく行方不明の学生の野木久保 誠也容疑者を全国指名手配しました

この顔にピンと来たら是非とも公安に御一報下さい』

「とうとう指名手配ですか・・・」

「これで癒し屋も私達に協力的になってくれると良いんですがねー」

「そう簡単に見つかるかどうかわからない、 様子を見る事にしよう」

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